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『コクヨのくふうフェス2023』参戦記

12月1日(金)から3日(日)まで開かれる、『コクヨのくふうフェス2023』。
ワークショップに参加してきたので、その感想をまとめておきたい。

今回参加したワークショップは、次の二つ。
●わかる!伝わる!記憶に残る! ワークもライフも豊かになる、セルフマネジメント術
●手帳はスケジュール管理だけじゃない! ワークもライフも豊かになる、セルフマネジメント術
どちらも300円(税別)の受講費がかかるが、お土産を貰えるなどして元は十分取れる。

参加の動機

そもそも、なんでこれらのワークショップに参加しようと思ったのか。
それは、何より勤務校でOneNoteを普及させるため
イラストでの議事録の作成にせよ、手帳の使い方にせよ、やろうと思えばOneNoteなどのデジタルノートでも十分可能なはず。
両方のノウハウを私自身が吸収して、それを勤務校の生徒達や先生方に還元していければ申し分ない。
「他人に教えるからには、まず自分から」というワケだ。

『わかる!伝わる!記憶に残る! ワークもライフも豊かになる、セルフマネジメント術』

元ライター・編集者ということもあってか、情報を文字で記録・表現することを第一に考える私。実際、キーボードを叩いてばかりで、ペンを執って絵やイラストを描くなどほぼ皆無。

そんな中で、イラストも取り入れながら会議や講演の内容を記録するというのは、全く発想にない。

イラストを描くことを余儀なくされる環境に身を置くというのは、実に新鮮な体験だった。
普段使っていない脳味噌をフルに使った感じだが、それも悪くない。

おそらく、イラストの描き方はある程度のトレーニングが必要だろう。そうでないと上達はしないだろうし、いざという時に上手に描けないはず。
なので、今後は普段から暇を見つけて練習してみようと思う。

『手帳はスケジュール管理だけじゃない! ワークもライフも豊かになる、セルフマネジメント術』

一言で言ってしまえば、少々期待外れな内容だった。
長くなるけど、その理由について綴ってみる。

お話の内容は、手帳の使い方というよりも人生論というかビジネスパーソンの生き方が大半を占め、最後のほうになってようやく手帳の話になる。

しかも、その手帳とは、ごく一般的なダイアリーではない。コクヨの製品『ジブン手帳』を念頭に置いたもの。
私はこの『ジブン手帳』という製品を知らず、ワークショップの終了後に初めて現物を見た。

『ジブン手帳』は、一般的なダイアリー(「DIARY」)の他に、何年も保存する個人情報(「LIFE」)とメモ帳(「IDEA」)で構成されているという。ちょっと特殊な手帳だ。

まず、「手帳は単なるスケジュール管理ツールではない」と定義したうえで、次のように説く。
「人生、夢や目標を持て」
「夢や目標の達成のためには、時間のマネジメントが必要不可欠」
「そのマネジメントを行うツールとして、手帳がある」

おっしゃっていることは、決して間違ってはいない。
ただ、講師の方だからこそそれが言える(万人に当てはまるものではない)部分があるように感じられて、私にはしっくり来なかった。
以下、具体的な理由を挙げていく。

しっくり来ない理由 その1:「いわば“手帳エリート”」

講師のお父様も、手帳にビッシリいろいろなことを書かれていたとのこと。
亡くなられた際、残された手帳を講師の方が読んだところ、とてもじゃないがお母様には見せられないような内容まで記されていたという。

きっと、几帳面な血筋なのだろう。
そういう人を親に持ったら……そりゃあ自然と手帳使いになるよね。

「私のような凡人でも、手帳でセルフマネジメントを続けた結果〇〇(例:フルマラソン完走)ができるようになった」とおっしゃっていたが、いやいや凡人なんてことはないでしょ。
努力の天才ですよ。

しっくり来ない理由 その2:「絵が上手い」

イラストも玄人はだしの腕前で、手帳に数多く描かれている模様。
つまり、手帳に書く・描くことを普通の人以上に楽しめる下地がある。

しっくり来ない理由 その3:「転職せず、着々と積み上げてきたキャリア」

1967年生まれだそうだから、大学時の就職活動は比較的苦労しないで済んだはず。いわゆるバブル世代。
新卒でコクヨに就職後、順調にキャリアを積み重ねながら、40代後半で地方販社の社長の座におさまっている。

なので、多少の波風はあっても、船が転覆するような荒波に見舞われることもなく人生航路を続けていらっしゃる。
先行きが不透明ではないので、「人生の目標」を考えやすい環境にある。

一方、私はといえば、
●もともと手帳を使う習慣がない
●絵心はそんなにない(壊滅的に下手というほどではないと思うが)
●数回の転職を経験。十数年にわたる親の介護を経て、現在は非正規雇用で安月給に耐えながら働く身
あまりに環境が違い過ぎて、アドバイスをそのまま取り入れるのはちょっと無理。

特に引っかかるのは、「人生、夢や目標を持て」の部分。

昨年の春、私は十数年介護を続けてきた母を亡くした。それ以来、毎日仕事に取り組むことで悲しみを紛らわしながら、どうにか生きてきた。
母の死から3ヵ月ほど経って、少しずつ「毎日職場に出かける以外に何かをしたい」という思いが芽生え、資格の取得を目指すなどするようになり、悲しみが少しずつ癒えていった。

そんな状況で「夢や目標を持て」なんて言われたって、どだい無理な話。

夢や目標を持たない人生は、決して否定されるものではない。長い人生の中で、そういう時期があったってちっともおかしくない。

私が日頃接している中学生・高校生だって、皆が皆大学受験や将来の就職等を考えている訳ではないだろう。

作家・画家・彫刻家などの芸術家が、毎日早朝に起きるなど規則正しい生活ばかりをしていたら、時代を超えて人の心を打つ・人生の本質に迫る作品など到底世に送り出せないのではないか。

講師の方のお話には、以上のような視点が欠けているような気がした。
一言で表現するなら、生産性第一の考え方というのが適切か。
頷ける部分があっても心からの共感ができないのは、きっとそういう理由があるのだろう。

これは、手帳の使い方以前に人生観の違いなので、どうしようもない。

断っておくが、私は「万人に合った内容ではない」と言っているだけで、今回のお話の内容が心に刺さる受講者の方も大勢いらっしゃったはず。

ただ、私には合わない部分があるし、全てを取り入れるのは難しい。
取り入れられなかったからといって、そんな自分を責める必要はないと思っている。

といった訳で、今回のお話は私にはハードルが高いし、学生達にも部分的にしか紹介できないかな〜。
「手帳オヤジ」を名乗るだけあって、少々説教くさかったのも。

ちなみに、Instagramも運営されているので、そちらもご紹介しておこう。

手帳オヤジ|人生を豊かにする手帳活用術
https://www.instagram.com/techooyaji/

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