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2020年度名古屋大大学院入試をオンライン受験した話(航空宇宙工学専攻)

どうも,室蘭在住のB4の学生です.

今回も2020.08.25-27に行われた名古屋大大学院入試について,ありのまま起こったことを話そうと思います.

前回,筆記免除試験(推薦入試的な扱いのもの)をオンラインで受けた時の続きです.前回の話は以下を参照して下さい.つまり,落ちたので,再受験です.

はじめに

上記の通り,筆記免除試験に落ちたので一般入試を受けました.ただ,昨今の事情でオンライン受験する運びとなりました.私の大学は対面式でやったようなので,勝手がわからない先生方もいるかもしれません.受験生だけでなく,そういった方々にも向けて書こうと思います.

筆記免除試験以後の話

2020.07.17に筆記免除試験を終え,ゴロゴロしたかったが,半年早い卒論提出と落ちた場合に備えて,専門科目の勉強に少しづつ取り掛かっていた.細かい勉強法は割愛する.そんなこんなで2020.08.04くらいに合否通知がやってきた.結果は残念ながら不合格( ^ω^)・・・

落ちた理由はいくらか心当たりがある.まず,物理を完答できていないこと,数学の細かい条件を飛ばしていたこと.あたりが決め手ではないかと思う.まあ,残念ながら当然の結果と言えるので,仕方ないと思いながら,同封された通知を見る.

内容物は,研究室希望調査について.どこの大学もあると思うが,一般試験前に希望する研究室を聞いてくる.ふつうは3か5の研究室を書くはずだが,名古屋はそうではなかった.機械システム工学専攻,航空宇宙工学専攻,マイクロ・ナノ機械理工学専攻の3専攻の研究室28個を全て選択する.

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出典:秋田書店 バキ26巻

ぶっちゃけ,興味ある研究室はせいぜい2つか3つ.知らんがな,って研究室は沢山あったが,入ってもギリセーフな研究室を並べて,提出する.受かっても,25志望の研究室に入ったら,それは果たして成功と言えるのか.そう思いながら,所定のフォームに登録した.ちなみに登録は1度きりらしく,やり直しは効かない.

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出典:秋田書店 バキ26巻

色々突っ込みたいが,その気持ちを抑えて,勉強を始めた.

ただ,名古屋大の良いところとして,好きな専攻に居ながら,好きな研究室を選べることにある.自身も航空宇宙工学専攻に居ながら,機械システム工学専攻の研究室を第1志望としている.これは好きなことを両取りできる良いシステムだと思う.そこだけでも,十分素晴らしいと思っている.勿論,意図せぬところに配属されるリスクはある.

試験要綱

通知の内容は前後するが,分かりやすいようにまとめる.

試験は3日に分けて行う.

初日は数学の口頭試問.2日目は物理(力学)の口頭試問.3日目は志望動機など一般的な質問.全部オンラインZoom上でやる.専門科目がなくなったのは,幸か不幸か分からん.

こちらで準備するのは,安定した回線,誰も入ってこない静かな部屋,サインペンおよびスケッチブック等の試問の解答を鮮明に試験員に示すための筆記用具,PCとかオンライン通話できる媒体(画面共有で出題するので大きい画面の方がよい,iPadくらいあれば十分見える)

試問中は不正防止のためにすべて録画される.

基本的にはこのようなもの,他に思い出したら追記する.

試験会場

試験において仮想的な試験会場が3部屋Zoom上で展開される.

第1室は試験前に待機する場所.各部屋に数人ずつ集められる.(実質的には第1室がたくさんあることになる)受験番号を呼ばれたら第2室に移動する.待機中は勉強も何も出来ない.死ぬほど暇.

第2室は口頭試問の会場,試験官が2人待機して,一人は司会者兼主題者,もう一人はメモや採点官的な役割な気がする.詳しくはわからない.また,試験前に部屋を見せてモノがないことを確認する.教科書も持ち込めないので注意.

第3室は試験後の待機室.終わった人(第1室のメンバー)からひたすら戻ってくる.全員戻ってきてもすぐに解散しなかった.つまり,全体の試験が終わるまで,解散できない.試験後暇だから,3日目に話す内容でも考えといて,と言われた.それでも暇だったが.

試験当日-数学-

さて,ここからが地獄の始まりだ.どんな問題が出るのか覚悟していた.

結論からいうと,

8分で9問の小問を解かされる.

