ベイズの定理とパラメーター1

ベイズの定理とパラメータについて

PCR検査を拡大すべきかどうかという議論が昨年から続いています。

諸外国は拡大しているのに、日本で拡大していないのは何故なのか?


そこには、厚労省の考え方が関係しており、医師会やイクラインフルエンサーがベイズの定理を使って、検査が不正確であることを広めているからです。(また、技術的な問題としても彼らは言っていますよね。)


さて、それでは実際のところはどうなのか?
彼らの主張をベイズの定理から見てみましょう。

まずは、ベイズの定理から見てみましょう。

数学1Aで習う、条件付き確率“P(B|A)”から復習します。

条件付き確率“P(B|A)”とは、ある事象Aが起きている時に事象Bが起きる確率です。これの求め方は、


P(B|A)=P(A∩B)/P(A)……①


でした。P(A∩B)はAとBが同時に起きる確率です。P(A)はAが起きる確率。

ベイズの定理は、ここから式を変更することで導かれます。


P(A∩B)=P(B)×P(A|B)……②


と、言う式②(ここでは、P(A|B)です。P(B|A)の打ち間違えではありません)を①へ代入すると


P(B|A)=P(B)×P(A|B)/P(A)……③


となります。これをベイズの定理と言います。さらに③を変形させると計算がしやすくなります。


P(A)=ΣP(A∩B)


②を代入すると


P(A)=ΣP(A|B)P(B)……④


④を③に代入すると


P(B|A)=P(B)×P(A|B)/ΣP(A|B)P(B)


このようになります。

お医者さんの教科書で病気を検査するとき、陽性となった人で実際に病気にかかっている人の確率を求めなさいという問題でこのベイズの定理を使えと出てきます。

そこでの立式は次のようになります。

P(B1):病気にかかっている確率
P(B2):病気にかかっていない確率

P(A1):検査で陽性となる確率
P(A2):検査で陰性となる確率

P(A1|B1):病気の人が検査で陽性となる確率(感度)
P(A2|B2):病気でない人が検査で陰性となる確率(特異度)
P(A1|B2):病気でない人が検査で陽性となる確率(偽陽性率)
P(A2|B1):病気の人が検査で陰性となる確率(偽陰性率)

※今回の例題では使わないものもありますですが、定義しておきます。

上記がパラメーターです。

そして、陽性者がどれだけ病気に罹患しているかを調べるモデルは


P(B1|A1)=P(B1)×P(A1|B1)/P(A1|B1)×P(B1)+P(A1|B2)×P(B2)


となります。
日本語で言うと

病気になった人で検査陽性となった人の割合が、病気になった人で検査陽性の人と病気になってないけど検査陽性の人の割合の合計に対して、どれくらいかを調べるということです。

今回はベイズの定理を確認しました。次は実践編です。パラメーターのことです。

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