ヤン・ウェンリーはチェスが強いのではないか?
22時を回った頃、ふとこんなことが頭をよぎった。
「ヤン・ウェンリーは実のところ、チェスが強いのではないか?」
3Dチェスがどのようなゲームかはわからないが「チェス」の名を冠する以上、将棋やチェスのたぐいのゲームであることは間違いない。駒もチェスに酷似している。
戦略に長け、大艦隊を率い強敵をことごとく撃破してきた。司令官として大勢の命をかけた艦隊戦で、相手の行動を読み裏をかき勝利をおさめてきたのだ。そんな彼が、チェスの類のゲームが弱いなどということがあろうか。
実際に彼の後継者ともいわれるユリアンは、その腕前について「チェスの最中になにか別なことを考えている」といっている。つまりヤン・ウェンリーが「勝敗」を考えさえすれば、強いのではないかと想像できる。
軍人には見えない、温厚でどこか飄々とした人物。実際に広大な宇宙で多くの命の駆け引きをする彼にとって「盤上の勝敗にはこだわりたくない」と思うなにかがあるのかもしれない。
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ちなみに、ぼくは将棋もチェスもできるけど、腕前はからきしだ。こういう勝ち負けがはっきりついてしまうゲームがわりと苦手かもしれない。勝敗にこだわって楽しめないのは、ゲームの面白さをわかっていないからなのかもしれない。人生というゲームの面白さも・・・いやいやこんな時間に話を広げすぎだ。睡眠負債を抱えないように、そろそろおやすみなさい!
【ヤン・ウェンリー】
田中芳樹さんの小説『銀河英雄伝説』の主人公の一人。「銀河帝国」と敵対する「自由惑星同盟」の軍人。歴史に詳しく艦隊戦の戦略に長け元帥にまでなった。