スキーガイド実践マニュアル! 雪崩対策実践編
この記事は登山とスキー好きな貴方がスキー
ガイドを目指すために必要な知識を学ぶスト
ーリーです。一般愛好家にも役立ちます。
私の信念はガイドを増やすことで地球環境の
保全を実現する事です
「スキーガイド実践マニュアル!」
雪崩対策実践編
<目次>
1ルートや地形の分析と決断
2過去のデータからの分析と決断
3当日の気象条件からの分析と決断
4当日の雪質と積雪状況、周囲の観察からの
分析と決断
5歩行中における周囲の観察からの分析と決断
6積雪断面観察(ピット堀り)と決断
7弱層テスト(コンプレッションテスト)から
の分析と決断
8雪崩誘発テストからの分析と決断
(簡易弱層テストと雪崩誘発)
9その他の要因からの分析と決断
10 職業的リスクを回避するために
11 雪崩リスクアセスメントチェック表
12まとめ
1ルートや地形の分析と決断
◇目的
「そのルートにおける雪崩の発生率は高いの
か?低いのか?」を検討する
◆解説
雪崩が発生する場所はある程度限られていま
す。ルート上に下記の内容が含まれているの
か検討する事で雪崩を予測・予防します
<雪崩が発生する地形や場所のチェック>
・アバランチシュートはないか? 💀危険
雪崩地形、そのものを通過する
(滑る、横切る)
・ルート上の上部にアバランチシュートが
ないか? 💀危険
(上部の雪崩発生区から雪崩た雪が体積
される場所ではないか?)
・25°〜30°の斜面はあるのか?
25°〜30°の急斜面そのものを通過する
(滑る、横切る)
・ルート上の上部に25°〜30°の急斜面が
ないか?
(ルート上の上部に25°〜30°の急斜面
の下を通過しないのか?)
・クレパスができていないか? 💀危険
・積雪層の地表はどのような感じか?
(岩盤・ハイマツ・笹やぶ・表土など)
・切り出した林道や車道を通過するのか?
法面の林道や車道そのものを通過する
(滑る、横切る)
(斜度的に25°〜30°以上)
・造成、埋め立てられた林道車道を通過する
のか?
・側面を切り出し、その土砂を埋め立てた林
道や道路ではないのか?
・稜線(雪庇がある場所)を通過するのか?
・ルート上の上部に雪庇がないか?
・沢筋においてその両面に急斜面
(斜度的に25°〜30°以上)はないか?
💀危険
・森林内において部分的に森林がない開けた
急斜面(斜度的に25°〜30°以上)はない
か?
☆アクションプラン
・そもそも雪崩リスクが高い地形ではツアー
を企画しない
・雪崩リスクが高いエリアには近づかない
2過去のデータからの分析と決断
◇目的
「そのルートにおける過去のデータから雪崩
発生の可能性」を検討する
◆解説
雪崩が発生する場所はある程度毎年同じ場所
です 💀危険
「雪崩が発生する場所では毎年発生する」とい
うことです
過去のデータを検討する事で雪崩を予測・予防
します
<過去の雪崩発生データのチェック>
・ネットで情報を集める
(そのルートや斜面で過去の雪崩が発生した
のか調べる)
・役場に聞く
(役場に電話する・問い合わせる)
・警察に聞く
(そのルートや斜面で過去の雪崩事故が発生
したことがあるのか聞き出す)
・地元関係者に聞く
(地元に住んでいる人)
・現地ガイド仲間に問い合わせる
(情報をもらう)
・下見段階で自分の目で確認する
(過去の雪崩の痕跡を探し出す?)
・アバランチシュートぽい場所
・雪崩跡ぽい場所 💀危険
・樹木が倒れている場所 💀危険
・樹林が少なく、そこだけ開けている場所 💀危険
・明らかに崩落したと分かる場所 💀危険
・明らかに埋め立てた場所
☆アクションプラン
・できるだけ複数の方から情報をもらう
(プロフェッショナル・エラーを防ぐため)
3当日の気象条件からの分析と決断
◇目的
「当日の気象条件からその日の雪崩発生の可能
性は高いのか?低いのか?」を検討する
◆解説
当日の気象条件を予測することでそのツアー
が安全に遂行されるか判断します
まずは気象予報を把握し、どのように推移し
ていくのか理解します
<気象予報のチェック>
・天候は安定しているのか?
・爆弾低気圧に発展する可能性はないのか?
