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旅館の事じゃないです。ただの雑談です。
どうも専務佐藤でございます。
20代前半。寝る間を惜しんで遊んでいた時期がありました。
地元の仲のいい友達3人と仕事終わりにいつも遊んでいました。
金も持たずに思いつくまま。
ある日、3人で夜釣りに行こう!と仕事が終わった22時に思い立ち。
3人の財布のなかの所持金を確認すると全員合わせて1000円弱。
ドラクエ職業で言うなら「遊び人」「遊び人」「遊び人」の偏ったパーティ編成の旅がスタートしました。
熊本の海までは車で約2時間半。
「猿岩石のヒッチハイク旅でもまだお金持ってなかったっけ?」と思いつつも「まあ戦後すぐだったら1000円持ってたら金持ちやしね。」と良く分からない理論で出発しました。
持って行く物は友人2人の釣り竿2本と釣った魚を捌く私の包丁、まな板、鍋、ガスコンロ、調味料、そしてタダでは帰って来ないという熱いパッション。
最初に立ち寄ったコンビニでいきなり何も考えず、缶コーヒーを買うという失態を犯した私どもの所持金はいきなり1000円を割りましたが、コンビニで偶然出会った中学時代の友人に200円借りてなんとか1000円をキープしました。
「もう何も考えずに買い物するのはやめような。」「それな。」
そう決意した私どもは繁華街の誘惑にも目もくれず、海へ海へと車を走らせました。
深夜2時頃、熊本港に到着すると今から漁に出るであろう漁師さんがいたので、私達の持っている唯一の武器である社交性を発揮して聞いてみました。
「こんばんは。今、何が釣れますか?」
漁師さんは優しく微笑みながら。
「何も釣れねー。今は船を出せば出すほど赤字だよ。沖の方に出ても釣れないんだからこっからじゃムリだよ。やめとけ。」
と。私達を絶望に突き落とす一言。
私達は食い下がり
「いや、タダじゃ帰れないんです。腹を空かせてる奴らがいるんです!(私達)」
漁師さんは苦笑いで
「じゃー、余り物のこれやるよ。」
と言ってままかりを3匹いただきました。
「いいんですか!?あ、ありがとうございます!!!」
私達は深々とお礼を言い、沖に出て行く漁師さんを丁寧にお見送りして。船が沖に出ていったのをしっかり確認して、その場でまな板を広げてままかりを捌いてお刺身にしました。
さっぱりしたお味で大変美味しゅうございました。
でも貪欲な私達は、満足せずさらに先に進む事を決意しました。
「そうだ!天草ヘ行こう!」
決意新たに豊潤な海の幸あふれる天草へと車を走らせました。
熊本港からさらに2時間。
天草ヘ行けば潮が変わる。そんな期待を胸に走りました。
到着した頃にはすっかり朝。
釣り竿を車から出し、気分はカジキを狙う松方弘樹。
そこで初めて気付いたのです。
釣るエサが無い。
三者協議の結果、山にミミズを捕まえに行くという結論になりましてもう一度、車に乗り直してミミズを捕まえに行きました。
考えてみたらすでに24時間以上起きている私達は、徹夜の疲れで判断能力が鈍っていたんだな。と車中で話したのですが、そもそも出発の時から1000円しか持たずに出ている時点で判断能力はゼロでした。
ドラクエでは『遊び人』はレベルアップすると『賢者』になるんですけどー。
ミミズを捕まえ意気揚々と釣りを始めた私達に次に襲いかかってきたのは睡魔でした。
もう眠くて眠くて。
幸先良くすぐにカサゴを友人が1匹釣り上げたところで、ホッとした私はルパン3世の次元のように車で帽子を日除けにして寝ました。
4時間ほどして車中の暑さで目を覚ますと、友人も車で寝てました。3人とも次元の様に寝てました。
ふと足元を見ると15センチほどのカサゴが1匹バケツのなかで泳いでいました。
最初の1匹が最後の1匹。
「もう‥帰ろうか。」
そう言ってハンドルを握りしめて途中で1000円分のガソリンを入れて、阿蘇の景色が良く見える高台で釣り上げたカサゴを煮付けにし。もらったままかりのあまりをまた刺身にしていただきました。
皆、無言で2分で食べ尽くしました。
カサゴの煮付けは甘辛く美味しゅうございました。
釣果
カサゴ1匹。
もらったママカリ3匹。
はい。特に旅館業のネタもなかったので、過去の事を書きました。
一応。
魚調理もいたしますおおぎ荘です。
ではでは。