【第4回】してほしいことを具体的に伝えるためのコツ(応用行動分析を用いて)
お疲れ様です。SATOSHIです。
今回のテーマは『してほしいことを具体的に伝えるためのコツ』です。
私は、障がいを持つ大人や子どもの支援をする仕事をしており、主に知的や発達に障がいを持つ人の支援を行ってきました。そして、行動を教えて身につけていくための方法や、困った行動への対応と軽減していくための方法について学び、実際の支援に用いながら経験を積んでいきました。今回は、私がこれまで学んだことや経験してきたことのほんの一部分ですが、参考になる情報をお伝えできたらと思います。
行動とは何か
子どもが騒がしくしている時に、「静かにしなさい!」と注意したり怒ったりしたことがある人は、結構多いのではないでしょうか?
行動は”死人にはできない活動”と言われています。
”死人にはできない活動”という視点で見ると、静かにすることは死人にもできることなので、これは行動とは言えません。(死人が静かにできなかったら恐ろしいですよね。)
「走ったらダメ!」「大人しくしなさい!」なども同様ですね。死人は走らないし大人しくしているので、これも行動とは言えません。(死人が走ったり大人しくしていない場合は死人ではなくゾンビでしょう。)
では、行動として言い換えてみましょう。
場面によって文言は変わりますが、このような視点で行動を捉えることができるようになると、ただ単に注意したり怒ったりすることがなくなり、してもらいたい内容を冷静に分かりやすく伝えられるようになると思います。
行動は具体的に伝える
上記の例文を読んでどのように感じたでしょうか?
部屋を片付けるというのは行動で、その行動を促す伝え方もしていますが、「片付けなさい」「ちゃんとしなさい」という言葉が曖昧で分かりにくいですよね。母親にとってはちゃんと片付けていないと思っていても、子どもにとってはちゃんと片付けたと思っているかもしれません。
”ビデオで撮影して誰が見てもそれとわかるもの”が具体的な基準と言われています。そして、してほしいことを伝えて相手に理解してもらえるためには、行動を具体的にしていく作業がとても大切になります。
では、例文の「部屋の片付け」を具体的な行動にしてみましょう。
このように具体的にしていくことができると思います。イラストや写真などを用いたり手順のマニュアルを準備したりして、相手に合わせて分かりやすいように工夫すると、さらに行動を具体的に伝えることができると思います。
まとめ
してほしいことを伝えるために必要なことは、行動と言えるものを伝えていくことです。そして、具体的にイメージができるように伝えていくことです。この視点を押さえておくと、してほしいことを実行することができる確率は高くなると思います。
ただし、人の行動はそう単純なものではありませんので、必ずしも、してほしいことを実行してくれるとは限りません。行動が身についていくプロセスや環境との相互作用など、色々と学んで理解を深めていく必要があります。
今回のテーマでお伝えした内容は、応用行動分析に基づいた考え方を土台にしています。興味のある方はぜひ書籍を見ていただけたらと思います。また、今後もテーマに取り上げてお伝えしていけたらと思っています。
少しでも参考になる情報を届けることができたら嬉しいです。どうもありがとうございました。