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AI初心者向け解説|祝!王将戦開幕!将棋ではお馴染みAIについて|IT社長がひらがな解説|(^^vol.027
😎大分市でIT企業経営しています
ロックスカンパニー久保田と申します
わたしの趣味の一つに「将棋」があります
どちらかというと「指す」より「見る」ほうが
多いです
最近 藤井聡太4冠の話題で
将棋ファンも多くなりました
テレビで
「王将戦が始まりました」
という話題に
「おやつのメニューは….」
「昼食メニューは…..」
とか全国ニュースでとりあげるのは
いかがなものか?
という話題も入るぐらいです
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将棋には8つのタイトルがあります
(昔は7つだった)
現在進行中の王将戦は
4つのタイトルを保持している藤井聡太4冠
そして相手は3タイトル保持者渡辺明3冠
渡辺先生は1984年生まれ
奨励会(しょうれいかい)という
プロ棋士養成機関に入ったのが10歳
15歳でプロ棋士になり
天才棋士と言われた一人です
奥様が渡辺先生を主役に書いている
漫画『将棋の渡辺くん』の筆者
つまり漫画家ですが
専業主婦の時に出版社のすすめで
漫画家に転身したそうです
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藤井&渡辺
この二人が現在の将棋界のトップです
藤井さんも渡辺さんも今をときめく棋士ですが
わたしは羽生世代です(羽生善治9段)
ミラクルを起こす羽生先生の将棋が大好きです
羽生先生が7冠を取った頃
めちゃめちゃハマってました
NHKの将棋番組を毎週録画し
夜中にひとりで無口で見てニヤニヤしてます
今回は
そんな将棋ファンにはお馴染みの
将棋AI(エーアイ)のお話です
01
将棋にも登場しているAI
AI(エーアイ)が人工知能だということは
みなさんご存知だと思います
人工知能とは|wikipediaより
言語の理解や推論、問題解決などの知的行動を人間に代わってコンピューターに行わせる技術
つまりはコンピューターなんですが
少し違うのは自信が勉強し成長する
コンピューターだということです
将棋の世界ではAIはもうお馴染み
この画面を見てください
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昨年行われた
渡辺明vs藤井聡太
棋聖戦というタイトル戦の一場面
画面にAIが出続けています
この部分です
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現時点では、39%対61%で
藤井さんが優勢だと表示しています
そのほかにも続AIの判断する
次の一手(候補手)が出ています
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次の手番は藤井聡太さん
表示内容の意味はこうです
AIの判断する最善手(best)は「4六桂馬」
2番手候補は「3ニ金」だが
この場合現在61%の優勢度が「−1%」下がる
3番手候補手は「3一銀」だが
この場合現在61%の優勢度が「−4%」下がる
4番手候補手は「5五銀」だが
この場合現在61%の優勢度が「−8%」下がる
と言った具合の予想を表記しています
つまり視聴者は
最善の手を事前に知りながら
観戦できるのです
素人から見るとプロ棋士のさし手は
当然難しく理解できないことが多いです
ですのでテレビなどでは
解説者(プロ棋士)がいて
指手の予想解説をします
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ですが
それよりも正確に予想するAIが現れて
視聴者は観戦の視点が変わってきたきました
『AIの予想通りに棋士が刺すのか・・?』
という見方です
解説者はやりにくいと思いますね😓
02
AIの恐るべき読み力
将棋界で2013年に衝撃が走りました
コンピューターソフトに
初めてプロ棋士が
負けたのです
当時東大卒の開発者が開発した
「Ponanza(ぽなんざ)」という
コンピューターソフトが
プロ棋士に勝ちました
僕も昔ファミコンなどのゲーム機で
将棋をやっていましたが
コンピュータの思考回路は
しょぼいものでした
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世の中の常識として
江戸時代初期から家元として存在する
歴史を持つ将棋界にとって
人間がコンピューターに負けるわけがない
というのが定説でした
しかし2010年代
コンピュータの発展と主に
「もしかして勝てるの???」
という世間での噂が盛り上がります
しかし伝統ある将棋界では
プロ棋士とコンピューターとの対戦を
意図的に避けてきました
負けるわけがないと思う反面
負けてはメンツが立たないからです
そして2013年
世間の注目とともに開催された
電王戦(でんおうせん/コンピュータvsプロ棋士)
というイベントで
ついに人間がコンピューターに
敗北するわけです
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それからというもの
コンピューターの処理速度はどんどん増し続け
今では認めないプロ棋士はいません
というより、プロ棋士は積極的に
自分自身の研究用にAIを導入し
日々練習用として利用しています
AIの処理速度は尋常ではありません
将棋AI『水匠(すいしょう)』の
開発者:杉村さんはネットでこう語っています
杉村さん
「基本的には将棋っていうのは
『こう指したらこう指す、こう指したらこう指す』
というパターンがありまして。
だいたい一つの局面において、
平均的に100手いかないぐらいの
合法的な指し手があります。
だから一つの局面で、
たとえば90通りの指し手があり、
次の局面でも90通りあるとしたら、
それで8100通りになります。
それを何度も何度も、
たとえば100×100×100とやっていくと、
すぐに1億手、100億手、みたいになってしまうんですね。
それが『局面』『手』ということになります」
「将棋は100手ぐらいで終わるのに、
6億手先まで読みます」
「6億局面」「6億手」読むということは、
「6億手先」ではなくて「6億通り」なんですね。
途方もない数字が語られています
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しかも処理速度は速くなって
数秒でかなりの答えを出せるとか
いよいよコンピューターには
まったく歯が立ちません
03
将棋は9マスx9マスの盤面で戦う人生である
たった一手の間違いで勝敗が決まる
それがプロ棋士の世界です
将棋AIでは生まれない
その一手に人生をすり減らし
挑んだ棋士たちの言葉があります
わたしの好きな棋士の一人に
故:大山康晴先生がいます
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経歴は割愛しますがすごい方です
そして
9マスx9マスの将棋盤の中で
多くの名言を残しておられます
その一つに
「助からないと思っても助かっている」
という言葉があります
追い詰められてもう無理だと思っても
まだまだ道はある
との個人的な解釈をしますが
この言葉にいつも勇気を頂いてます
わたしも追い込まれた時に
この言葉をいつも思い出し勇気づけられています
昔のプロ棋士はみなさん博学です
20年前ほどに
プロ棋士・内藤国雄9段と
食事をしたことがあります
関西将棋界の名士で
その時の内藤先生の関西弁まじりのお話は
同席させていただいている若輩者として
楽しい時間と多くの学びをいただきました
「将棋しか知らないから」と言われましたが
なんと物知りで伝道者なのかと
感動さえ覚えました
将棋は日本古来のボードゲームです
しかし勝ち負けのかかった
武士同士の真剣勝負です
AIが下す勝ち負け以外に
AIでは語れない世界が将棋なのでしょう
😎今日のAI話は将棋になりましたが
他にもAIは身の回りにたくさん存在します
また少しづつ
みなさんに役立つAI話をしていきましょう
それでは良い1日をお過ごしください
いってらっしゃい✋