💀危険
・暴風警報は出ていないのか?
・雪崩警報は出ていないのか?💀危険
・悪天候になる可能性はないのか?
・降水の可能性はあるのか?
・天候の推移を把握していく
・気圧配置により、数時間後どのようなこと
が予想されるのか?
・冬型なのか?(緩むのか?)
(気温の変化を予想する)
・その日の最高気温は何度か?
・その日の最低気温は何度か?
・出発後気温は低くなるのか?
(上昇していくのか?)
・出発地点とピーク地点ではどのような違い
があるのか?
・どのくらいの風速があると予想されるの
か?
・晴れの場合ルート上の太陽光について
・南向きでよく日が当たるのか?
(雪が溶ける) 💀危険
・北向きで日が当たらないのか?
(雪質の変化が少ない)
・天候による雪質の変化を予測しておく
☆アクションプラン
・しっかりと気象予報を把握しておく
(スマホでチェックする)
4当日の雪質と積雪状況、周囲の観察からの
分析と決断
◇目的
「当日の雪質と積雪状況から雪崩発生の可能性」
を検討する
◆解説
当日の雪質や積雪状況で雪崩発生の可能性は
高いのか、低いのか把握しておく
<雪質のチェック>
・握ってみる
(乾燥雪なのか?湿雪なのか?)
・踏んでみる・歩いてみる
・よく締まっているのか?
(しっかりと跡が付く・キュッ!キュッ!
音が出る)
・乾燥気味なのか?
(足裏に雪が付く、スライドする)
・スライドした場合滑走性が良い
(雪が溶けやすく、滑走性が良い)
💀危険
・どのような雪質なのか?
(湿雪・乾燥雪・ザラメ雪・春雪・クラフ
ト状態など)
<積雪状況のチェック>
・新雪が積もっているのか
(ピーク地点では何センチ積もっているの
か?)
・新雪の場合、どのくらい沈み込むのか?
(滑る場合の新雪量)
・積雪の層はどのようになっているのか?
(ピットを掘る)
︎ 過去の積雪状況はどんな感じか?
(降雪状況を確認する)
・降雪があった日を把握(何日前か?)
・気温が上昇(緩んだ日は何日前か?
・弱層はどの位置にあるのか?(何センチ下か?)
☆アクションプラン
・ピットを掘ってみる
(危険エリアに近い状況でも行う)
5歩行中における周囲の観察からの分析と決断
◇目的
「歩行中における周囲の観察から雪崩発生の可
能性」を検討する
◆解説
歩行中の観察から雪崩発生の可能性は今後高
まるのか、低くなるのか把握しておく
雪質変化や周囲の雰囲気より雪崩発生を予感
するアンテナを張ります
<出発時のチェック>
・屋根の雪が落ち始めているのか?
・氷柱の氷が溶け始めているのか?
(気温が上昇日差しがある場合は落ち始める)
(気温変化が少なく安定気味な場合はない)
<樹林帯でのチェック>
・樹木の枝に付着している雪が落ち始めてい
るのか?
・雪面上でその痕跡が多いのか?
・樹木の幹に付着している雪が落ち始めてい
るのか?
(気温が上昇、日差しがある場合は落ち始
める)
(気温変化が少なく安定気味な場合は少な
い)(風が強い傾向)
<法面や斜面上でのチェック>
・コロコロが多いのか
・雪面上でその痕跡が多いのか?
・コロコロの大きさは大きのか? 💀危険
(気温が上昇、日差しがある場合は多くその
サイズが大きい)
(気温変化が少なく安定気味の場合は少な
い)
・クレパスがあり地表が見えていないか?
