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抽象化能力で問題の原因をつきとめる
大手のテレビ局の問題が連日、ニュースやSNSで話題になっています。そんな中、ネット上のあるコメントが目に留まりました。
「議論をすり替えないでほしい。メディアの焦点が、タレントの性的トラブルからテレビ局のガバナンスにいつのまにかすり替わっている。性的トラブルを真面目に議論すべきだ!」
今日はこの問題をケーススタディに、具体的な事象を抽象化することの重要性についてお話ししたいと思います。
確かに当初は、タレントが女性に対して不適切な行為を行い、和解金を支払ったという報道が中心でした。では、なぜ議論の焦点がテレビ局のガバナンスに移ったのでしょうか?
その理由は、具体的な事象から抽象的な問題へと視点をシフトさせたことで、トラブルの根本原因が明らかになったからです。
いくつか報道された具体的な事象を見てみましょう
タレントと女子アナの深刻な性的トラブル
同様の問題を経験した他の女子アナの存在
女子アナが強制的に参加させられるタレントとの飲み会の慣行
一見、これらは独立した別々の問題に見えます。しかし、より高い視点から俯瞰し、抽象化して分析すると、共通の根本原因が浮かび上がってきます。
その本質は、テレビ局の経営陣に社員の人権を尊重する意識が決定的に欠如していたことです。多くの企業では社内規定で社員の相互尊重を明確に定めており、違反行為はコンプライアンス違反となるはずです。にもかかわらず、この仕組みが機能していませんでした。
経営上の重大な問題でありながら、社内外の取締役が適切に対応せず、問題を見過ごしてきた。一言で言えば、「ガバナンスの機能不全」という抽象的な問題が浮き彫りになったのです。
この事例は、いくつかの具体的な事象を抽象化することで、根本的な原因を特定できることを示しています。性的トラブルに関する報道が、他の具体的な事象と統合されることで、テレビ局の経営問題が明確になりました。
これは単なる議論のすり替えではありません。むしろ、根本原因を徹底的に追求し、同様のトラブルを根絶するための建設的な議論へとシフトしたと理解すべきでしょう。
複数の具体的な問題点が確認された際は、抽象化の視点を意識し、一段高い俯瞰的な視点から原因を探ることが重要です。この思考法は、個人のキャリアからビジネス、社会問題まで、幅広く応用可能な問題解決アプローチといえるでしょう。
ぜひ、みなさんも具体的な問題に直面した際は、抽象化の思考法を試して、根本的な原因を探ってみてください。
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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