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ワルいロックダウン

まだ書き始めたばかりのnoteで、コロナに関することは(ヤバい人のひとり、みたいになるのもイヤなので、、、)あまり書かないようにしたいところです。が、さすがに「感染急増『制御不能な状況』 東京都コロナ会議で専門家」(Yahoo!ニュース, 8/12)のような見出しが躍り続ける中で、発信力・影響力がゼロに等しい自分が言ってもどうせ無駄だし、似たようなことはことは他の誰かが同じこと言ってるだろうから、、と他人任せを続けるのも良くないという葛藤もあるので、自分のアイデアを少し書くことにします。

2019年10月12日 無人状態になった横浜駅

まず写真を載せます。これは、コロナ禍に襲われる3か月前・・・2019年10月12日に横浜駅で撮影したものです。

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撮影した時刻は午後1時前後。いつもなら大勢の人が行き交う時間帯ですが、写真に写っていない範囲も含め、この時、駅のコンコースにいたのは両手で数えても余るほど、という目を疑うような少なさでした。

この日のことは、首都圏にお住まいなら鮮明に覚えている方が多いと思います。超大型の台風が直撃するぞ!ということで、JRはじめ鉄道各社は軒並み運休しました。だから駅から人がいなくなるのは当たり前、と言ってしまえばそれまでなのですが、ここで注目したいのは、この時に人々や企業が取った行動です。

下の写真は京浜東北線/根岸線のホームで撮ったものですが、電光掲示板には次の電車の時刻が表示されていて、電車はまだ運行していることがわかります。隣の京急も電車が動いているのですが、どちらもホームに人影はほとんど見当たらず、限りなくゼロに近い乗客を乗せた電車が入ってきては、乗る人も降りる人もほとんどいないまま発車していくという、ものすごくレアな光景が繰り広げられていたのです。この時、台風が近づいているので雨は降っているのですが、風はまだそれほど強くありません。もちろん、暴風雨域にも入っていません。(でなければこんなところで撮影してません)

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事実上のロックダウン

おそらくこの日、東京圏の他の駅も同じような状況であったと思われます。こうなった経緯として当時非常に印象的だったのは、まずJRがわりと早い段階で計画運休を発表し、そこから鉄道各社も次々に計画運休の可能性やその実施について発表したことです。そして鉄道が止まるならとばかりに、デパートをはじめとする大規模商業施設も12日の休業を発表しました。実際この時、写真の相鉄ジョイナスをはじめ横浜駅エリアの商業施設もことごとくシャッターが下りていました。

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これはまさに、「ロックダウン状態」ですね。ここ数日、ネット上のニュース記事の見出しだけでも、「感染急増『制御不能な状況』 東京都コロナ会議で専門家」(Yahoo!ニュース オリジナル THE PAGE 8/12)、「2週間強化で東京の人出5割減を 新型コロナ分科会から提言案」(共同通信 8/12)、「強まるロックダウン論 感染防止手詰まり―『最後の手段』菅首相は慎重」(JIJI.COM 8/10)など、現在の危機的な状況に対しロックダウンないしはそれに相当するような強い策が必要であることが取り沙汰されていますが、その具体策はなかなか挙がってきていないように思います。

8割減便!

そこでヒントになるのが台風19号の時の事象です。もう時間がないので、あえて乱暴を承知で結論を書いてしまいますが、政府はJR東日本1社と「大人の相談」をして、ある期間、鉄道の運行を大幅に削減することに協力してもらえばよいのです。JRが大幅に運休すれば、他の鉄道各社、デパートなどの商業施設、企業、、と波及し、人流が止まります。
問題は「大幅な削減」がどの程度か、ですが、完全に運休してしまうと、医療従事者などエッセンシャルワーカーの方々の移動も出来なくなってしまうので、避けるべきです。
具体的に何割、そして何日間削減するべきかという数字については交通などの専門家からの助言も必要でしょうけど、市民感覚の直感としては、2割や3割の削減では、人流が減らないばかりかかえって混雑度が高くなってしまうことはこれまでの実施例からも明らかでしょう。5割、6割だと企業も市民も困惑し、反感を買うだけです。8割から9割減便すると聞けば、それでも都内の会社に出社させようとする企業は激減するでしょうし、行楽や、人と会うために出かけようと考える人もほとんどいないでしょう。

