スキーガイドマニュアル! ナビ・安全管理編
この記事は登山とスキー好きな貴方がスキー
ガイドを目指すために必要な知識を学ぶスト
ーリーです。一般愛好家にも役立ちます。
私の信念はガイドを増やすことで地球環境の
保全を実現する事です
「スキーガイドマニュアル2!」
ナビ・安全管理編
<目次>
1 準備運動と装着
2 ナビゲーション
3 安全管理
1 準備運動と装着
(解説)
夏季シーズンの登山と比較し、冬季シーズン
は外気の温度が違います
さらに滑走からスタートする際は体調的リス
クが高まります
そこで十分な準備運動が必要となります
又、寒かったり風が強い場所における用具の
装着において時間がかかりすぎる場合も、大
幅にリスクが向上します
これらを解決するための方法を紹介します
<準備運動について>
・ウォームUPの役目
「血流を上げる、(暖気する事)」と
「関節の可動域」を広げる事が大きな目的
となります
ガイドとして、そのことを参加者に伝える
事が大事です
・運動方法
基本的には筋肉をゆっくり伸ばす、ストレ
ッチ運動が効果的です
この際は軽く反動をつけても構いません
・負傷箇所が多い部位は念入りに
負傷箇所が多い場所は必ず取り入れまし
ょう
(上腕部・手首・ふくろ剥ぎ・ハムストリ
ング・内もも内転筋・アキレス腱・足首)
・関節回しに注意
最新のスポーツ医学では肩関節・首間接
足首間接の回し過ぎはスポーツ外傷と
なりやすので、ほどほどにしましょう。
・深呼吸を忘れずに
メンタル的なストレスや不安を少なくす
るために、ゆっくりとした深呼吸を行い
ましょう
<装着>
例えば、スノーシュー・アイゼン・シール・
スキーバインディングなどです
・しっかりと装着方法をお伝えしましょう
(できれば事前に暖かい場所でシュミレーシ
ョンすることが望ましい)
・ガイドが積極的にサポート(助け)しまし
ょう
特に慣れない方は、雪面がフラット出ない場
所等では装着にかなり時間がかかります
ただ指示や、伝達するだけでは解決しません
ので、積極的に履かせて上げましょう
又、ベテランの方へは協力していただくよう
お願いしましょう
★重要
滑り出しは装着チェックを忘れずに!
自分でうまく装着出来たとしても、雪がつ
いていたり、締め付けが甘かったりします
滑りはじめについては必ずガイドが装着状
態をチェックしOKの合図を出しましょう
2 ナビゲーション
(解説)
ここでいうナビゲーションとは目的地まで安
全に案内する(導く)という事になります
ナビゲーションは2つに分かれます。
登行と滑走です。
<登行のナビゲーション>
特にバックカントリーについてはスキー場の
リフトやゴンドラを利用し、そこを起点とし
ます
地形図上に明確に記載されていることがほと
んどなので、その場所を明確に位置確認しま
しょう
その後は通常の積雪期の登山と基本的には同
じになります
天候が優れている時は、明確な目標物やラン
ドマークを見極め、地形図上で現在位置を確
認しましょう
(2万5千分の1の地形図とコンパスが必要です)
<滑走のナビゲーション>
滑走におけるナビゲーションとしては、まずは
そのルートの大まかなイメージを持つことが重
要です
そのためにはあらかじめ地形図上に滑走ライン
を書き込んで置く必要があります
●滑走ラインの書き込みの際の留意点
・崖・急斜面などの危険箇所がないか?
・その参加者に適した斜度か?
・明確な位置確認がしやすいルートか?
●行動
・地形図上で地形を読みとり、イメージトレ
ーニングしておきましょう
・現地においては絶えず整地し位置確認を徹
底しましょう(クロスベアリング)
・ホワイトアウト時ではコンパスを用いて地
形図上でしっかりと進行方向をセッティン
グしましょう
・慣れたルートにおいては特に「思い込み」
に注意しましょう。
・効果的にGPSを活用しましょう
●私、今どこにいるの?(現在地を知る)
①地図上で判断できる2箇所以上の目標物
を見つける
②身体の正面に持ったコンパスのプレートの
矢印を目標物を向ける
③角度が分かったら地図上で磁北線とリング
内の線を平行に合わせ、目標物からの平行
線を引く
④別の目標も同様に確認し、地図上に引いた
線の交点が現在地
●ここに行きたいんですけど?
