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Class Notebook(クラス ノートブック)を学校に定着させるために その3

前々回(その1)はこちら
前回(その2)はこちら

Microsoft 365 Educationを導入している都立学校で働くICT支援員の私が、数あるMicrosoftのサービスの中で利用率が著しく低いClass Notebook(クラス ノートブック)を先生方・生徒達に使ってもらおうと悪戦苦闘する記録です。

年度初めに紙で配布済みの校内無線LANのID・パスワードを改めてClass Notebook上で配布することにより、Class Notebookの認知度を生徒間でアップさせたところで、いよいよ先生方にも普及策を仕掛けていきます。

生徒達の学習の振り返りに、Class Notebookを活用する

私の勤務校では、学期末などのタイミングで、自分自身の教科学習への取り組みを生徒達が考える『学習振り返り』を実施しています。
よく頑張れた点は何か、足りない点は何か、生徒一人ひとりが数十~数百字の文章にまとめます。それを担任の先生方が見て、必要に応じてコメントを付けるなどして生徒に返却します。
手順としては、次のようになります。

  1. 生徒が、Wordで文章を作成しファイルとして保存

  2. 先生が、Teamsの課題機能を用いてWordファイルを生徒達から回収

  3. 先生が、生徒達のWordファイルを一つ一つ開いて閲覧(+必要に応じてコメント)し、生徒に返却

この方法でも間違いではありませんが、生徒達が作ったWordファイルが先生側に数多く集まってしまうのは少々問題があるかと。
せっかく、学級の先生・生徒全員で共有しているノートブック=Class Notebookがあるのですから、それを使わない手はないです。

もう一つ付け加えるなら、生徒達は自身で作ったWordファイルを適切に管理できない可能性があります。
仕事柄、生徒達の端末を見る機会がよくありますが、数多くのファイルを何らかのテーマごとにフォルダ分けしている生徒はごく少数。大抵の場合、教科や作成時期に関係なく一つのフォルダ内に一緒くたにしています。
Windowsの「ドキュメント」フォルダに「学習振り返り」という名前のフォルダを作り、その中にWordファイルを収めるようにしていれば、申し分ないのですが。

さて、或る学年で各学級の担任の先生方が『学習振り返り』についての打ち合わせをしているのを目にした私は、「差し出がましいようですが……」と断ったうえでClass Notebookを使った『学習振り返り』の実施を提案しました。
すると、4名のうち1名の先生が乗り気で、「私のクラスだけでも」とおっしゃっていただけたので、具体的な方法を次のとおり説明しました。

  1. 生徒への質問項目が記されたページを、先生専用のスペースで作成する

  2. そのページを、「学生用ノートブック」の所定のセクションへ配布する

  3. 生徒達は、自分自身の「学生用ノートブック」へ配布されたページに、自分の思うところを書き記す(=入力する)。
    ページは、文字の入力/削除がされる度にリアルタイムで保存されるので、上書き保存などの操作をする必要はなし。

  4. 一定の時間が経過した後、先生は生徒一人ひとりの「学生用ノートブック」を見に行く。
    必要に応じて、赤字でコメントを追加したり、スタンプを押したりする。


Class Notebookのトップに表示される「Class Notebookへようこそ」
今回は、「1.学生用ノートブック」を使用。
生徒が入力した振り返りの下に、先生が赤字で講評(コメント)を入力している。

この方法を件の先生の学級で試していただいたところ、幸いにも好評を得ました。
TeamsのClass NotebookでもOneNoteアプリでも、[クラス ノートブック]タブの[受講者の作業をレビュー]を選択すれば、1クリックで次から次へと生徒達の書いた文章を閲覧・添削できるのが良かったのかもしれません。

ただ、解決すべき課題も見つかりました。
「生徒達がClass Notebook上のページに学習振り返りの内容を書き込むだけでは、先生は一人一人の進捗状況を把握できない」という点です。

これについては、Teamsの課題機能とClass Notebookを組み合わせることで解決しました。
Teamsで課題を新規作成する際、[添付]ボタンをクリックすると表示されるメニューの中から[クラス ノートブック]を選択し、生徒に取り組ませたいClass Notebookのページを指定したうえで、提出期限を設定し課題を割り当てればOKです。

[添付]>[クラス ノートブック]を選択。
この後、課題の提出期限を画面右側で設定したうえで[割り当てる]ボタンをクリック。

そんなこんなで始まったClass Notebook普及策ですが、まだまだ緒に就いたばかり。今後、「各教科の学習」「学級の運営」の双方で活発に活用されていくよう、次々と手を打っていく必要があります。

おそらく、Class Notebookの活用事例は豊富で、全国の学校の先生方に共有されているものと思われます。
しかし、活用するための「はじめの一歩」、つまり先生・生徒をいかにClass Notebookの利用へ誘導していくかについての事例は、意外と少ない気がします。
もっと良いやり方があるのかもしれませんが、ひとまず私の試みを記録として残しておこうと思います。

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