JR東日本の8割減便・・・これは、感染爆発に対して特措法の改正、ロックダウンの法制化などという悠長なことを考えられる状況ではなく、緊急事態宣言によるお願いがもはや効力を失ってしまっている今、人流の鉄道依存度が極めて高い東京圏ではこれがほぼ唯一の「実効性があって、かつすぐに実行可能な」方法だと思います。

しかも極端なことを言えば、この方法だともはや、「不要不急の外出の自粛」とか「テレワークで」とか、飲食店の酒類販売の自粛要請などをひたすら繰り返して顰蹙と反感を買い続ける必要さえありません。こんな反則すれすれの、ズルくてワルいロックダウンのアイデアを市民の側から提供するのは本意ではありませんが、もしも本当に、本当に、国民の命を守ることが最優先だと思っていて、そのためには今、人の大幅な行動変容が必要だけど、それが「制御不能」で「手詰まり」で困っているということであれば、やむを得ません。
(参考:横浜駅の当時の様子を筆者が撮影した動画&写真もあります
  https://youtu.be/2HECRpA0_qE  
 【緊急提言】東京圏は、これでロックダウンができる)

台風19号の時はこうだった

以下、この「ワルいロックダウン」を実行に移す際の参考となるように、台風19号の時に行われたことを記事ベースでまとめておきます。

2019年10月11日 15時01分の朝日新聞デジタルの記事「【まとめ】台風19号情報 各交通機関が計画運休」に当時の各社の発表がタイムラインでまとめてあったので、以下、記事中の見出しを時系列順に引用して考察してみたいと思います。(一部、記事本文も引用している箇所があります。【 】は筆者が記入したものです)
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【10月10日】

10日11:00 小田急、ロマンスカーの運転見合わせ
 小田急電鉄は10日、特急ロマンスカーの12日の運転を終日取りやめると発表した。ほかの電車についても、12日から13日午前にかけて運転を中止したり、本数を減らしたりする可能性があるとしている。

11:30 JR各社、計画運休も
 JR東日本は10日、台風19号の接近に伴い、12日から13日にかけて首都圏の在来線や新幹線の運転を取りやめる可能性があると発表した。JR東海も、東海道新幹線東京―新大阪間で運転本数を減らしたり、運転を見合わせたりする可能性があると発表した。両社とも随時、情報を更新していくという。

13:00 東急、計画運休を予定

15:00 西武も計画運休の可能性

16:00 東海道新幹線、12日昼前から本数減

17:00 全日空、12日の羽田・成田全便を欠航 
      ⇒【鉄道ではありませんが参考まで。以下同】

20:00 日航、12日は羽田発着便の大半が欠航 

20:30 全日空、国際線の欠航も発表 

【10月11日】

7:30 日本航空も欠航を発表 

9:15 国交省、運転再開時の情報提供の工夫など呼びかけ

10:00 政府、台風対策を指示
 菅義偉官房長官は11日午前の記者会見で、台風19号の接近に伴い、「緊張感をもって被害状況の情報収集を徹底し、国民の安全安心の確保に万全を期していくこと、自治体等と緊密に連携し、先手先手の対策を講じるとの首相指示があった」と述べた。 

⇒【すみません、脱線(...鉄道じゃないです)します。政府の指示が出たタイミングも興味深いですが、この時のメッセージが、昨今のコロナ&オリンピック騒動で散々聞いた言葉とあまりにも、あまりにも同じなので、ビックリしました。】

10:30 相鉄、全線を順次運休
 相模鉄道は、本線といずみ野線の全線で、12日午前10時ごろから順次運転を取りやめ、同11時ごろから終日運転を見合わせると発表した。13日も運転を見合わせる可能性があるという。

