見出し画像

第一回 ⚡️リフ・エム・オール⚡️

皆さん、ついにこの日を迎えました。
僕がずっとやりたかった企画。
『リフ・エム・オール』です。


【リフ・エム・オール(Riff ‘Em All)とは】

リフ・エム・オール(Riff ‘Em All)略してREAとは、
「リフ」を心から愛してやまない僕が、
『全俺がしびれたリフ』
を基準に選定した、
『素晴らしいリフを持った楽曲』に対して、
『全俺的・リフの殿堂』入りを勝手に認定するという、
興味のない人には、全く興味のないサブい企画であると同時に、
リフ好きな人には、たまらないかもしれない熱い企画であります。
全俺の俺とは、筆者である僕のことです。
俺の全身の細胞が熱くしびれたリフ。
略して「全俺がしびれたリフ」です。
リフの観点から曲を聴くと、また全然違った聴き方ができます。
僕はそれが面白くて、長年リフの研究(色んな曲を聴きまくる)を重ねてきたのですが、近年その情熱がクリティカル・マスに達したので、この企画を始動することにいたしました。
また、たまに、情熱と思いつきが暴走し、特定の人物に特別な称号を与えることもあります。


【具体的にリフとは何か】

リフとはリフレインのことであり、楽曲の中で繰り返し演奏される、印象的なフレーズやコード進行のこと。
ギター、ベース、鍵盤楽器、管楽器など、様々な楽器でリフは存在するが、筆者はギタリストなので、どうしてもギター・リフの選出が多くなることが予想されます。
具体的な、リフとはどんな感じのものか、という例として、
筆者のバンド、tradlad(トラッドラッド)のMV(ミュージック・ビデオ)を例に挙げてみましょう。
この解説では、ギターの音に注目してください。

※スマホから本記事をお読みの方は、動画の再生を開始すると全画面表示になると思いますが、再生した状態のまま、二本の指をつまむ様に画面上で動かすと、小さい表示で動画を再生しながら、本文を読むことができます。

tradlad/リグレット

開始1秒から一つ目のリフが登場します。
「2小節で一回のカッティング・フレーズ」が繰り返されます。
分かりにくいですが、これもリフと呼べなくもありません。
これが、この曲においてのメインのリフ、あるいはメインのコード・リフと言うこともできます。
そして17秒からは、そこに二つ目のフレーズが重なってきます。
こちらは「4小節で一回のフレーズ」になっており、それを二回繰り返したところで、歌が入ってきます。
どちらも、50秒からまた登場します。
そして1番のサビを終えて、2分1秒からまたまた登場します。
そして2分11秒~2分26秒には、イヤホンだと主に左側から聴こえてくる、ここだけに登場するカッティングのリフ(フレーズ)がありますが、これは僕が創出したリフではなく、サポート・ギターの柊人による秀逸なフレーズであり、「曲(作曲者側からの提案)に対して、プレイヤー(楽器演奏者)が、どのように呼応してくれるか」、そうして産み出されたフレーズなのです。
作曲家が、「何もかも」を作っていると言ってしまったら、それは嘘になるのです。
ですから、参加してくれた、関わってくれた全てのミュージシャン・関係者が、楽曲の形成に大きく関わってくれているのです。
これは、そう言いたいんじゃなくて、事実、そうなのです。
その安心感とチャレンジ精神の元に、作曲家は、曲作りができるのです。

話を戻しますが、
最後アウトロに、4分17秒から最初のメイン・リフと同じものが登場して、曲が締まります。
このように、何度も曲中に登場して、その曲の印象を大きく決める役割を担っているのが、リフなのです。
この二つのメイン・リフが無かったバージョンを想像すると、楽曲の印象はかなり変わってくるでしょう。

もう少し別の例を挙げてみましょう。
tradladのまた別の曲の場合では、

tradlad/陽炎

開始4秒~15秒までの間に、「2小節で1回のリフ」が、「2回演奏」されたところで、歌が入ります。
多くの方が、リフと聞いて想像するのは、
こういう「けっこうヘヴィ目なギター・フレーズ」だったりするんじゃないでしょうか。
このリフが、紛れもなくこの曲のメイン・リフですね。
ちなみにスピーカーや、イヤホン・ヘッドホンで言うと、
右側から低音域でこのリフが、左側からは高音域でこのリフを、それぞれ棲み分けているのが分かります。
分かりますって言うか、自分らのことだからあれだけど。笑
右側が主に僕の弾いてる音だと思います。
そんな風にも聴き遊べると言うか、それが言いたかっただけです。はい。
そして、56秒~1分7秒にも同じように出てきます。
最後また、3:19~も出てきます。
そして3分31秒からは、新しいリフが登場して、速度を増してテンション・マックスで曲が締まります。
個人的に、この曲に出てくるリフはどれも、特に気に入ってるリフの一つです。
ちなみに、サビの後ろでうっすらとピアノ・フレーズがリフレインしているのですが、
これもリフと呼べなくもないかもしれませんね。
聴き取りづらい方は、イヤホンで右側だけで聴いてみると、分かり易いですよ。