(目的の方向を知る)
① 地形図上の現在地を磁針の中心に、目的地
をプレート矢印で定める
(または、現在地と目的地をコンパスの
長編で結ぶ)
② 地形図の位置~地形図と磁北を合わせる
③ コンパスを胸の前に持ち、身体を回転させ
て磁北と磁針を合わせる
④ 身体の正面(プレートの矢印)が目的地
進行方向
●ホワイトアウトナビゲーション
未知の場所へ踏み込んだ時、または、ホワイ
トアウト等の条件により、コンパスと地形図
を使って進まなければならないときに必要と
なります
また、この技術を習得することは、大きな自
信となります
<ポイント>
① ベアリング
コンパスを使用し、二点間の目標物の角度
を計測すること
② ホワイトアウトナビゲーション
ベアリングにより、算出した角度と地形図
から得られる目標物までの距離の情報をも
とに進行方向を決め、そのポイントごとに
進んでいく方法
<テクニック>
① 地形図に磁北線を引いておく(4cmピッチ)
② 地形図上にルート上のポイントを書き込む
③ そのポイントを直線で結ぶ
④ コンパスで方位を調べる
⑤ 地形図をその方位とだいたい合わせる
⑥ 地形図上で目標物までのだいたいの距離を
コンパス定規で測る
⑦ 目標物やポイントを目で確認する
⑧ 地形図上で現在地から目的地に向けコンパス
のフチを当てる
⑨ コンパスのリングを回して磁北線とコンパス
の赤い針を重ねる(もしくは、平行にする)
⑩ コンパスの赤い針とリングに表示されている
矢印重ねる
⑪ コンパス前方の矢印が指す方向がポイントや
目的地の方向となる
★重要
スキーガイドにとってGPSの所持は当たり前です
3 安全管理
(解説)
スキーガイドにおける安全管理は基本的には
登山ガイドと同じです
ただし、冬山においては危険度が数倍向上し
ます
ガイドはその事を理解する必要があります
このレポートでは特に冬山においてのアクシ
デントを回避するための内容を紹介します
<スキーガイドの安全管理チェック>
A参加者自身の体調を管理する
□疲労
こまめな休憩(ガイドの観察)
□低体温症
ガイドのアドバイス(冷やさない努力)
□凍傷
風と濡れに注意
(絶えず動かせる。声がけをする)
□装備の重量
分担する・過度な重量は控える
(ガイドがチェックする)
B自然条件におけるリスクを管理する
□雪庇
地形を読み取り想定する
(近づけさせない)
□見えない岩
地形や雪質を想定し(注意がけをする)
□樹木・ブッシュ
(注意がけをする)
□スノーブリッジ・クレパス・ツリーフォ
ール
地形や雪質を想定し(注意がけをする)
□雪質の変化 アドバイスする
□ホワイトアウト 下記記載
C天候等によるリスクを管理する
□天候の急変・強風・雪質の変化
(想定内で準備しておく)
D参加者自身によるリスクを管理する
□自己転倒
(技術指導と滑走ラインのアドバイス)
□滑落
(想定内で準備しておく)
□用具の損傷(破損)
(想定内で準備しておく)
□自己のスキー用具の衝突
(防具、ヘルメット等装着)
E他者におけるリスクを管理する
□他者による衝突
(相手の技術レベルや能力を見極める)
□滑走ラインの妨害
(相手の技術レベルや能力を見極める)
□雪崩誘引
(想定内で準備しておく)
<ホワイトアウト対策>
ホワイトアウトとは、吹雪やガス等でまわり
が真っ白となり、視界が悪くなる事
●ホワイトアウトの予防
天候予測で近づかない
(想定内で準備しておく)
過去の例で近づかない
(想定内で準備しておく)
●ホワイトアウトの対処
素直にGPSを活用する
素直に元のシュプールや足跡を引き返す
<雪崩対策>
●予防
・情報の入手
(天候・現地情報・現地の案内指示・過去の
記録やデータなど)
※現実的には現地の管理者や消防署などのエ
キスパートが正しくないこともよくある
(エキスパートエラー)自分の直感を信じ
て決断する
・テストを行う
周囲の観察
(雪質・解け具合・樹木などの様子・風の
雰囲気など)
弱層テスト (コンプレッションテスト)
⇒ スマホで写真を記録しておく
※現実的には滑る部分ですべてテストを行う
場合、大幅な時間が必要である
一つのゲレンデさえ、数メートル離れる
とデータが違う
やらないよりはやった方が良い
(何かのために記録しておくことが重要)
・危険察知能力をみがく
ホームのエリアにおいては感覚を研ぎ澄ま
せ、データを記録しておくことが重要である
●対処
・発生直前
まずは「アバランチ」と大声を上げ、周囲
に知らせる
とにかく安全な場所はどこか見極めそこへ
マッハで急ぐパニックとならないように呼
吸を意識しながら滑る
(とっさの行動が必要である)
・巻き込まれたら
口と鼻を手で押さえる
(現実的には出来ない)
意識がある場合は鼻や口のまわりの雪を除
雪し、呼吸出来るようにする自力で立ち上
がる
●救助 (もし雪崩を目撃したら)
雪崩発生後ガイドの行動例
1 2秒落ち着く(呼吸する)
2周囲の確認
(二次災害・どこが安全か・再度雪崩は起き
ないか)
3参加者を安全な場所に避難させる
元気な参加者がいる場合
⇒ 1名 救助要請の連絡
(110番 場所と状況)
1名 記録係
(時系列でメモさせる)
(スマホ音声録音)
他 救助チームを結成する
4チームに役目を決める(指示する)
(体系)
後方の観察・確認
◯
◯ ◯ ◯ ◯ ◯ ◯ ◯
プローブ部隊
◯ ◯ ◯
ビーコン部隊
◎ リーダー
(残存品の捜索)
5ビーコンを受信用に切り替える
6ビーコン捜索
7埋没者信号受信 ⇒ プローブ棒で確認
8埋没者掘り出し(スコップ)
9情報入手 (パーティの人数)
10 救命手当 ・意識の確認
・呼吸の確認
・バイタルサインの確認
低体温処置 心肺停止処置 AEDなど
★重要
スピードが勝負(15分以内が決めて)
人数が多いほど有利である
日頃のトレーニングが重要である。
現実的には自分のパーティが遭難した場合
は意味が無い
又、時間が立った場合は「遺体の捜索」と
なる事が多い
E N D
・・Just Do It・・
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