もしも矢沢永吉がおおぎ荘を紹介したら。(妄想)
矢沢です。
九州、熊本におおぎ荘って宿があるんだけどさ。ここがまたすごい山の中なわけ。夜なんかもうミッドナイトジャングルで、聞いたらさ。やっぱり猪だったり鹿だったりファンキーモンキーベイベーなんかもいるって言うわけ。
ほら僕って普段はLAにいるじゃない。そんな僕にさ。専務の佐藤って奴がさ。「いい所なんです。」って僕に力説するんですよ。
若い頃にありがちだよね。成り上がってやろうって。ビッグマウス叩くやつ。でもこういうやつ矢沢は嫌いじゃない。
矢沢さん泊まってください!って言うのよ。この佐藤ってやつが。
いいね。いや俺は泊まれれば何でもいいんですよ。飯ある。温泉ある。布団ある。これ、余裕。
そんなビッグマウス叩くならって泊まったんだけどさ。まず空港に着いたらその佐藤ってのが迎えに来てるのよ。外タレみたくさ、キャデラックだったりポルシェで迎えに来てるか?百歩譲ってやっちゃえNISSANかって思ってたらさ。TOYOTAのエスティマなわけ。ノッてくれノッてくれって。
んで僕は言ったよね。ああそうなの。いや僕はいいんですよ。エスティマいいじゃない。車には違いない。でもYAZAWAは何て言うかな?
結局、エスティマに乗って行ったんだけどさ。道すがらこの佐藤ってのが道に迷ったわけ。矢沢さんこっちでいいですか?って。もうシャバダバよ。
すごいよね。矢沢を迎えに来て帰り迷っちゃうんだから。彼もドラマチックな生き方しかできないんだろうね。思わず言ったよね。
「てめえの人生なんだから。てめえで走れ。」って。
そしたらその彼。ギラギラした目でまたアクセル踏んだのよ。雨のハイウェイをかっ飛ばしたわけよ。
そんで、宿に着いたのよ。宿に着いてまずは温泉入ろうと思って浴衣取り出そうと思ったらさ。浴衣が真っ赤なステージ衣装なわけ。バスタオル広げたら『YAZAWA』ってデザインのタオルなわけ。
ヤバい、って思ったよね。
最高じゃない。
一回目、散々な目にあう。二回目、落とし前をつける。三回目、これ余裕。
そんで僕も温泉に入る訳よ。もう最高だよね。俺は思ったよね。時間よ止まれって。そしたらそこ混浴だったわけ。俺はさ、混浴って聞いてなかったんだよね。そこんとこは先に言ってもらわないとフェアじゃないよね。
そしたらもうディナーですよ。馬刺しある。阿蘇赤牛ある。ヤマメある。僕はそれをプレモルでグイッと流し込んだわけ。喉を炭酸が刺激するのよ。いい感じに酔っ払って部屋に帰ってBRAVIAのTV見てくつろいで。
その佐藤って奴も必死に俺に食らいついてくるんだけどね。言ったよね。
お前が死に物ぐるいで一生かけて稼ぐ金額。矢沢の2秒。