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【スノーボード通訳】THE DAY. HAKUBA / 稗

ファースト、ノートラックを滑るため、ターンは捨てたパウダーチョッカリ専用という、突き抜けたボード。まずアウトラインから発せられるオーラというか、面構えが違う。プロダクトとして完成された雰囲気をまとっている。


レングス162cm、ワイドで長いノーズに対して、セットフロント気味に付けられたインサートホール。
テールが絞られたスワローは、表層の雪を引きずることなく、抵抗を最小限に抑えつつ、安定感を保つ。ノーズが浮かないように雪面を抑えつける効果も持っている。

60cmオーバーのディープパウダーを滑っているはずが、まるで圧雪を滑っているかのような感覚、雪面の柔らかさを感じない。ノートラックの雪面をキャンバーの接雪ポイントだけで抑えているような、時として雪面に浮いているような感覚、正直慣れないと怖い。
6mmのキャンバーはパウダーでの浮力、スピードを損なう場合もあるが、この稗に関しては雪面の抵抗を減らす効果を出している感じを受ける。

急斜面での推奨セッティングは1番前のセットフロント。パウダーチョッカリでは急斜面になればなるほどノーズが浮き上がる。これを前足で押さえつけることで、スピードをキープする。この時、ライダーは加速度的に斜面を落下していく感覚に襲われる。

かと言って、ただの暴走列車ではない。体重を後ろにかけると、先細りのスワローテールが高速帯でのコントロールを可能にし、ボードを暴れさせることなく減速する。まるでドラッグレースのパラシュートブレーキのようである。

ゲレンデピステンでも、スピード安定性は劣らないのだが、パラシュートブレーキは使えないので注意が必要。
縦のラインは気持ちよく飛ばせるが、ターンはシビアでとても気を使う。抜重のタイミングが遅れると、板が先走って飛んでいきそうになる。板が先に先に行きたがるし、ターン半径も真っ直ぐになりたがる、そういう意思を持った生き物のようでもある。

「より速く」をテーマに向き合った開発者の執念を感じる。
実は、当初私はまったく買うつもりなかったが、買ってしまった。何がなんでもファーストを取りに行くという風格。コンセプトの体現に引き寄せられ、感銘を受けた。床の間に飾り、毎朝眺めたい。



今後これを超えるモデルが登場するのかどうかという楽しみもある。

#thedayhakuba
#稗
#パウダーチョッカリ
#スノーボード通訳士

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