💀危険
☆アクションプラン
・絶えず周囲の状況を観察する
(気温の変化や雪質をチェックする)
6積雪断面観察(ピット堀り)と決断
◇目的
「ピットを掘ってその積雪層の状況から雪崩
発生の可能性」を検討する
◆解説
ピットを掘ることにより、より詳しく積雪状
況を把握できる
ただし、雪崩リスクが高い場所に近くないと
意味がない
<積雪層のチェック>
(目視で観察する)
・上部からの雪の層(雪質)を把握する
・弱層がある場合、どこなのか把握する
・ウィークインターフェイス(隣接する層同
士の結合が悪い状態)がないか確認する
どの層がなりうるのか予想する)
(雪の硬さをチェックする)
・指で押してみる
(かた雪の場合はペンなどで応用)
・雪温を計測してみる(雪温計で計測する)
・雪の結晶を観察する(ルーペで観察する)
<決断のポイント>
※この観察においてははっきりとした危険的
な数値は存在しない
弱層(積雪内において、隣接する層よりも
相対的に弱い層の事)と判断されるのは
積雪層の中で上下的に相対的に大きな差が
ある(硬さ・雪温・結晶)場合であると考
えられる
ウィークインターフェイス(隣接する層同
士の結合が悪い状態)と判断される場合にも
積雪層の中で上下的に相対的に大きな差が
ある(硬さ・雪温・結晶)場合であると考え
られる
弱層と思われる箇所から新雪が10cm以上
積もっている場合は雪崩やすい
しまった雪でも弱層と思われる箇所が上部
から40cm以内にある場合は雪崩やすい
かた雪の上に湿雪が積もった状態ではウィー
クインターフェイスが大きい
春先に地表からもっと近い層の雪温が高い
場合、全層的に雪崩やすい
☆アクションプラン
・現実的には計測しても数値に大差がないの
が現状である。ある程度「感」にたよるしか
ない
7弱層テスト(コンプレッションテスト)から
の分析と決断
◇目的
「ピットからブロックを切り出した後、それに
圧力をかけたテストから雪崩発生の可能性」
を検討する
◆解説
雪柱(ブロック状)のものに圧力をかけ、亀
裂の状況や破壊状況から雪崩リスクを予想す
るコンプレッションテストを行うことによりよ
り弱層やウィークインターフェイスがどこな
のか把握する
<コンプレッションテスト>
・JMGA雪の安全管理教本の手順でコンプレッ
ションする
・亀裂がはいった箇所を確認する(弱層)
・亀裂の形状を把握する(横、斜め)
・破壊した場合の箇所を把握する(弱層)
・安定した積雪はどこからか把握する
・ウィークインターフェイス(隣接する層同
士の結合が悪い状態)としてはどの層がな
りうるのか予想する
(スライドして崩れた層)
・ウィークインターフェイス(隣接する層同
士の結合が悪い状態)と予測した場合、横
方向や斜め方向から押してみてスライド特
性を体感しておく
<決断のポイント>
※このテストにおいてははっきりとした危険
的な数値は存在しない
弱層(積雪内において、隣接する層よりも
相対的に弱い層の事)と判断されるのは
崩れた層となるが結合状況により状況はこ
となる
ウィークインターフェイス(隣接する層同
士の結合が悪い状態)と判断される場合にも
積雪層の中で亀裂が入ったり、スライドした
箇所ではあるが、雪温やその場所の気象状況
で度合いが違うことが多い
劇的に上下の雪質が異なる場合危険となる
☆アクションプラン
・現実的にはテストしても状態に大差がない
のが現状である。ある程度「感」にたよる
しかない
8雪崩誘発テストからの分析と決断
(簡易弱層テストと雪崩誘発)
◇目的
「雪崩が発生しそうな場所では自ら雪崩を引
き起こしてその様子を確認する」その後そ
こを通過するかを検討・判断する
もしくはあらかじめ雪崩を起こすことで安全
を確保し通過する
◆解説
「雪崩誘発テスト」とは雪崩が発生しやすい
場所でガイド自らが雪崩を誘発し、その状
況を確認する
(スキー板を装着しジャンプしたり、キック
して圧力をかけてみる)
「簡易弱層テスト」とは限りなく雪崩が発生
しやすい場所で、スコップ等の器具を使わず
自分の手で素早く、雪層を切り出しコンプレ
ッションをかけて、その破壊の様子でリス
クを判断する
とにかく時間をかけずに観察し、判断する
内容である