なお、tradladの他の楽曲の視聴は、各種サブスクでもご視聴可能です。
こちらのYoutubeが自動生成しているトピックの方でも聴くことができます↓

https://www.youtube.com/channel/UC9TNkPLqa9YNVW4ASFzb0Qw/featured

※tradladの上記の二曲を含むアルバムをはじめ、CDをお求めの方は、
こちらからお問い合わせください→ 坂上智守ホームページ内 CONTACT

また、一つのリフ(フレーズ)だけをずっと繰り返すことで構成される様な曲もあります。
例えば、インストの短い曲ですが、
筆者の別プロジェクト、Strange Focus(ストレンジ フォーカス)のこれとか。はじめから最後まで、ピアノの同じフレーズを、ずっと繰り返しています。

Strange Focus/Rainy day


【開幕・第一回目の受賞曲発表】

さて、リフとは何かを、ざっくりとお分かりいただけたかと思います。
なお、審査基準に関しましては、ジャンルも年代も一切問いません
また、本企画において、ノミネート、という観点もございません。
楽曲同士を競わせることが目的ではないからです。
前置きが長くなりました。
ではいきましょう。
記念すべき第一回目の受賞作は、

METALLICA / Seek & Destroy
(メタリカ/シーク アンド デストロイ)

Yes!!!
来ました。
make Music Metal again! です。

抑えられませんでした。情熱と独断と押し付けを。

超えてしまいました。自制と破戒の境界を。

この企画の名前から、既にバレバレだったよーという方々にとっては、
やはりといったところでしょうか。
みんな大好きMETALLICA(メタリカ)の、
1983年(日本では1984年)発売、
1stアルバム「KILL ‘EM ALL(キル エム オール)」収録曲(9曲目)ですね。
もうここはね、引っ張ってもしょうがないでしょう。
あとに取っておけば置くほど、さむい気もします。
素直に、一発目でのご登場を賜りました。
これに関してはね、もう圧巻の、というかリフといえば、METALLICAの受賞に対して異論は無いでしょう。
あっても受け付けません。僕の情熱がそれを焼き尽くしてしまうでしょう。
何せ、MAKE・MUSIC・METAL・AGAIN!!!
MMMA!!! なのですから。

⚡️⚡️受賞曲解説⚡️⚡️

さて、ここからは本企画の中核へと、いよいよ入って参りましょう。

この曲の中には、複数のリフが出てきます。
冒頭のリフはもちろん、一箇所にしか登場しないリフもあります。
現在のメタリカが得意としている、一曲の中で数種類のリフを登場させて、
それを巧みなコードワークと、曲展開の中でしっかりまとめ上げる名人芸の一端が、
もうすでにこの、1stアルバムの中で何曲も見つけられるんですね。
因みにリフの難易度としては、そんなに高い方ではなく、リズムや手元のニュアンス等の話を脇において言うならば、初級~中級くらいでしょうか。
人にもよると思いますが、初心者でも毎日一生懸命練習すれば、数週間で弾けるようになるレベルだと思います。

主だったリフは、開放弦を軸にうまく構成されていて、リフ作りの基本とでもいいましょうか、ひとつの王道パターンで構成されています。
恐らくメタリカが、この王道パターンを生み出し、定着させ、広めた「代表的なバンドのひとつ」であることは間違い無く、それだけでも、第一回の受賞者にふさわしいことが分かります。

