好奇心にまかせて、リスキリングしよう
先日、政府が「リスキリング」や「学び直し」を社会人に奨励するため、助成金を用意したことを発表しました。スキルをアップデートし、成長産業に人材をシフトするのが狙いのようです。
日本では今まで、「大人は仕事に打ち込むもの」、「勉強は学生がするもの」という伝統的な考えが根強かったと思います。今はこの考えを変えて、誰もが必要に応じて勉強する社会になる、良いチャンスと思います。
自分は大学を卒業してから、社会人を4年ほど経験した時点で、「経営学を体系的に勉強して財務の専門家になりたい」と思い、アメリカの大学院に留学しました。今は自分よりもずっと若い世代の人たちが、夜学のMBAにいったり、オンライン講座で勉強しています。
ただ、そこまでアカデミックでなくても、経験上、好奇心の赴くままに、今社会で話題になっていることの知識を深めていくだけで、仕事にうまくつなげられることもあり、自分にも会社にも良い影響をもたらします。
今日は巷で話題になっていることで、自身が興味を持って講座をとったり本を読んで身につけたことが、仕事につながった事例を共有させていただきます。
目次
1.グラレコ(グラフィックレコーディング)
2.SDGs
3.まとめ
1.グラレコ(グラフィックレコーディング)
自分は外資系企業で長年、財務の仕事を担当してきたのですが、常に他部門の財務や数字が苦手な社員にも「いかにして他部門の人たちにいかにわかりやすく、会社の損益の仕組みを伝えられるか」を考えていました。
そこで、思いついたのが、グラフィックレコーディング(通称グラレコ)やヴィジュアルメモと呼ばれる、絵にして伝える技術を活用することです。Webで調べて、1日講座を受講しました。
早速、仕事で使ってみたところ、なかなかいい感じです。
例えば、以下のような細かい数字満載の損益計算書なんて、誰も見る気が起きません。
それに対し、グラレコで絵を描いてあげると、みな容易に、商売上の物とお金の流れがイメージできます。
当時、私の上司だった経営陣のアメリカ人はこれを見て、「おっ、面白いことやってるな。」と喜んでいます。遊び心のある彼は、全社員会議でこの資料を共有してくれました。
それ依頼、仕事で、ことあるごとにグラレコを使うようになりました。聞き手にとって、わかりやすいだけでなく、私のあまり上手くない絵がおかしいらしく、書き始めるとみな笑い始め、場が和むようになりました。
このような、楽しくちょっとユルいスキルアップでも、他人や会社に貢献できるという事例でした。
2.SDGs
ここ数年、大手企業ではSDGsを意識しながら、経営をし始めました。私も息子が将来生きる社会を考え、環境への意識が高まり関連図書や記事から積極的に知識を得るようになりました。
ある日、会社の広報部門から、会社の取り組むSDGs活動による社会への貢献度を、具体的な数字で表現したいから、サポートして欲しいとの依頼がありました。
広報部門の人たちとともに、海外のSDGs専門のヨーロッパのコンサルティング会社の人たちと意見交換しながら、プロジェクトをすすめることになります。
幸い、例えば、容器のリサイクルなどによる二酸化炭素排出量の削減のトピックは自分にとって、すでに知識のある話題だったので、すぐに彼らの意図を理解でき、計算作業に移れました。
世間で話題になっているトピックは企業も意識することが多いため、自身も好奇心を持って時代の流れに乗り遅れないように勉強することが、最終的に自身や企業を助けることになると実感した事例でした。
3.まとめ
以上のように自身が新しい知識の習得を楽しめたので、部下の人たちにも興味をもったことは直接仕事に関係なくても、勉強を続けるよう、奨励しました。また、チームでお互い学びを発表しあうようにしました。
MBA、AI、プログラミングといった大げさな話でなくても良いのです。身近な話題で知識をアップデートしていくことで、自身のスキルアップに繋がり、そして他人や会社に貢献できるチャンスが拡がると思います。
以上、私個人の経験からの学びですが、ご参考になれば幸いです。
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
参考までに私が履修したグラレコ(ヴィジュアルメモ)の1日講座のリンクを貼っておきます。
アート&ロジック社:ヴィジュアルメモ講座https://artandlogicseminar.com/seminars/v_memo/