コラム パッケージツアーとガイドレシオ
この記事を読むことで未来のガイドビジネスの
ヒントが得られることを願い公開します
今回はパッケージツアーとガイドと顧客の人数
比率の関係について記載したいと思います
コラム 「パッケージツアーとガイドレシオ」
●現在の状況について
現在、コロナの影響で旅行業界やガイド業界が
大きく変革している状況です
旅行会社が主催するバスツアーはほとんど企画と
運営を休止している状態です
原因としてはもちろんコロナの感染ですが
パッケージツアーでは不特定多数の募集で不特
定多数が参加するということと、移動手段のバス
が3蜜となる可能性が高いなどがあげられます
山小屋営業についても同様で3蜜を避けるために
収容人数を大幅に少なくせざる得ない状況です
よってそれは宿泊料金に加算されます
何よりも緊急事態宣言やまん延防止等重点措置で
外出の自粛を求められてる事が大きな理由です
ガイドもそうですが、旅行会社、山小屋、宿泊
施設は依然大ピンチです
●パッケージツアーの貢献
今回はこのピンチの解決策は置いといて、まずは
これまで登山業界に多大なる貢献をしてきた旅行
会社のツアー登山(私はパッケージツアーと呼ん
でいる)について書き込みます
国内の登山者においてパッケージツアーは、登山
者と、ガイドにとって非常にありがたい存在でし
た。
まずはガイドにとっては仕事が増えたという
事です
ツアー参加者のメリット(人気の秘密)は
・都心から登山口まで全てバス移動なので非常に
便利(楽ちん)である
・登りのルートと下りのルートを変えても、そこ
にはバスが回り込んで待っていてくれる
(自家用車の場合は不可能)
・ガイドが同行する事で、安全管理がよくなった
ガイドが同行する事で技術的な指導が受けら
れる(登山教室)
・個人では面倒くさい山小屋の予約や交通の手配
をしなくて済む
・個人旅行に比べやや低料金で楽しめる
・参加者どおしのお友達ができる
(SNSで情報交換が楽しめる)
などの理由があります
「これまでの旅行業界には敬意を表します」
●ガイドレシオについて
ガイドレシオとはガイド対顧客の人数比の事です
ガイド1名に対し、顧客は何人なのか?
という事です
ひと昔まえはガイドレシオによる規定(目安)は
ありませんでした
現在でもツアー参加者40名に対しガイドが一人
だけというツアーもあれば
きちんとガイド1名に対し顧客は15名までです
もし15名を超えた場合はガイドが2名となりま
す。という旅行会社も存在します
(旅行会社にとってはガイドレシオの数が多いほ
どガイドを依頼しなくて済むので利益が出ます)
ガイド組織側の視点からでは、もちろん安全管理
面のリスクを出来るだけ小さくするためにレシオ
数を低く抑えたいと思っています
実はパッケージツアーにおいてはガイド組織が定
めたレシオと旅行会社が定めたレシオが違います
ここが大きな問題です
(もちろんレシオについては守っていただきたい
のですが現状では守らなくても罰則はほぼ
ありません)
「ガイドレシオについては業界の利権が関係する」
一方で近年は個人ガイド(パーソナルガイド)
個人が直接ガイド依頼するカスタム型の形態が
増えてきました
コロナによりこの形態は加速されました
今後は主流となると思います
私は長年、個人ガイドを中心に活動してきました
最近は個人ガイドという言葉も認知され若手の
ガイドも個人ガイド中心の方が増えました
そこで今回の記事の本題は
ガイド1名に対し顧客数でサービス的な受益が
どのくらい違うのかということを数字で表したい
と思います
参加者を22名まで記載した理由は、現状で観光
バス(中型車) の定員が25名であり、内添乗員
1名、ガイド1名が乗車し催行するケースが多いか
らです
<ガイドと参加者の総体指数>
●安全管理
ガイドが行動中で顧客の安全管理する度合い(%)
(ガイドが安全のために費やす行動)
ガイド1:参加者1 100% とした場合(基準)
ガイド1:参加者2 50%
ガイド1:参加者3 33%
ガイド1:参加者4 25%
ガイド1:参加者5 20%
ガイド1:参加者6 16%
ガイド1:参加者7 14%
ガイド1:参加者8 12%
ガイド1:参加者9 11%
ガイド1:参加者10 10%
ガイド1:参加者11 9%
ガイド1:参加者12 8%
ガイド1:参加者13 7%
ガイド1:参加者14 7%
ガイド1:参加者15 6%
ガイド1:参加者22 4%
(解説)
ガイドは顧客が1名の場合、その顧客に対し100%
で対応できるが10名となると10%(10分の1)と
なる
●サービス時間
サービス時間とは自然解説や雑談、お世話など
要するに、お客様がかまってもらえる時間の事
(仲良くなれる持ち時間)
ツアー行動時間を7時間とする場合
ガイド1:参加者1 420分 (独占)
ガイド1:参加者2 210分
ガイド1:参加者3 138分
ガイド1:参加者4 105分
ガイド1:参加者5 84分
ガイド1:参加者6 70分
ガイド1:参加者7 60分
ガイド1:参加者8 52分
ガイド1:参加者9 46分
ガイド1:参加者10 42分
ガイド1:参加者11 38分
ガイド1:参加者12 35分
ガイド1:参加者13 32分
ガイド1:参加者14 30分
ガイド1:参加者15 28分
ガイド1:参加者22 19分
(解説)
ガイドが自分のために用意してくれる時間は
2名で210分 15名になると28分しかない
かまってもらえる時間が多いほど、仲良く
なれるチャンスは大きい
●ガイド料金と価値及び価格の差
料金とはガイド料を3万円とした場合の一人が
支払う金額
価値とは参加者22名を1とした場合の数値
(ガイド1名に対しての対価とサービス受容度合)
料金(3万円) 価値(円)と価格
ガイド1:参加者1 30,000 22倍