<雪崩誘発テストの留意点>
・下部に登山者やスキーヤーがいた場合は行
わない
・大量の雪が雪崩そうな場合は行わない
・急斜面の途中では行わない
(山頂付近でしかやってはいけない)
・表層雪崩が発生した場合、その場所を滑り
降りることはできる限り避ける
(ほとんどの表層がなだれ落ちた場合は注
意して通過する)
(できれば他のルートを探す)
・誘発テストを実行する際は参加者を安全な
場所に誘導してから行う
<簡易弱層テストの留意点>
・できるだけ発生しそうなエリアに近い場所
で実施する
・発生しそうなエリアに近づけない場合では
できるだけ条件が似ている場所で実施する
(斜度、太陽光など)
・急斜面の途中では行わない
(山頂付近でしかやってはいけない)
<その他の簡易テスト法>
・プローブをさしながら雪質をチェックしな
がら歩く(ストックでも可)
☆アクションプラン
・雪崩誘発テストではスキーが技術的に高度
なガイドしか行ってはならない
9その他の要因からの分析と決断
◇目的
「雪崩のきっかけ(誘発)が想定される不安
分子を検討し雪崩発生の可能性」を検討する
◆解説
自然現象で発生する雪崩以外にも人的なこと
やその他のきっかけで発生する雪崩があります
その可能性を洗い出し、制御することで安全な
ツアーを遂行します。(把握する)
<自然現象以外での発生のきっかけと予防策>
・滑走ラインや歩行ライン上部に人影はない
か?(特に外国人) 💀危険
(特に新雪の急斜面では、他の登山者や
スキーヤーの影響で雪崩が発生しやすい)
絶えず確認し、いる場合はその下部に立
ち入らない
(自分達が逆の立場にならないように注意)
・歩行ライン上部に人が横切ったシュプール
や歩行跡がないか? 💀危険
(時間が経った場合、そのラインからブ
ロックが切り離され、雪崩となるケース
が多い)
・上部に崩れそうな雪庇はないか? 💀危険
(特に春先の急斜面では、気温の上昇とと
もに雪庇が崩れやすい、それがきっかけと
なるケースが多い)
絶えず確認し、いる場合はその下部に立ち
入らない
同じように倒木や木の枝から落ちてくる雪
の塊にも注意する
・ジェット機や作業用重機の騒音が聞こえな
いか?
(騒音は空気の振動なのでその影響で雪崩が
発生することがある)
絶えず耳を傾けて歩く
・暖かい強風が吹いていないか?
(暖かい強風は雪を溶かす作用が大きく溶け
た雪で雪崩が発生しやすい)
・滑走ラインや歩行ライン上部に動物が歩いて
いないか?
(動物が斜面をトラバースする際、それがき
っかけで雪崩が発生するケースが多い)
・ニホンカモシカやキツネ、ウサギ、テンなど
☆アクションプラン
・絶えず、周囲全体を広範囲で観察する
10 職業的リスクを回避するために
(データ記録の収集と保管)
◆解説
これまでに、雪崩リスクを判断、決断するた
めの内容を記載してきましたが、職業的な
ガイドとして行わなければならいないことを
記載します
それは決断するに至っての観察やデータ、そ
して「テスト等の記録を保管しておく」とい
うものです
雪崩に対するデーやや評価はガイドだけが知
っておくものではなく、参加者全員が情報を
共有しておくべきものだからです
特に事故が発生した場合、この情報を保管し
ておいた場合、過失割合が減少することにな
ります
(やるべきことはやったが防ぐことができ
なかった)
さらに、長期的な視点で考えるとそのデータ
を毎年保管しておいた場合、より精度の高い
データとなります。(ぜひ行ってください)
<保管方法>
・ノートに記載しておく
・スマホ等に画像データを保存しておく
<おまけ>
もし、雪崩リスクが高くツアー中止を決断し
た場合、このレポートで記載した内容や雪崩
観察における内容を代替えプログラムとして
提供することも考慮しておきましょう
参加者がこのような体験を行う機会は少なく
喜ばれることも多いです
指導的な方法も習得しておく必要があります
<代替えプログラムメニュー>
・ビーコンレスキュー
・ピット掘り
・積雪層、結晶観察
・コンプレッションテスト
・簡易弱層テスト
・ロープワーク等
・スコップを利用したイグルー作り
☆アクションプラン
当日可能なメニューを提示し、参加者の希望
を聞き出しましょう!
