夢百夜話-ユメヒャクヨバナシ 第7夜
病院に着いた。
驚いたのは電気が灯いていたことと中に数人の人がいたこと。
……入るべき?
どうしようかと思案していたら中から声がかかってきた。
「先生、入らないんですか?」
サエコによく似た女性だった。自分以外誰かいるのかと周りを見る。いや、自分しかいないのはわかってはいた。いたが、先生?
「あ、先生。どうしたんですか?」
男性にも声をかけられる。先生?先生って自分か?と、考えていて今さらながら気付いた。自分に対する記憶がない。どこの誰なのか全くわからない。
夢なんだから当たり前、かあ。
そこで目が覚めた。
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作品は観る者がいないと成立いたしません。観る者が1人でも成立いたしますが多ければそれだけ物書きという者ははりきるのです。観る者が育てるという役を選んでくれたなら物書きは安心して書くができるでしょう。