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500文字の建築試考「この自粛が明けて、まずするべきこと」

2020年5月24日。

もうすぐ、全国で新型コロナウイルスの流行対策としての自粛期間が終わろうとしている。
去年と同じような生活に戻れるわけではない。
しかし、また新しい、この自粛が明けたからこそ光が満ちている世界へと戻れそうな空気感を感じている。

そこで、この自粛が明けて、まずはじめにしようと思っていること、というよりはするべきだなと思っていることを簡単にだが挙げて、宣言とする。

わたしはこの自粛が明けたら、まず小さな世界に目を向ける。
すごくすごく小さな世界に。

この自粛中、わたしの目は小さなことに焦点を合わせた。

時間がある限り読んだ、小説の一文字一文字に。
風に揺れている、ベランダの洗濯物に。
散歩中にふと見つけた、たんぽぽの蜜を求めるミツバチに。

こんな小さなこと、2ヶ月前は気がつかなかった。
ただ日常生活の背景として、ぼやけたまま通り過ぎるだけだった。

ただ、焦点を合わせてみて初めてわかった。
この小さなことにこそ、世界の様々な大事なことが詰まっている気がした。
大きな世界より、遥かに重要なことが、遥かに魅力的な密度で詰まっている。小さなことに目を向けると、今までに味わったことのない心の揺れを感じる。
その小さな心の揺れを、都会のダイナミックで劇場型の世界に住む私たちは知らないで生きてきたのであろう。

また新しい世界へと踏み出すときも、この小さなことの延長としての世界を見続けて、全く別の幸せを感じることを、ここに宣言する。

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