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クラシック音学 名盤探訪12
ラファウ ブレハッチ ショパン
ラファウ ブレハッチというピアニストは1985年にポーランドで生まれた。敬虔なキリスト教の家に生まれた。子どもの頃から才能豊かで、2005年ワルシャワで行われた、世界最高峰のコンクール、ショパンコンクールで優勝した。併せて他の賞も総なめにした。これは快挙というほかない。
アルゲリッチやポリーニといったインパクトはないものの、その高貴で優雅な旋律は聞き手を静寂へと導く。浄化された天国に聴衆を招待すると言っても過言ではない。
そんなブレハッチが、ショパンを弾く。
1、ピアノソナタ2番
この劇的で不穏なソナタ、特に第三楽章の葬送行進曲では、今の気持ちを表しているようだ。パンデミックや戦争が終わらない現代において、ブレハッチは自分の役割をしっかり果たしているように見える。
2,ノクターンop.48-2
3.ピアノソナタ3番
技巧的にも素晴らしい。ブレハッチは超絶技巧を持っている。しかも、さりげなく披露される。ポリーニほどの完璧さではないが、今ここまで忠実に弾ける人は果たして何人いるだろう。それに、ここではブレハッチの音が美しく磨き上げられている。今まで控えめだった音が輝いてきている。これは、将来の生末が楽しみだ。
4.舟歌
この曲をショパンの最高傑作と呼ぶ人は多い。要はゴンドラの唄なのだが、それが、ショパンの人生観とかぶさって、船は進んでゆく、途中、雲行きが怪しくなったり色々大変だが、最後は幸せの内に曲は終わる。ここでもブレハッチは明瞭に曲の輪郭を浮かび上がらせている。透明で優しい音だ。