見出し画像

先進縮退国・ニホンのミライ

「先進縮退国」これは現在の日本のことを言い表す言葉として私が勝手に考えたものです。そこでまずはこの「先進縮退国・ニホンのミライ」というタイトルをつけた背景について書きます。
もう何年も前からなのですが、私はサラリーマン生活を通して「ハイテク商品」や「デジタル家電」など、日本のお家芸ともよばれた領域での競争力が相対的に低下していく様を、その渦中にいる当事者として、また同時に一般の消費者として目の当たりにしてきました。そしてその状況を一言で言い表したら何だろうかと当時考えたのは「先進衰退国」というワードでした。

先進衰退国・日本の「失われた30年」
私が子供のころは日本は「先進国」「先進工業国」などと呼ばれていました。「サミット:先進国首脳会議」開催を伝えるニュースや親の話から、日本も先進国の一つに数えられているんだと思ったことが印象に残っています。その頃日本は国際的な競争力がどんどん高くなっていき、やがてバブル経済で絶頂期を迎えます。そしてバブルがはじけて以降は「失われたXX年」の時代に入りました。21世紀に入ってもバブル崩壊から立ち直れていなかったために「失われた10年」と言われるようになったのですが、その後も「失われた…」状態は続きました。日本は衰退モードに入ってしまった国だということをはっきり認識したのは「失われた20年」と言われ始めた頃で、私は仕事を通して海外の市場で韓国のエレクトロニクスメーカーがどんどん存在感を高め、ブランド力をつけていく様を目の当たりにしていました。

「失われたXX年」はその後も続き、平成が終わるころには「失われた30年」と呼ばれるようになり、今に至っています。振り返ると日本はこの30年あまり、山・谷を繰り返しながらも、全体としては「緩やかに衰退しつづけてきた」と言えそうです。一方で国民の意識の中で日本は技術立国で、ハイテクに強い先進国だ、先進工業国なんだ、という観念は根強いものがあるようです。これは、高度経済成長~バブルの時代に味わい続けたものすごい成功体験を思えば、無理もありません。その「先進」という表現を残しながら、実態としては「衰退」しているという、ある種の皮肉を込めて表現したのが「先進衰退国」でした。

先進縮退国・ニホン
「先進縮退国」はさらにその応用で考えたものです。「縮退」というやや耳慣れない言葉は、より多様な意味を含んでいて、それが日本のことを言い表す上でよりフィットしそうだという発想です。(そのことについての考えのあれこれはまた別の機会に書こうと思います)

今回、東京オリンピックのタイミングでこの「先進縮退国」のことについて書く際のタイトルをどうするか、あれこれ考えました。そして表題のように「先進縮退国・ニホンのミライ」と題してみることにしました。あえてカタカナ書きにしたのは、予測されうる「暗く絶望的な未来」からも目を背けず、同時にアタマを柔らかくして、あまりに堅苦しい話ばかりにならないようにして明るくて希望のある未来も描こう、という思いを込めたものです。

ニホンは世界の先頭を切って衰退し、縮退している国。だからこそ真っ先に新しい考え方や仕組み作りに取り組んで、明るいミライを作っていくチャンスもある、、、そう考えたいですね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?