価値とテクノロジーの変化の「はやさ」【平成の衝撃】
僕は平成3年生まれです。昭和な老け顔路線で生きてますがれっきとした平成生まれ。ちなみに僕の娘は今年産まれたので平成最後の子。平成生まれ○○育ち、なんて言われるのでしょう。
そもそも昭和とか平成とか年号ややこしいから西暦に統一してほしいのですが、今日はそんな事を話題にしたいのではなく、「平成の衝撃」がテーマ。
ここで平成の時代が僕らにどういう意味があったかを考えてみると、2つの転換期だったんだなと個人的に思っています。そして特筆したいのはその変化の「はやさ」です。
1.価値の転換
2.テクノロジーの転換
どういうことか、簡潔に説明してみます。(と言いながら長くなる予感がしています笑)
1.価値の転換
91年から93年に起きたバブル崩壊を期に、日本の戦後を支えた高度成長期が幕を閉じました。平成最初のイベントといえば、やはりこれだと思います。
で、何が起きたかというと、みんなが感じるモノやコトの価値が全く違う方向へ変化しました。幸福と比例する指標がいくつかあり、その指標(金、地位、モノ)を増やすことに価値を置いてきたのが、平成以降、徐々に、それに価値を感じなくなってきました。
幸福と比例する指標なんてない、幸福はそんな定量的なものではなく、繋がりや余白から生まれる精神的豊かさにあると言う人もいれば、幸福度を高めるためにあくせく動くこと自体が幸福度を下げるという、いわゆる「ゆとり」的な発想も登場します。
例えば車。車を買うのは、車が欲しいからではなく、車にのっている価値かほしいからです。高度成長期には「地位やステータスのアピール」「デートで女の子を誘うためのツール」みたいな価値がありましたが、翻って現在をみると、そんなことを考えてる人は殆どいません。車の価値は「気軽に移動する手段としての機能」がメインになり、それなら車じゃなくて電車や自転車でもよくない?という人も増えています。
この価値の感じ方の変化は、もちろん昔から何度もあったわけですが、平成の価値変容に特筆すべき点があるとすれば、それは「はやさ」です。あまりに変化がはやいので、変化前の人と変化中の人と変化後の人と、いろんな人間が入れ混じった社会になりました。
2.テクノロジーの転換
サイエンスやITを含めた科学技術の進歩が、これほど進んだ時代は歴史的にも珍しい転換点だと思います。バイオ技術や燃料技術、送電蓄電や宇宙開発など、科学の進歩をあげればキリがない上に、僕の知らない事のほうが多いので、ここではひとつ、僕の好きなインターネットの話を。
人類史的にいえば、言語による認知革命、蒸気による産業革命に続き、近代から始まった科学革命(たしか1970年くらいから)が、テクノロジーの転換点でした。そしてその科学革命のなかの最たる要素として、Information Technologyによる情報革命があります。日本では90年代のインターネット勃興がまさにそれにあたります。ライブドア堀江さんやCA藤田さんなどインターネット黎明期を作り上げた方々の話は、より詳しい記事がたくさんあるのでここでは割愛します。
て、インターネットが何を変えたか?というと、色んな側面から語れるので難しいのですが、個人的に好きなストーリーとしてはこんな感じです。
誰でも情報にアクセスできるネットから(ウェブサイト)、誰でも情報を発信できるようになり(ブログ)、さらにはリアルタイムで双方的なコミュニケーションがとれるようになった(SNSやテレビ電話)
文字にするとたったこれだけの変化ですが、このテクノロジーによるコミュケーションの変化は、僕らの価値観に大きな影響を及ぼしています。
なかでも特に大きいのが、個人が社会に及ぼす影響力を拡張したこと。共感を呼ぶ意見や表現は瞬く間にSNSで拡散され、時に社会を動かすうねりになります。2011年のエジプト革命でSNSが取り上げられたのを覚えている人も多いのではないでしょうか。あのときは若者たちがFacebookでデモを呼びかけ、8万7000人の参加者まで膨れ上がりました。そのせいもあって、今でもエジプトではSNSに厳しい規制がかかっているようです。
また、ブロガーやYouTuber然り「人がたくさん集まる」という価値を武器に広告収入を得る仕事が生まれました。個人にファンがつくことで、特にエンタメ領域の幅がとんでもない広がりを見せています。
その背景にはもちろん、ハード面もありました。2007年にジョブズ氏が発表したiPhoneは20世紀で最も重要な発明のひとつだと思います。インターネットがここまで僕らの生活を変えた背景には間違いなくスマホの普及があります。次のハード的な転換点としては来年の5G導入になりそうです。5Gは今後の日本のITインフラを一変させるキーワードですので、知らない人はぜひ一度ググってみてください。
インターネットがもたらした双方的リアルタイム遠隔コミュケーションは、ここまででひと段落ついたようにも見えますが、実はここからまた大きく変わります。特に、90年頃のインターネットと同じような燻る黎明期にあると言われるのがブロックチェーン。インターネットで何ができるのか誰も分からず模索していた90年頃(平成初頭)と同じフェーズで、ブロックチェーンは世界中の優秀なエンジニア、ビジネスマン、研究者たちにその可能性を模索されています。そしてそれがもたらす非中央集権化の波は、確実にインターネット的に世の中の価値観をひっくり返していくと思います。ブロックチェーンも重要な技術なので、よくわかってない人はぜひ一度入門書的なものを読んでみてください。
あらゆる変化の「はやさ」
人々がモノ・コトに感じる価値が急速に変容し、その一因には情報革命をもたらしたテクノロジーの進歩があることを述べましたが、大事な要素はこれだけではありません。
ここでは書ききれませんが、僕としては、国家の枠組みそのものの変化も見逃せないなと。
国際テロ組織、グローバル企業、ポピュリズム、地域コミュニティ、そういったキーワードで語れる気がするのですが、また機会を見つけてまとめてみたいと思います。
どんな時代も何かと変化はあるものですが、人々の感じる価値、テクノロジーの進歩、国家の枠組み、その他あらゆる側面において、とにかく変化の「はやさ」が凄まじかった。平成を振り返る感想として、そんなことを思います。
以上、平成の振り返りでした!
ここまで読んでいただいて本当にありがとうございます! 少しでも楽しんでいただけましたら、ぜひスキをお願いします!