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500文字の建築試考

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永本の建築に対する興味、考え、学びを毎日500文字で書きます。
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#子ども

500文字の建築試考「煉瓦の記憶とふたつの時間」

時間には「垂直的時間」と「水平的時間」のふたつがある。 これからこのふたつの時間を、私が理解できたレベルで話したいと思う。 これは昨年のコンペで煉瓦を用いたアイデアを提案したときに考えていたことである。 普通の建物、例えばコンクリートで作るような建物はまず、コンクリートを流し込む型枠とコンクリートの骨格となる鉄筋をつくる。 そこにコンクリートを流し込み、建物の形を一気に形成する。様々な工程がそれぞれ別の時間に行われることが特徴だ。 そして、木造、コンクリート造にかかわらず

500文字の建築試考「子どもと探検」

子供の頃、非常に怖いなと思っていた建物がある。 現在のモリコロパーク、昔であれば青少年公園と呼んでいた、愛知県長久手市にある「愛知県児童総合センター」だ。 (写真:環境デザイン研究所HPより) 私は名古屋市出身であるため、この施設によく遊びに連れて行ってもらっていた記憶がある。中身はすごく面白くて、様々な遊具やおもちゃで一日中楽しめるようになっていた。 怖いと思ったのは施設の中央にあるチャレンジタワーというものだ。 チューブが二重らせん状に巻きついたような動線によって上へ