佐藤眸向

文章を書いています

佐藤眸向

文章を書いています

最近の記事

ショッピングモール帰り

2022.5.16 もう今は潰れた地元のショッピングモールの夢 久しぶりに会ったという設定の父親との距離が気まずくて、ずっと母について行きたかったけど、母は父親にくっついていくので後ろから2人を見てた もっと何かしなきゃと思いながらカートを押していた モールの中には小さい列車が走っていて、昔祖母に乗せてもらったことを思い出した そういえばこのモールの2階で、父親に意地悪をされてよく泣いていた  久しぶりの父親はよそよそしい 買い物を終えて、紫色と水色と黄色のモールを出

    • ミニミニりんた

      夢を見た 大学か、職場か、どちらともつかない朧げな街並みをうろうろしていた。その辺りに明確な用事があった。 りん太という、知っている犬の子供が周辺で迷子になっている事を知り、その子犬(ミニりん太と呼んでいた)を保護しようとしていた。 入り組んだ街路のそこかしこにミニりん太は現れ、消え、私は毛布を抱きながら追った。 やっとの思いで行き止まりに追い込み、ミニりん太を毛布で包もうとすると、後ろから警察が現れる。 警察が、おそらく保健所へと連絡をしていた。焦って私が引き取ります

      • 佐藤眸向のポートフォリオ

        はじめまして、佐藤眸向と申します。 こちらは、これまでに制作した文章作品のポートフォリオになります。 主に短編小説を制作することが多く、ほの暗い雰囲気の文章を書くことが得意です。 以下に私の制作した文章作品をまとめました。 参考にしていただけますと幸いです。 ・パーキング・エリア 2023年5月に制作した短編小説です。 姉妹、思い出をテーマにした作品です。 ・くる、朝 2023年6月に制作した短編小説です。 朝をイメージした作品です。 ・ピンクムーン 2023年

        • くる、朝

          よくあることだ、うまく眠れない時期。体はだるいし頭も重苦しくて、起きていたくなんかないのに、眠れない。 ぼんやり窓の端が青くなって、そのまま白んでいくのを見ているしかない。 こういう朝に、青く霞がかる日を思い出した。カーテンの隙間からきまって見えた風景が、ほんとうに懐かしい。 ボーボー鳴いてる鳥の声、起きだした祖父が水道を流す。そうしていると、時間とか日付の感覚がすごく遠くになって、いろんな覚えがまぜこぜになって不思議だった。学校のこと、家のこと、近所の田んぼ、昨日みた

          ロマンチスト・ワンワン

          私の夢、10000匹の犬と暮らす。広い家で、うんと汚くていい。そこは常に犬くさくて、もちろん私も。 小さい犬ばかりを集める。チワワ、ポメラニアン、ペキニーズ⋯眠る時は、子犬も成犬もみんなベッドに集めて、私は犬のお腹に埋もれてぐうぐう眠るのだ。それだけがいい。私はけものくさい中年多頭飼いババアになりたい。 働きたくない。けど、トリマーなら考えてやってもいい。 けものくさい体で職場へ。服は犬の毛だらけで、さらに犬の毛をつけに仕事へ行くのだ。そこで私は問題児のトリマーで、客の犬

          ロマンチスト・ワンワン

          ピンクムーン

          「俺は熱心に生きているから、そのうち迎えが来るかもしれない」 父は酔うと口が達者になる。 「先祖が北欧生まれだから、寒いのが好きなんだ。夜も好きだ。俺はきっとけものだった。」 「だから迎えは月から来る、あそこは暗くて寒いんだろう。そこで俺はけものに戻る。」 ばからしいことを本気で言う人だった。 そんなことを赤い顔でつらつら話すような人は月にお迎えなどしてもらえないだろ、と思って内心笑っていたが、そう話す父の顔はどこか予言めいてもいて、本当は、少しヒヤヒヤしていた。

          ピンクムーン

          パーキング・エリア

          23時50分、名古屋から東京まで。3列シートに両膝をたててうずくまる。かすかな乗り物酔いの気配を押し込めるように、お腹を押さえて。 誰かのいびきにいらいらして、耳栓がわりにイヤホンを詰める。適当な曲を流して、ぎゅっと目を瞑る。妄想にふける。 次の、次のパーキングエリアまで。 淡くコンビニエンスの光まで。 子供のころ、10数年くらい前の記憶。そこはとても暑い。ジメジメとした記憶が、いつでも強く思い出される。 日が落ち、青い空気の中を力強いスピードで駆け抜けていく。廃れ

          パーキング・エリア