ガイド1:参加者2 15,000 11倍
ガイド1:参加者3 10,000 7倍
ガイド1:参加者4 7,500 7倍
ガイド1:参加者5 6,000 5,5倍
ガイド1:参加者6 5,000 3.6倍
ガイド1:参加者7 4,280 3.1倍
ガイド1:参加者8 3,750 2.7倍
ガイド1:参加者9 3,333 2.4倍
ガイド1:参加者10 3,000 2.2倍
ガイド1:参加者11 2,722 2.0倍
ガイド1:参加者12 2,500 1.8倍
ガイド1:参加者13 2,307 1.6倍
ガイド1:参加者14 2,142 1.5倍
ガイド1:参加者15 2,000 1.4倍
ガイド1:参加者22 1,363 (基準) 1倍
●まとめ(解説」
1:1 28,637円の支払い額で価値は 22倍
1:2 13,637円の支払い差額で価値は11倍
1:3 8,637円の支払い差額で価値は 7倍
1:4 6,137円の支払い差額で価値は 7倍
1:5 4,637円の支払い差額で価値は5.5倍
1:6 3,637円の支払い差額で価値は3.6倍
1:7 2,837円の支払い差額で価値は3.1倍
1:8 2,387円の支払い差額で価値は 2.7倍
1:9 1,970円の支払い差額で価値は 2.4倍
1:10 1,637円の支払い差額で価値は 2.2倍
1:11 637円の支払い差額で価値は 1.4倍
<結論>
ザックリですが
「パーソナルガイドはパッケージツアーに比べに
約10倍得します」
・・支払う料金は2倍程度高額になるだけです・・
<現実的な留意点>
・安全管理においては人数が少ないほど「リスクの
数値」は低い
・安全管理においては人数が少ないほど「対応や
手当を厚く」してもらえる
・もし搬送すべき人が「2名いた場合はすでに無理」
である
・かまってもらう時間においては現実的には
「トイレやその他の対応時間」は含まれていない
・かまってもらう時間においては
「全体的にかまってもらう時間」と「個人的にか
まってもらう時間」の2つがある
さらに個人的にかまってもらう事に対し、ライ
バルが存在する(平等にはいかない)
・人数が少ない(ライバルが少ない)ほど,交流チャ
ンスは大きい(仲良くなれる)
・交流チャンスするには「勇気がいる」
(個人能力で差がでる)
◇これを回避します。
「いつも遅れて来るお客さをあなたは怒らず
待てますか?」
「興味がないおみやげ屋さんに毎回連れて行かれ
てたのしいですか?」
「誰かが極端に遅れてもあなたは待てますか?」
「一人にアクシデントが発生した場合、あなた
は許せますか?」
「もし、あなたにアクシデントが発生した場合、
どうしますか?」
「料金をしはらっているのに、自分が聞きたい
ことがあっても聞けなくても良いですか?」
「パッケージツアーが存在するのはアジア諸国
だけである。」(欧米では存在しない)
「参加者に嫌な感じの人がいても我慢しますか」
「あなたは料金を支払いながらも気を使う
旅行はお好きですか?」
●パッケージツアーにおける他のリスク
・ツアー申し込みの際の催行キャンセルリスク
(申し込んだが参加者が集まらないので中止に
なるリスク)
例 3ヶ月前からツアーに申し込んだが参加者が
集まらずキャンセルとなった
無理してスケジュール調整したのが無駄になる
・添乗員さんの能力リスク
(添乗員さんに信頼が置けない・仕事が出来ない
可能性があるリスク)
例 当日集合したら頼りない添乗員さんだった
インフォメーションする内容が理解しづらい
・同行者における不満リスク
(いつも集合時間を守らず、皆に迷惑をかける人
がいる数値)
例 いつも同じ人が集合時間必ず遅れる、まとも
な人はその時間絶えず、待たされる
・同行者の体力的な問題リスク
(同行者の体力的な問題でペースが大幅に遅れる)
例 どう見ても体力がない人がグループに
入っている
ガイドがその人にペースを合わせるので、
まともな人は「イライラ」する
・同行者の精神的問題リスク
(同行者に嫌な人がいて、自分のメンタル的に害
を及ぼすリスク
例 同行者で理解力や経験が少なく、行動が理解
できない
まともな人はその人に振り回させられる
・ガイドサービス量の問題リスク
(ある特定の参加者のために、1人が受けられる
サービス料が減るリスク)
例 身体的やメンタル的に問題がある人が同行
すると、ガイドや添乗員さんはつきっきりに
なる
その分、他の人のサービスを受ける事が少な
くなってしまう
・行程が乱されるリスク
(絶えず、あおられるリスク)
例 身体的やメンタル的に問題がある人が同行す
ると、ガイドや添乗員さんはつきっきりに
なる。その分、スケジュールが大幅に遅れ
たり、狂ってしまう
「個人ガイドと比較して このようなリスクが
想定されます」
それでも「あなたはパッケージツアーにしますか?
●最後に
振り返ると旅行会社様に申し訳けないような
記事となってしまいました
「本当に申し訳けございません!」
コロナが収束するまではとにかく登山者を減ら
さない事が優先です
できれば個人ガイドにおいても交通機関や宿泊
は旅行会社を経由し申し込んでいただきたいと
思います
そうする事で、手数料が旅行会社に入金されます
何とかみんなでコロナを乗り切る事が重要です
ありがとうございました
「最後までお読み頂きありがとうございます」
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優良な記事を書くためのモチベーションや取材に
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「スキだけでも大感謝です!」
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