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バフェット太郎さん推奨! iシェアーズ バイオテクノロジー ETF(IBB)の構成比率最上位銘柄、ギリアド・サイエンシズの株価・四半期EPS推移を研究する。

投資系Youtuberバフェット太郎さんがこれからの景気後退期に備えるための投資先の一つとして、 iシェアーズ バイオテクノロジー ETF(IBB)を上げられました。(*1)。

今回は、このETFの構成銘柄最上位である、ギリアド・サイエンシズを取り上げます。
(2022年6月現在、構成比率7.62%)

ギリアド・サイエンシズ「GILD」株価・四半期EPS推移チャート

チャートをみていくと、業績、株価ともにどちらかというと横ばい傾向。コロナ関連のビジネスも手掛けているが、それが要因で、業績・株価が劇的に変化してはいない。

むしろ、数四半期に1回程度発生している業績の落ち込みが気になる。

そこで今回は、過去5年間で3回あった、四半期赤字決算の理由を調べてみた。情報ソースは同社WebサイトInvestorのページから引用している。

1) 2020年6月期(第二四半期) 3,339(百万ドル)の純損失

主な理由は、買収に関連した費用計上。
以下詳細。

(EDGARサイトより引用、赤枠は筆者)


Acquired IPR&D expenses increased primarily due to a $4.5 billion charge recorded in connection with Gilead’s acquisition of Forty Seven.

買収したIPR&D費用が増加したのは、主にギリアドのフォーティーセブン買収に関連して計上した45億ドルの費用によるものです。

(同社Webサイトより引用、日本語訳筆者)

2) 2019年9月期(第三四半期)1,165(百万ドル)の純損失

主な理由は、研究開発費の増加
以下詳細。

During the third quarter of 2019, compared to the same period in 2018:
• R&D expenses increased primarily due to up-front collaboration and licensing expenses of $3.92 billion related
to Gilead’s global research and development collaboration agreement with Galapagos.

2019年第3四半期は、2018年同期と比較して、以下のようになりました。
- 研究開発費の増加は、主に関連する共同研究およびライセンスの前払費用39.2億ドル
ギリアドのGalapagosとのグローバル研究開発提携契約に関するものです。

(同社Webサイトより引用、日本語訳筆者)
(EDGARサイトより引用、赤枠は筆者)

3) 2017/12(第四四半期) 3,865(百万ドル)の純損失。

主な理由は、法人税引当金の増加
以下詳細。

Provision for Income Taxes and Tax Reform Provision for income taxes was $6.0 billion for the fourth quarter of 2017 compared to $821 million for the same period in 2016 and $8.9 billion for the full year 2017 compared to $3.6 billion in 2016. The increases were primarily due to an estimated charge of $5.5 billion from Tax Reform, which was enacted on December 22, 2017 and lowers U.S. corporate income tax rates as of January 1, 2018, implements a territorial tax system and imposes a repatriation tax on deemed repatriated earnings of foreign subsidiaries. This estimate is provisional and based on our initial analysis and current interpretation. Given the complexity of the legislation, anticipated guidance from the U.S. Treasury, and the potential for additional guidance from the Securities and Exchange Commission (“SEC”) or the Financial Accounting Standards Board, this estimate may be adjusted during 2018.

法人税等引当金と税制改正
法人税等引当金は、2017 年第 4 四半期は 60 億ドルで、前年同期の 821 百万ドルに対し
2016 年は 36 億ドル、2017 年通年は 89 億ドルでした。この増加の主な要因は2017年12月22日に成立した、米国の法人税率を引き下げる税制改革による推定費用55億ドルです。
この税制改革は、2018年1月1日以降の米国の法人税率を引き下げ、領土税制を導入し、海外子会社のみなし本国還流税に対海外子会社の本国送金された利益に対する本国送金税が課されます。この見積りは暫定的なものであり、当社の初期分析及び現時点での解釈に基づいています。
解釈です。この法律の複雑さ、米国財務省によるガイダンスの予想、および米国証券取引委員会による追加ガイダンスの可能 性を考慮すると、この見積りは暫定的なものです。
また、米国証券取引委員会(以下「SEC」)または米国財務会計基準審議会(以下「FASB」)からの追加指針の可能性を考慮すると、この推定値は2018年中に調整される可能性があります。
この見積りは、2018 年中に調整される可能性があります。

(同社Webサイトより引用、日本語訳筆者)

念のため、EDGARに提出されている(*3)、法人税引当金の科目残高の数字について、年次決算の数字から第三四半期の数字を引き算し、第四四半期単体の法人税引当金を計算しました。会社プレス発表の値で間違いないことが確かめられました。

2017年
法人税引当金 8,885百万ドル(12か月分)
法人税引当金 2,923百万ドル(9か月分)
―――――――――――――――
法人税引当金 5,962百万ドル法人税引当金(第四四半期単体)

2016年 
法人税引当金 3,609百万ドル(12か月分)
法人税引当金 2,788百万ドル(9か月分)
―――――――――――――――
法人税引当金 821百万ドル法人税引当金(第四四半期単体)

会社としては、これら一時的な要因を除外したNonGAAPの数値も公表しているので、投資判断の際には、これらの情報も合わせて検討するとよいでしょう。

ギリアド・サイエンシズ「GILD」株価・四半期EPSチャート
https://www.tenq.cc/stocks/GILD   

*1 バフェット太郎 
【爆上げ】お金持ちは知っている次の投資ブーム
https://youtu.be/Bsxd86uvDKw?t=874

*2 ギリアド・サイエンシズ 投資家向けホームページ(四半期決算)
https://investors.gilead.com/financial-information/quarterly-earnings

*3 ギリアド・サイエンシズ EDGAR提出データ一覧
一番左のボックス FilingTypeを指定します。
四半期決算は「10-q」、年次決算は「10-k」を入力後、Searchボタンをクリックします。

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