[Re:] Re-try;少年の頃、大好きだったこと -- オールドレンズの楽しみ (はじめに) --
少年の頃、カメラが大好きでした。写真じゃなくてカメラ、しかもレンズや光学系に惹かれました。少年にとって、その頃のカメラは、最先端技術を次々と取り入れた憧れの家電。日本を誇らしく思ったものです。 "取扱説明書" は技術書のように堅物で、それがまた、カメラを一段と神々しく魅せる一つのツールでした。カメラの断面図、凹凸レンズの精緻な組み合わせ、ペンタプリズムの美しい形に少年はどんどん惹きつけられていきました。
しかし、お小遣いではカメラを買えるはずもなく、少年は、図書館で借りたカメラ雑誌や本を読み、「大人になったら、、」と思ったものでした。写真を撮るのは二の次だったかもしれません。しかし、彼女ができ、結婚して子供が産まれ、次第に興味はカメラから家族の写真に。それこそ何千枚もフィルムに収めました。デジタルカメラの普及と相まって思う存分楽しみました。これと思う写真に向き合えば、今でも、撮った日や場所、交わした会話まで思い出します。
きっかけは、何だったのだろうか? 何の巡り合わせだったか定かではないけど、学生の頃の愛用機 Canon FTb を再び手に入れたことが「大人になったら、、」という少年の頃の思いに火をつけました。1950〜1970年頃のオールドレンズをこつこつとネットオークションで安く手に入れ、中古カメラ屋さんにも足をはこびました。皮肉なものですが、お金に少し余裕ができると時間に余裕が無くなるのも経験則的真実です。手に入れた宝物を楽しむ時間を作れないまま、「いつか時間ができたら、、、」と手に入れたレンズは本棚の飾りとなってしまいました。
今、こうして現役引退の歳になっても、尚、少年の頃の思いに素直であり続ける気力があるのは幸いです。
[Re:] Re-try;少年の頃、大好きだったこと -- オールドレンズの楽しみ -- と題して、オールドレンズを使った私の写真の楽しみ方を紹介していきたいと思います。
次は、Mayer 社製の3枚玉レンズ Domiplan 50mm f2.8 をご紹介します。
(Domiplan 50mm f=2.8 開放で。@中央線 吉祥寺駅付近で)