なぜETHは証券なのか?

SNS上で、やいのやいの暗号資産HODLersが俺の暗号資産は証券ではない!と鍔迫り合いになっているんだけど2018年時点で某大手国際集金トークンがSECから証券認定されると判断していた私の意見を述べておく。

①基本として、単一の性質を持つデジタルトークンやデジタルコインを使って資金を集めて〇〇します!って宣言すると証券です。さらに将来値上がりに関して取得(購入)者に期待させることもダメです。
②例外として、暗号資産のデジタルコモディティネットワーク上で行われた寄付や商品性の強いNFTは除外される。
③①に違反しても、特例として、暗号資産ネットワークが、単独の個人、個人の集団、共同統制下にある組織によって管理されておらず、かつ管理される可能性が合理的に低く、一方的に変更されないこと(ただし、この特例は流動的であることに注意する必要がある)

SECが特定のコインやトークンに関して完全に証券ではない!って言い切らないのかというと、一般的なコモディティではあり得ないこととして、暗号資産を含むデジタル資産は一部のトークン保有者や開発者がプロトコルをいじって証券に変更することが可能だから。

これからは具体的な事例を用いて検証する。

BTC
①SNSのHODLerが将来の値上がりを煽っているものの、Satoshiがプレマインして資金集めをしたこともなく、参加者が増えたら価格が上がるかもしれないけど、デジタルコモディティでしかないよって指摘してるので該当せず
②BTCのノード開発で寄付を受けた程度であり、問題なし
③①に違反してないので考慮する必要はないかもしれないが、確か、3名の投票で1MBにブロックサイズの上限設定した、Nodeバージョン差でForkが発生したときに一部の開発者の主導でアップデートチェーンを無効にした、2017年8月にSegwit Forkした等。違反の常習をしている。
特筆事項
2017年にSegwitForkしたときにビットコインからプロトコルが分岐し、定義上Airdropトークンになった可能性がある。
ビットコインが存続していなければ、誤魔化せた可能性はあるが....
それであったとしても、①と②は守られており、SECが厳密な③の運用をすべての暗号資産ネットワークに強要しないのであれば、潰される可能性は低いだろう。

ETH
①ICOにより資金調達したので違反している。PoS化による利益は言わずもがな。
②証券ネットワーク上で行っているため、NFTは少なくともすべて証券認定される恐れがある。
③①に違反しており、全体のトークン保有者の6%でさらにその内25%が単一の個人投票で行われた、DAO事件で一部の開発者により強制HFをしたなど、重大な違反が複数行われている。
特筆事項
一部のETH保有者が分散性があるから大丈夫だと喧伝してるが、ネットワークの分散性はある程度認められるものの、SECが指摘する運用面の分散性はほぼなく、ICOも行っており、さらにプロトコル変更でPoS化など、よく未だにSECから証券認定されて規制されてないなと感心するレベル
すでにマーティン法違反によりNY州からETHは証券認定されており、今後SEC内部の抵抗勢力がどこまで粘れるか。

NFT
①違反しているものと違反していないものにわかれる
②NFTを発行するネットワークが証券性がある場合には違法、NFTを発行するネットワークが証券性がないのであれば、合法の可能性が高い
③①に違反してる場合にはどれだけ分散してるかにより違法性が変化する
特筆事項
証券性の有無判断が難しく、ジェネラティブアートでデジタルコモディティネットワーク上でMintして、さらに議決権、または優先権がないのであれば、おそらくそれは証券ではないと考えられる。
逆に言えば、上述以外の場合は証券性が疑われる。

総評
BTCが証券認定されたくなければ、プロトコルの魔改造をやめることと、過去のビットコインからForkした黒歴史を有耶無耶にするためにビットコインを叩き潰すというか存在がなかったことにすることでAirdropトークン落ち回避の可能性がある。
魔改造がやめられないのであれば、プロトコル変更に対する透明性と分散性を確保する必要がある。

ETHが証券認定されたくなければ、プロトコルの魔改造をやめることと、過去のイーサリウム(ETC)からForkした黒歴史を有耶無耶にするためにイーサリウムを叩き潰すというか存在がなかったことにすることでAirdropトークン落ち回避と、トークン保有者を含めた広く分散した意思決定プロセスの確立が急務、PoSによる収益に関しても何かしらの方法を使って回避するか、PoWに戻すか。

BTCはETHよりもマシだけど、プロトコルの魔改造が延々と繰り返される為、時節によっては、過去の歴史を持ち出されて証券認定されるリスクが少なからずか存在する。

ビットコインは過去に③の項目に不安定さがあるものの、固定したプロトコルの完成のためにやってるという言い分があるし、HashWarしてでもプロトコルを守る歴史的証拠を残しており、共同統制下にある組織関与の可能性があったとしても証券認定するのは至難の業になるだろう。

結局のところ、自称暗号資産を主張するプロジェクトとそのネットワークにまともなものがない、または見つけられないため、SECとしては外堀を埋める形で、業界全体に圧力をかけて正常化を目指してるのかもしれない。残念ながら、そんなことに関して抑制的に各々のプロジェクトが動かず、日々規制当局を逆撫でして火遊びをしてるのが現状だ。

乗り遅れたくないということで、とりあえず暗号資産を保有しておこうと考えるのは結構だが、金融資産と言えるのかも怪しく、規制が確定するまでは慎重になるべきだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?