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津山線を建てたクリスチャンと法然
岡山と県北の津山を結ぶ路線が津山線です。この路線に誕生寺という名前の駅があります。浄土宗の法然が生まれたことで知られた寺の最寄り駅だからです。岡山の教会に赴任が決まった時、思い浮かべた人物の1人が法然でした。
キリスト教とも関係があります。津山線の敷設に尽力したのがクリスチャンだからです。立石岐(ちまた)。倉敷市船穂の豪農出身で、津山の二宮にある立石家の養子となった自由民権運動家。養蚕など地域の殖産興業にも活躍しました。津山のキリスト教女子教育にも力を注ぎました。
津山には明治キリスト教の指導者内村鑑三も訪れています。地元のクリスチャン、森本慶三が建てた津山基督教図書館。今でも津山城近くに残っていますが、この落成式に呼ばれているのです。内村は帰りに久米南町にある誕生日にも立ち寄りました。案内したのが立石岐です。
内村はその著書「代表的日本人」においても法然を紹介しています。日本の宗教改革者、法然に関心が深かったようです。実際、森本慶三に宛てた手紙にはこんな文が残っています。
「法然房を以て福音的仏教を産出せし作州の地が福音的基督教の根拠の地とならんことを祈り候」