スキーガイド実践マニュアル3 ! 技術指導編
この記事は登山とスキー好きな貴方がスキー
ガイドを目指すために必要な知識を学ぶスト
ーリーです。一般愛好家にも役立ちます。
私の信念はガイドを増やすことで地球環境の
保全を実現する事です
「スキーガイド実践マニュアル3!技術指導編」
<目次>
1技術指導について
2滑走ラインの取り方指導
3安全に方向を変換する技術の指導
4転倒率を低くするための技術指導
5悪雪時・悪条件時の技術指導
6疲労を低減するための技術指導
7その他必要な技術指導
1技術指導について
(解説)
スキーガイドの業務として、一番困るのは
参加者の秘術レベルが低いことです
技術レベルが低いほど転倒が多く危険です
さらに滑走時間が長いためその分リスクが
高まります
そこでスキーガイドはそのような参加者に
対し技術指導しながら案内するようになり
ます
技術指導の能力がスキーガイドの評価を左
右します
スキー指導者やコーチなどはその部分にす
ぐれているため有利となります
<ガイドが行う7つの技術指導>
1登りをスムースに行うための技術指導
2滑走ライン(どこを滑ると安全か)の作戦
指導
3安全に方向を変換する技術の指導
4転倒率を低くするための技術指導
5悪雪時・悪条件化でターンを容易にするため
の技術指導
6疲労を低減するための技術指導
7その他必要な技術指導
<実践的なアドバイス>
1登りをスムースに行うための技術指導
(主に登りを容易に疲れずにするための技
術指導です)
□適切なルートを指示する
(斜度が急斜面過ぎないか?)
□正しい歩行運動を指示する
(足の運び屋置き方は適切か?)
□正しいストックの使い方を指示する
(ストックの付く位置は適切か?)
□正しい歩幅のスタンスを指示する
(コマタで歩かせる)
□正しいペース配分を指示する
(疲労度に応じた休憩)
□シール装着時の重心バランスの指導
(重心バランスが良いか?)
□ラッセル時の脚部の運動方法の指導
(無駄な動きがないか?)
(スノーシュー歩行)
・装着方法の指導
・スタンスの指導
・レールウォーク意識の指導
・登りの指導(ヒールアップ)
・下りの指導 (トウアップ)
・堅雪やアイスバーン時の注意点
2滑走ラインの取り方指導
(どこを滑ると安全に楽しめるか)の指導
□スタート地点とゴール地点の指示の明確な
指示 (目標物の設定)
□滑走ラインの指導・ルートファインディ
ング(回転弧・スピード・リズム)
□その区間の危険箇所の伝達 (回避方法)
□参加者のレベルに合った滑走ラインのイメ
ージトレーニング指導(シュミレーション)
3安全に方向を変換する技術の指導
(特に危険な箇所や状態で方向を変換しなけれ
ばならない時に必要な技術指導)
□踏み変えによる方向変換
□キックターンによる方法変換
□腰をおろした(転倒スタイル)による方向
変換
□ジャンプターンによる方向変換
□その場所やシュチュエーションではどの
方向変換技術が適切かの指導
<おまけ1>
技術上達のためのスキーコーチの着眼点
(スキーコーチはお客様のどこをみているか?)
・視線
(スキーヤーがどこを見て滑っているか)
すべての情報は目から入手します
その情報を元に次の状況を予測し、それに適
した行動や技術を開始します
ですから視線(目線)が重要です
・現状のバランス幅 (バランス能力)
現状の姿勢やバランスで「転びやすいか?」
「転びづらいか?」が分かります
さらに運動出来るかが見極められます
(現状のバランスが不安定な状態で新たな技術
を指導しても出来る訳がありません)
・バランス調整力 (バランス適応能力)
バックカントリーやゲレンデにおいて雪質や
斜度・地形は絶えず変化します
そのためバランスはそれに合わせて調整して
いく必要があります
その調整は主に体全体の関節で調整します
要は素早くそのバランスに合わせて関節を動
かせるか?に着眼します
4転倒率を低くするための技術指導
(転倒率を低くするために必要な事はバランス
能力向上と滑走技術の習得です)
●「なぜ、参加者は転ぶのか?」
(転倒のメカニズムを理解し、それを回避する
ためのアドバイスをします)
A 自己判断転倒
・危険箇所突入や衝突の可能性が大きくなり
それを回避するために自ら転倒する
(ブレーキとなる)
・滑走中アンバランスとなり、そのまま進行
すると大きな転倒(クラッシュ)となる
可能性があるためその前に、自ら転倒する
(安全な姿勢で転ぶ)
想定内の転倒
B バランスの乱れによる転倒
・何んらかの誘引(急ブレーキ、障害物、)
によりバランスを崩して転倒する
想定外の転倒
・技術不足によるバランスを確保出来ずに転
倒する
(急斜面・悪雪・悪条件・起伏など)