この曲は、冒頭から曲の終わりまで、ほぼ全編リフで構成されているところがポイントです。
開始1秒から27秒まで、最初のリフが繰り返されます。
これがこの曲のメイン・リフと言ってもいいのではないかと思われます。
29秒~55秒に登場する二つ目のリフ、こちらもまた、メイン・リフと呼んで差し支えないでしょう。
56秒からは、それが簡略化したバージョンのリフへと変化します。
これは、いよいよ歌が入って来る準備の様なフリにもなっているし、
ボーカル・ギター(筆者はボーカル・ギターです)の観点からすると、まず思い浮かぶのは、
「歌いながら弾き易い」という点と、
「歌のメロディとぶつからない様にするため」という、
二つの目的があげられると思います。
以上の三つのリフは、どれも開放弦をうまく利用していて、リフに弾きやすさと、どっしりとした安定感を付与することに成功しています。
この、開放弦を基軸に作られるタイプのリフは、以降も(もちろん以前も)様々なバンド・アーティストによって産み出されていきますが、
60年代~70年代は、ファズやディストーションといった、謂わゆる歪み系エフェクターが、どんどん改良され進化していった時代でした。
そして70年代~80年代には、マーシャルのアンプを改造したり、そこにRATなどのハイゲイン(すごく歪む)なエフェクターで、足りない分のゲイン(歪み)量を稼ぐ、ロックやメタル系のギタリストも多かった様です。
段々とロック、及びエレクトリック・ギターの世界での、歪みの解釈及び、その表現方法が多様化し、より激しく歪んだサウンドを求めるギタリストが、どんどん増えて行ったのもこの時代です。
この頃のジェイムズ(メタリカのボーカル・ギター。主にリズムギター担当)も、そのようなサウンドメイクをしていたんじゃないかと思われます。
さて、ゲイン量が稼げるようになってきたことで、いわゆる、低音のズンズン・ザクザクした音が、段々と熟成され始める時代に入ったわけです。
今日における、心地よい歪みの響き、トーンは、こうした黎明期を経て、人類に享受されているわけです。
そういう流れが、開放弦を多用するリフを量産する原因になったかどうか、は分からないですが、音質や歪み量の観点からすると、無視できないポイントではないかと思われます。
また、プレイ・スタイルや運指、ストロークなどの、楽器を弾く上での技術的、及びフィジカル面からの観点から見ると、また違った考察もできるかもしれません。
いずれにせよ、機材の進化の歴史と、産み出される作品との間には、相互補完的な部分があることは間違いないわけで、そんな風に妄想しながら音楽を聴いてみるのも、一興かと思います。

ちなみに、3分10秒から唐突に曲が展開し始めて、今までのどっしりとした曲調やリフのイメージとは一転、彼らの真骨頂であるスラッシュ・メタルの王者たる鋭いリフが展開されていきます。
その流れでソロへと突入し、ソロの着地点では、冒頭のリフへと帰着し、曲がまた最初から始まったかのような様相を呈します。
5分49秒からは、また新たなリフが登場しますが、これまでのリフの骨組みをうまく踏襲しており、違和感なく自然な流れで、ここらへんの展開はまさに、スラッシュ・メタルの常套句、、、いや、あえてここは、スラッシュ・メタルの『流儀』と呼ぶことにいたしましょう。
6分16秒からは、曲中最も重心の低いリフが登場し、6分43秒にちょっとしたスパイスを挟み、6分54秒、最後の重い一撃で、このスラッシュ・メタル流リフの教科書(基本編メタリカver.)は締めくくられます。

はい、お腹いっぱい。

しかし、胸焼けや胃の不快感は皆無です。

リフの中にも前菜・副菜、メインディッシュといった、曲中でのそれぞれの役割があっておもしろいですね。
さらに興味深いのは、曲のどの場面に登場するかによって、前菜だったものがメインに聴こえたり、メイン級だったフレーズが、少し変化するだけで副菜に変化した様に聴こえたり、中にはオブリ(オブリガード。助奏のこと。主旋律を引き立てるための短いフレーズのこと)的な立ち回りで歌メロと並走したりと、リフの世界は本当に奥が深いです。

そして、全俺的な基準の一つに、『弾いてて楽しいかどうか』という基準点もあるのですが、これはケース・バイ・ケースで、審査に反映させていこうかなと思います。
今回の受賞曲の場合、イントロからアウトロまで、その点でも好印象を維持していると思われます。
言うまでもなくこれは、へなちょこギタリスト代表筆者の、個人的基準を基にしていますが、この、弾いてて楽しい、という点はけっこう大きなポイントです。

因みに、現在のメタリカの、公式の最新動画はこちらです。

アコースティックから始まるオンラインライブの様ですね。2003年に加入したトゥルジロも、今ではすっかりバンドに馴染んでるみたいだし、皆さん流石の貫禄を感じます。
メタリカの伝説のあの名演、S&M(シンフォニー アンド メタリカ)を思い出しました。あのオープニングは鳥肌ものです。


【閉幕】

さあ、第一回のリフ・エム・オールも、早くも閉幕となります。
皆さん、いかがでしたでしょうか。
あなたの推しが、いつ出て来るか分かりませんよ。
次回開催は予定しておりますが、不定期でやって参りたいと思います。
楽しんでいただける方は、今後とも、何卒、お付き合いいただけると、ありがたく存じます。

なお、本受賞により、
『METALLICA/Seek & Destroy』の、『全俺的・リフの殿堂』入りが、(勝手に)決定いたしました。
さらに、メタリカのジェイムズ・ヘットフィールド氏には、
【全俺認定】特級リフ・マスターの称号 が送られます。
皆様、今後も、METALLICAの動向(GRJ、グレート・リフ・ジャーニー)にpay attention to(注目)です!
ではまた、次回の受賞式でお会いしましょう!

JUST・RIFF・IT !!!
DON’T・PUSH・IT !!!


いいなと思ったら応援しよう!