継続的な成長に必要な両利き経営
はじめに
「両利きの経営」とは、企業が持続的な成長を目指すための重要な戦略です。この理論は、既存事業の「深化」と新規事業の「探索」を同時に追求することを指します。企業は、既存のビジネスを最適化しながらも、イノベーションを起こすために新しい事業を模索するという二重の役割を果たさなければなりません。
このアプローチにより、企業は短期的な利益に依存せず、長期的な競争力を保つことができるとされています。つまり、日常業務の改善と新規機会の創出をバランスよく行うことが、企業の成長と競争優位性を維持するために不可欠なのです 。
*この前ぶろくは上記の記事を参考にしています。
中小企業が両利き経営が難しいのはなぜ?
中小企業が両利き経営を実行するのが難しい理由はいくつかあります。
1. リソースの制約
中小企業は大企業に比べて人材、資金、時間などのリソースが限られているため、既存事業の深化と新規事業の探索に十分な投資が難しいです。このため、どちらかに注力するともう一方がおろそかになりがちで、両立が困難となります。
2. 組織構造と文化の問題
中小企業は通常、組織がフラットで少人数のため、多くの業務を同じメンバーが担当します。その結果、既存事業に従事している従業員が新規事業の探索にも時間を割かねばならず、役割の混同や負担増が生じることがよくあります。また、従来の業務プロセスや文化に慣れているため、新しい試みが社内で受け入れられにくく、イノベーションを生み出す環境を作ることが難しいことも課題です。
3. リスクへの抵抗感
中小企業は大企業に比べて経営基盤が脆弱なため、新規事業に失敗した際の影響が大きくなりがちです。そのため、リスクを取って革新に挑戦することに慎重になり、結果として新規事業への投資が減少することがあります 。
4. 人材とスキルの不足
新規事業の探索には、新たな分野や市場に精通した人材が必要ですが、中小企業にはそのような専門性を持った人材が不足していることが多いです。また、既存事業を運営している従業員の多くが新規事業に必要な知識やスキルを持っていない場合、外部の専門家を雇うコストも負担となります。
中小企業が両利き経営を実現するためには
1. 社長のリーダーシップと明確なビジョン
社長が両利き経営の意義を深く理解し、その価値を従業員に伝えることが重要です。経営トップが自らのビジョンを明確に示し、新規事業の探索に対する意欲やリスク許容姿勢を示すことで、従業員も安心して新たな挑戦に取り組める環境を作れます。
2. 専門部署の設置と役割分担
既存事業と新規事業を分離する専門部署を設置し、役割を明確化することも効果的です。例えば、イノベーション専任のチームを設けることで、既存事業に従事するメンバーと新規事業を推進するメンバーの間でリソースと責任を明確に分け、双方が各々の業務に集中できるようにします。
3. 外部パートナーの活用
リソースが限られている中小企業では、外部パートナーやコンサルタントと連携することで不足する専門知識やスキルを補うことができます。外部の知見を活用することで、新規事業の探索やリスク管理を効果的に進めることができます。
これらの対策により、中小企業でも両利き経営を効果的に実行し、持続的な成長を実現することが可能です。
おわりに
上記のように、中小企業にとっては難易度が高い「両利きの経営」。
外部パートナー(中小企業診断士)として、是非とも「新規の探索」のお役に立っていきたいと思っています。
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