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何を言っているんだ?????完答とか無理ゲーでは????

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メモと記憶にあるだけ再現した結果.これを8分で解く.そして,回答のみを試験官に見せる.回答過程は見る時間がないのかもしれない.また,画面全体にこの問題が3×3で並べられ,見えるならスタート.小さくて見えないなら拡大してもらい問題を解く.

正直,問題を読んで,考えて,手を動かして,書いて,まとめる作業を1問当たり50秒でやらなければならない.TASなら出来るかもしれないなぁ.と思いつつ頑張ったが,半分解けたかな位.問題選定をうまくやればもう少し解けたかな,ってレベル.でも,そんなに頭は回らない.

色んな意味で難易度が上がり,メンタルクラッシュしそうになった.心折れそうになった記憶がございます.問題の出し方は意味があるのか,明日もこんな感じで来るのか,と思いしょんぼりしたので,知人に電話して心を落ち着けました.割と電話しなかったら死んでた.親でも良いから辛いなら電話した方が良いと思う.(問題内容の口外は試験終了まで無理なので,留意)

試験当日-物理-

少し持ち直して翌日を迎えた.

結論からいうと,

また8分で9問の小問を解かされる.

覚悟していたので,もはや驚きはない.やるしかねぇ.

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またしても,時間が絶妙に足りない問題集.時間が足りない焦りから(4)の力学的エネルギーが0になる始末.無い知恵を振り絞っては解く.そして,絶望を味わいつつ,答えを試験官に見せる.とりあえず,試験らしい試験は終わり.少し心が落ち着いたよ.

試験当日-面接-

鬼のような試問を終えて,気が楽になった最終日.一人当たりの試問時間が5分しかないので,少しでも言い淀んだら負けだと思い,少し練習した.

ちなみに,専攻ごとに試験会場は異なり,口頭試問と違うのが,一人に当てられている時間帯が固定されていること.試験時間の5分前に入室して,待って,質問攻めにあい,試験を終えるのが一連の流れ.

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こんな感じで急ピッチで試験は進む.先生方の苦労が偲ばれる.

さて,具体的な内容を語ろう.入室するや否や食い気味に,受験番号と名前を聞かれる.その後は,シンプルオブシンプル.志望動機は何ですか?からスタートする.

ちゃんと準備したので,「志望する研究室で熱と構造の連成の研究をしたいこと,その分野は未開拓であるから確立したいこと」「志望する研究室では,特許をよく出願するので,研究者だけでなくエンジニア的な視点や知財の話も学べること」「東海国立大学機構による産学連携が進んでくるので,研究室単位でなく,実学的な視野を取り入れやすい環境が整っているから」あたりをサラッと答えた.よく調べているね.と言われた後,上記に関する質問が飛んできた.

Q.あなたの(宇宙機構造の)研究室では連成はやっていないのか?

A.どちらかというと振動や曲げなどの構造特性を見ることが多く,熱の検討は副次的程度では検討している.連成と言えるほどがっつりやっていない.

Q.修士以降の進路はどう考えている?

A.金が許せば,博士に進学し,連成の研究を一つ完成させたい.就職は宇宙業界の量産や産業規模拡大をしたいので,それが出来そうな場所に就きたい.なければ,,,起業??(ぶっちゃけその気はない)

こちらから質問はありませんか?的な質問が飛んでくるかと思ったが,時間的に無理っぽく無かった.こちらが用意したのは,「Q.課外活動してるような意欲的な人は結構いますか?」的な質問.せっかく(少なくとも成績上は)優秀な人が集まりそうだから,何かやってみようかと思ったので,聞こうとした.

時間もないので,これくらいで終わり.私の受験は終わった.結果が出るまで,終了間際の卒業研究に苛まれることになる.おぉ,お労しや,俺.

終わりに

結果から言うと,第一志望の航空宇宙専攻に受かっていた.良かった.航空の倍率は1.4倍前後(他の専攻も似たようなもの)だった.しかし,研究室配属は現在も決まっておらず,不安に駆られている.思いもしない所に配属されたらどうなることやら,,,と思いながら勉強をしている.

ちなみに,私は諸事情で卒論は終わっているので,半年間は暇している.故に色々と勉強しようと思っている.色々災難だったが,これもまた一つの運命と捉えて,今後を楽しもうと思う.

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出典:© 諫山創/講談社

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