想定内の転倒
●転倒率を低くするための技術指導
□ Aの自己判断による転倒では出来るだけ
安全な転び方を指導し
イメージトレーニングしておく
・スキー おしりを左右斜めに移動し、
両手を上げて顎を引く
・スノボ フロントサイドではヘッド
スライディングのように
(膝関節を曲げる)
バックサイドでは視線を転ぶ方向に向
け顎を引く
・テレマーク 新雪・深雪時においては勇
気を出し、斜め前方に回転
するように転ぶ
□ Bの想定外のバランスの乱れによる転倒
率を低くするためには
「出来るだけ想定外の情報を伝達してお
く」事が重要である
スキーガイドの能力となる
□ Bの想定内の転倒については日頃のトレ
ーニングや経験に左右される
スキーガイドとしてはいかにツアー前に
練習させるか、自分の技術レベルを把握
させることができるか?が重要となる
5悪雪時・悪条件時の技術指導
(特に技術レベル、経験レベルが低い参加者
においてはアドバイスする必要がある)
●悪雪時におけるターン技術の指導
(あくまでも参加者のレベルを把握し、最も効
果的な技術をアドバイスします)
※実技的な指導となるので詳しいことは省略
します
・スキー
□山開きシュテムターン
□谷開きシュテムターン
□山開きシュテムウムシュタイク
(踏み変えターン)
□ジャンプターン
(テール・トップ・全体)
・スノボ
□ズレの少ないターン
□ジャンプターン (テール・全体)
・テレマーク
□山開きシュテムターン
□谷開きシュテムターン
□山開きシュテムウムシュタイク
(踏み変えターン)
□ジャンプターン
(テール・トップ・全体)
☆スキーガイドとして重要なのは
1参加者のレベルを見分けられる事
2そのレベルに合った技術を見せられること
(真似させられること)
3真似しやすいようなアドバイスをすること
4体でその表現が出来ること
5言葉による表現ができること
6疲労を低減するための技術指導
(技術的に優れた参加者においても疲労が大
きくなるとリスクが増大します)
☆「疲労の原因」
・そもそも筋力や体力がない
・装備の重量が大きい
・寒さや暑さによる体力の消耗
・エネルギー・水分不足による消耗
・技術にムダが多いための体力的な消耗
・メンタル的な不安による疲労
●ガイドが行う、疲労を低減するための技術指導
□参加者の筋力・体力・年齢に合わせたルート
と時間設定
□装備の重量の確認と減らす努力
□参加者の体温調整アドバイス
(レイヤリング)
□エネルギー・水分補給の指示
□技術的における効率のアドバイス
□リラックスさせる
(不安を少なくさせるトーク)
7その他必要な技術指導
(現実的な課題と技術指導)
その他必要な技術指導についてはセンスや
メンタル的な指導が必要となります
センスとはトータル的(多面的)な状況
判断を行うために必要な能力です
参加者は大きく分けて3つに分類されます
・センスがある人
・普通の人
・センスがない人
ガイドは参加者のリスク管理する際、その
参加者はどれか見極める事が必要となり
そのセンスに合わせた指導やアドバイスが
必要です
特に重要なのは
「だいたい、アクシデントを引き起こすのは
センスがない人」が多いです
「アドバイスが理解できない、上達が遅い人
はセンスがない人」です
よってスキーガイドは「センスがない人に
偏って管理する必要が出る」
☆重要
そもそもセンスがない人がお客様です
(まとめ)
・現実的には滑走技術の指導やアドバイスを
提供しても「上達やマスターは見込めない」
(マスターするためにはバランス経験をたく
さん反復する必要があります)
・現実的にはツアー中、技術指導や「アドバ
イスしている時間がない」
・現実的には複数の参加者に対しアドバイス
するため、個人個人では
「ほとんど効果が低い」
・現実的にはツアー中、参加者のセンスを向上
させる事は限りなく不可能です
(センスは幼少期に形成される)
<おまけ2> 上達のためのレッスンの実例
(スキーコーチはどのようにレッスンを組み立
てるのか?)
1参加者の技術レベルをチェック
⇓
2最も必要な技術目標を設定
⇓
3デモンストレーション
(やってみせる) アドバイス
⇓
4 部分的にトライさせる
⇓
5トータル的に完成させる
(斜度・スピード・リズム変化・長い距離)
⇓
6 反復練習
(楽しみながら、滑走料を多くする)
⇓
7 ややマスター
⇓
新たな目標設定
★スキーガイドでの留意点
・あくまでも滑ることよりは降りることを優先する
・スピードよりは安定性
・流行よりは基礎技術
E N D
・・Just Do It・・
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