11 雪崩リスクアセスメントチェック表
A雪崩が発生する可能性が大きい
(中止にするべき)💀かなり危険
□上部に30°〜45°の斜面がある。
□ルート上がアバランチシュート
(雪崩地形)である
□25°〜30°の斜面を通過する(滑り降りる)
□毎年雪崩ている場所である
□過去に雪崩の記録がある
□すでにクレパスができている
□上部に巨大な雪庇がある
□雪の下は岩盤である
(斜度20°以上の場合)
□雪崩跡ぽい場所に遭遇した
□樹木が倒れている場所に遭遇した
□樹林が少なく、そこだけ開けている場所に
遭遇した(斜度25°以上の場合)
□明らかに崩落したと分かる場所に遭遇した
□爆弾低気圧に発展する可能性がある
□深雪時、斜度25°以上の斜面で滑走ライ
ンや歩行ライン上部を人が滑っている
□急激に気温が上昇傾向である
(雪崩警報は出ている)
<斜度20°以上斜面を通過する条件の際>
□弱層テストで積雪層において、隣接する層
よりも相対的に弱い層の差が大きい
・硬い雪(よくしまった雪)に乾燥雪がサ
ンドされている
コンプレッションしたらすぐ崩れる
(亀裂が入る)
・硬い雪層((よくしまった雪)に乾燥雪
が10cm以上深雪が積もった状態である
・クラスト状態の雪層に湿雪が10cm以上深
雪が積もった状態である
□明らかにウィークインターフェイス
(隣接する層同士の結合が悪い状態)である
と判断できた
●結合状態が悪い例
(硬い氷の状態や結晶が確認され、その上
に固めの層が存在する)
(ザラメ状のクラフト状態の雪層の上に良
くしまった硬い雪層がある)
B雪崩が発生する可能性がある
(状況次第で引き返す)
💀危険 状況によって引き返す
□気温的が上昇傾向であり上部に20°〜30°
の深雪の斜面がある
□気温的が上昇傾向であり20°〜25°の深雪
の斜面を通過する(滑り降りる)
□気温的が上昇傾向であり深雪の下はハイマ
ツや笹やぶである(斜度20°以上の場合)
□暴風警報が出ている
□雪崩注意予報が出ている
□降雨中である
<斜度20°以上斜面を通過する条件の際>
□大きいコロコロが多数発生している
□弱層テストで積雪層において、隣接する層
よりも相対的に弱い層の差が大きい
(例)
・上から45cmの範囲において硬い雪
(よくしまった雪)に乾燥雪がサンドされ
ている
コンプレッションしたら崩れた箇所がある
(亀裂が入る)
・硬い雪層((よくしまった雪)に乾燥雪が
5cm以上深雪が積もった状態である
・クラスト状態の雪層に湿雪が5cm以上深雪
が積もった状態である
・上から45cmの範囲においてあきらかに硬
さの違う雪層がある
・上から45cmの範囲においてあきらかに結
晶の違う雪層がある
□上から30cmの範囲において明らかにウィ
ークインターフェイス(隣接する層同士の
結合が悪い状態)であると判断できた雪層
がある
(結合状態が悪い例は上記と同様)
C稀に雪崩が発生する可能性がある
💀危険ではないが観察行動により注意しなが
ら行動する
<20°前後の斜面上を通過する際の例>
・歩いたら少し雪崩てしまった
・歩くとよく固まるしまった雪だがその下に
アイスバーンがある
・歩くとよく固まるしまった雪だがその下に
クラフトしたかた雪がある
・弱層はないが前日に湿雪が10cm以上降り
積もった
・弱層テストにおいて明らかな相対的な差は
ないが・・・・・・・
・弱層テストにおいて明らかな相対的な差は
ないが・・・・・・・
・弱層テストにおいて明らかな相対的な差は
ないが・・・・・・・
12 まとめ
最後までレポートをお読み頂きありがとうござ
います
結論的には「雪崩リスクを正確に知る方法はなく
このレポートに記載した内容で観察やテストを
実行しても予防できるとは限らない」というこ
とになります
その中でガイドとして必要なことは、このレポ
ートを元にできる限りのことをやってみる、そ
してそのデータや写真を記録し残すという行為
です
この行為を行うことで「雪崩においてのリスク
を検討できる」ことになります
そしてこのように予防できない状況を想定し、
対処的な技術(レスキュー技術)も確実に習得
しておく必要があります
特にスキーガイドの職能はリスクが高いことも
事実です
リスクが高い分、魅力的なツアーであることも
事実です
とても喜ばれる職業であり体験です。
その仕事がスキーガイドです。
(注釈)
このレポートは長内が個人的に書き残したレポ
ートです
よって公に認められる内容ではございません
このレポートを活用する際はその旨をご理解の
上、あくまでも参考的に利用くださいますよう
にお願いします
尚、著作的なものは長内にありますので無断で
勝手に利用することはおやめください
他の人にコピーしてあげるのも厳禁です
ご理解くださるようお願いします
長内 覚
E N D
・・Just Do It・・
「最後までお読み頂きありがとうございます」
ご自身に役立ったと思う方サポートお願いします
優良な記事を書くためのモチベーションや取材に
使わさせていただきます
「スキを押したあなたの事が大スキ!」
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?