Behind the Scene 渋谷宮益坂
2020年1月23日、ついに雨が降った。
2017年から同じアングルで渋谷宮益坂の交差点を毎年1月に撮っている。
なぜ1月なのか・・私は年始の挨拶状(年賀状)として自分の写真のポストカードを毎年つくっているが、年末は仕事に追われ年賀状を書く(つくる)余裕がなく、次第に年明けに寒中見舞いや余寒見舞いとして出すようになって、そのための写真を1月に撮るのが恒例になっているから。
2017年は何日か通って一番良いカットが撮れたのが1月23日だった。
2018年は1月22日に東京に大雪が降り、その翌日雪が止んで早朝に撮影してやはり1月23日。2回続いたから2019年も1月23日に撮りに行った。
2019年(去年)の1月23日は晴れだったが、同じ日に撮るとなると天気が選べないということ。雨が降ったら厄介だと心配していたら、、
今年はついに雨が降ったのだ。
数日前から雨の予報。こうなったら覚悟を決めて雨で撮るしかない。雨ざらしの交差点の角で三脚に傘を取り付け、カメラバッグにゴミ袋をかぶせて・・いざ。
同じ場所を同じアングルで撮り続けることを定点撮影(定点観測)というが、実は私はこれが嫌い。
何度か挑戦したことがあるが、アングルを固定するので新しいビルが建って画面のバランスが変わると構図が不安定になってしまう。以前とビルの配置が変わった風景に対すると、最適と感じる構図は以前とは違ったものになってしまって、つまり同一アングルでは一枚の写真として成立しにくくなってしまうからだ。
何枚か組みで見せることで初めて成立する、それは分かっているのだが、一枚一枚の写真は面白くない、というのはどうも性に合わない。
そもそも、毎年一枚の写真をポストカードにして送るというテーマには合わないだろうと割り切って始めたのだが、すでに4年続いている。
2017年
https://satoshinichi.com/photos/541
2018年
https://satoshinichi.com/photos/632
2019年
https://satoshinichi.com/photos/633
2020年
https://satoshinichi.com/photos/655
わずか3年前、渋谷の空はこんなに広かった。
ここにビルが建つんだと想像して最初の写真を撮ったが、やはり2年目、2018年にビルが画面半分を覆うように建った時は絵が重くなった。
外壁全面をガラスが覆う姿が現れてきた2019年はガラスに空が映り込み圧迫感が和らいだ。全面ガラス張りのビルは高層ビルの圧迫感を和らげる効果があるんだと初めて実感。
そして今年、2020年1月3日に明治通りの上を跨ぐように銀座線渋谷駅が開業。
かまぼこ型のチューブの中は昼間は相対的に暗くなって見えないのでプラットホームに止まる黄色い電車が見えるように、そして東急百貨店(東急東横店)に照明が点いて営業している姿が分かるように夕方を狙って撮影した。東急東横店は今月(3月)いっぱいで営業を終了し85年の歴史に幕を下ろす。
半信半疑で始めた定点撮影。しかし4年やってみると渋谷への愛着がさらに強くなって、だんだん使命にも思えてきた。
東急東横店が取り壊され渋谷の駅がすっかり建て替わったら、見慣れた渋谷の街はきっと全く違う場所のようになってしまうのだろう。でもそれを見届けたい。
さて来年は晴れか雨か、それとも雪か・・。
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