10:50 JR東が計画運休を発表
 JR東日本は、首都圏の在来線で12日午前10時以降、順次運転を取りやめると発表した。

10:58 イトーヨーカドー、1都7県の全店舗を臨時休業
 イトーヨーカドーは台風19号の接近にともない、12日に東京都と神奈川、千葉、埼玉、茨城、岐阜、静岡、愛知の1都7県の124店舗すべてを臨時休業する。11日に発表した。

11:00 小田急、計画運休を発表
 小田急電鉄は、12日正午以降に列車の本数を減らし、午後3時以降は全線で運転を取りやめると発表した。13日も、施設の点検などを完了させるまでは運転取りやめを続けるという。

11:32 台風19号、大雨特別警報の可能性 気象庁が示唆
 接近中の台風19号について、気象庁が大雨特別警報を出す可能性を示唆した。

11:00 東京モノレールが計画運休を発表
 東京モノレールは、12日午後4時ごろから全線で運転を見合わせると発表した。13日も始発から運転を見合わせ、設備の安全確認を行う。

12:00 西武鉄道も計画運休
 西武鉄道は、12日午後1時以降、全線で順次運転を終日取りやめると発表した。13日も午前中は運転を見合わせる予定。

12:00 京王が計画運休を発表
 京王電鉄は、京王線と井の頭線で12日正午以降に順次運転本数を減らし、午後2時ごろには全ての運転を取りやめると発表した。運転再開のめどは未定という。

12:00 東京メトロも計画運休を発表
 東京メトロは、12日午後1時ごろから、丸ノ内線の茗荷谷―銀座、日比谷線の北千住―南千住、東西線の東陽町―西船橋、千代田線の北千住―北綾瀬で運転を終日見合わせると発表した。有楽町線と副都心線でも同じころから一部区間で運転を見合わせる。

12:00 首都高、全線で通行止めの可能性

12:35 東京都が対策会議
 東京都が台風19号の対策会議を開催し、小池百合子知事は「都民の皆さんには台風に関する情報を確認して、必要な備蓄をするなど事前の準備をしっかり行ってほしい。自らの命を守る行動を早め早めに行うようにお願いしたい」と呼びかけた。

12:40 JR西も山陽新幹線で計画運休

12:40 JR東海も新幹線・在来線で計画運休

13:00 都営地下鉄と都営バスが計画運休

13:00 TDR、12日は終日休園

13:00 東武鉄道も計画運休

13:40 ゆりかもめ運転見合わせ
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考察 

ちょっと長いリストになってしまいましたが、以下考察です。

こうして時系列順にみるとやはり10日午前の段階でJR東日本が計画運休の可能性を発表し、それに他の鉄道事業者が続いたことが伺えます。次に注目すべきは翌11日10:00の、「政府、台風対策を指示」です。それまで各社とも運休の「可能性」の発表だったのが、この「指示」を受けたあとで各社が計画運休を正式に発表していることが見て取れます。このあたりの背後にある法規制や、交通行政、交通政策その他の決まり事やしきたりなどについてはよく知りませんが、要は、各事業者が運休を決定するためには、政府からの「東京圏内人流に伴う感染拡大抑制対策の指示」のようなものがないと困る、ということではないでしょうか。

(余談)実はJR東日本の30分前に小田急が早々に12日のロマンスカーの運休を発表し、その中でロマンスカー以外の運休や減便の可能性に言及しているのはちょっとした驚きです。筆者は鉄道ネタには疎いですが、何を隠そう小田急こそが鉄道業界の影の司令塔、的な都市伝説があったりして…

まとめ

改めて冷静に考えると、、、こんな単純な方法、誰だって思いつくような気がします。東京都や政府でコロナ対策を考えている方々の中からもこんなアイデアはとっくに気づいていて、行われないだけなのかもしれません。あるいスルーされてしまっているのかもしれません。そうだとしたら一番大切なのは、国民をコロナの爆発的な拡大から防ぐこととは別の、何か、であることを黙示しているのかもしれません。




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