プランニングポーカーで見積って議論してみた感想
こんにちは。Kaneyasuです。
スクラムマスターとして日々スクラムに四苦八苦しております。
SIerの歴が長い私がスクラムをやっていて一番苦労するのが見積。
アジャイルやスクラムの見積といえばプランニングポーカー。
アジャイルやスクラムではプランニングポーカーを必ず使うというルールはないのですが、確かに相性はよいと思います。
このプランニングポーカー、知識としては知っていますが、やってみるとアタフタしてしまいます。
今回は私がスクラムマスターとしてプランニングポーカーをやってみた感想と、今どういう流れで進行していて何を求めているかを書いてみます。
これからスクラム開発をする方の参考になれば幸いです。
本記事の対象者
本記事はスクラム開発の初心者に向けて書いています。
プランニングポーカーとは
プランニングポーカーは、見積もり手法の一つです。
複数人のメンバーがせーので見積を提示、その後に理由を述べてすり合わせを行います。
プランニングポーカーは物理的なカードでもWebサービスでも行うことができます。
物理的なカードもWebサービスも、検索すれば多数見つかりますのでお好きなものを使用していただければ大丈夫です。
ちなみに私はこちらのサイトを使用しています。
事前準備
事前準備として、見積のルールを決めておきます。
一般的にスクラム開発ではタスクはストーリーポイントで見積るので、ポイントの付け方についてルールを決めておきます。
最近私が使用したルールは以下の感じです。
1ポイント
実績があり、不明点がなく、数時間程度
2ポイント
実績はないが、経験を活かしてこなせそう、1日程度
5ポイント
一部見通しが立っておらず、調査をしながらの作業、数日程度
8ポイント
一部見通しが立っていない上、関係者との調整や何らかのリスクがある、数日程度
それ以上
あまり見通しが立ってないものはこれ以上に大きい数字をつける
あまり詳しくは決めてはおらず、あくまで目安としています。
また、上記にない3などの数字もありとしています。
1ポイント=1日がわかりやすいかと考えて、1日でできる作業というのはどういう作業だろう?ということから考えてみました。
これをプロダクトバックログアイテム(PBI)単位に付けていきます。
当初はこれをスプリントバックログアイテム(SBI)単位でつけてその合計をPBIのストーリーポイントとする想定でしたが、チームの皆さんがPBIでつけるので、自然とPBI単位で付けるルールとなっていきました。
実際のところ、SBI単位で一つ一つプランニングポーカーはやってられないので、PBI単位でいいかなと思うのと、ルールを守るのが目的ではなくみんなが同じ基準を持つことが肝要だと思うので、今のチームにはこれがベストなのだと思っています。
所用時間
1スプリントごとに1時間のルールにしています。
なので、PBI単位で見積、サクサクと進行するようにしています。
プランニングポーカーの流れ
見積対象のPBIを選びます。
メンバーは見積を考え、ポイントが書かれたカードを選びます。
全員が選び終わったのを確認してから、一斉にカードを公開します。
ポイントに開きがある場合は、最も高いポイントと最も低いポイントのメンバーが理由を述べます。
理由を聞いた上で、どれかを採用するのか、平均を取るのか、再見積を行うのかを決めます。
再見積を行う場合は、カード選びからやり直します。
流れ自体はプランニングポーカーのWikiとほぼ同じですね(笑)
一斉にカードを公開するのは、他のメンバーの意見に影響されないようにするためです。
「最も高いポイントと最も低いポイントのメンバーが理由を述べる」というところがポイントです。
これにより、タスクに対する視点の違いを知ったり、タスクの理解不足、見積のスキル不足を発見することができます。
理由を述べる時間帯では、他のメンバーの理由を聞くことに集中するようにしています。
自分の考えに引っ張るのではなく、他人の意見を引っ張り出したいですよね。
私に限った話ですが、スクラムマスターとして見積時は特に発言に気をつけるようにしています。
スクラムマスターかつ年長者である故に、強い影響力があるので、下手なことを言うと一気に数字が私の方で寄っていくので、気をつけねばなりません。
数字がバラついた時は基本的に議論をした上で、再見積しますが、差が少なかったり、議論で結論が出た感がある場合は、私がスクラムマスターとして独断で決めることもあります。
同意を得ることに時間を割きすぎると、疲れて見積の精度が下がると思っているので、ある程度進行優先することも必要だと考えています。
見積に差が出る原因
やってみた限り以下のものが多いです。
内容が曖昧で考えづらい
スキル不足により他の人より見積が大きくなる
共有不足により一部の人だけが見積が大きくなる/小さくなる
一つ目は議論では明確にならないので、PBIを分割して再見積か、一旦保留にするようにしています。
二つ目は結構あります。よく言ってくれた!という感じです。
議論で他の人の根拠を聞いてもらい不安を解消してもらうか、トレーニングも含めたPBIとするようにしています。
三つ目も議論で解消させますが、そもそもの共有不足は見積の後でチームで協議しないといけません。
見積と議論をしてみると、認識差の解消だけでなく今後のチーム運営に役立つことも見えてきます。
プランニングポーカーの目的
プランニングポーカーをやる前から薄々思っていて、やってから更に確信を得たことがあります。
このやり方で正確な数字は出ないですね。
正確な数字を出したければ長時間かけて技術調査をしながらでないとダメです。
複数人で話し合っても短期間では正確な数字は出ません。
むしろ1人でゆっくりと調べた方が精度高く早いぐらいです。
結局Wikiの通りなんですね。
プランニングポーカーで重要なのは、見積の数字に差があった時に行う議論を通して、認識の差やまだ見ぬリスクを見つけたり、考えすぎなことを改めたりすることなのだと思います。