40歳まで音楽について全く学んでこなかった人が、音楽と幸福について語る
幸福な老後をおくるためにお金以外で必要なこと
人生100年時代といわれるようになりました。
順調にそれなりの老後資金が貯められたとしても、なにか没頭できるものを持っておくべきです。
仮にお金があったとしても、やることがなかったらつまらないですし、お金がない場合でも、お金がかからず楽しく過ごせる方法をもっておけば人生困らないからです。
でも、世の中は消費を促す仕掛けが盛り沢山なので、わたし自身がかなり翻弄されてきました。
しかし最近、一つの答えみたいなのにたどりついた気がしています。
半年前くらいから、私は思い切って、ピアノのレッスンを受けはじめました。ピアノは音楽初心者にとってもっとも入門しやすい楽器だろうとイメージしていました。
なぜピアノなのかというと押せば音がでるからハードルが少し低いのではないか?と思ったからです。なにか変な理由に思われるかもしれません。実は先にギターに手をつけていたのですが、コードが抑えられず、すぐ音がならないので面白くなくなり、途中でやらなくなってしまっていたからです。ギターは、周りにやっている人も多く(そして上手な方も多い)、とても身近な楽器なのですが、実は弾き始めるのにはハードルがいくつかあると思っています。
それに対して、ピアノは初期投資がちょっと高いですが、初期投資を乗り越えられれば、音楽を楽しむまでの距離が比較的短く感じます。
ギターは中学生からやっている友達がいたので身近でしたが、合わない人もいると思います。
ギターをやるステップまとめると下記のような感じになるのではないかと思います。
揃える道具
・ギターを買う(比較的入門用は安い)
・シールドをかう(コードのようなもの)
・アンプをかう(スピーカーのようなもの)
揃える環境
・大きな音が鳴らせななかったら、ヘッドフォンとつなぐ機械
・できれば昼間に練習が必要
覚える知識・技術
・チューニング
・コードの抑え方
・コードを抑えて音が鳴る
ざっとこれだけハードルがあります。もうハードルと書いてしまっている時点で、見込みがないかもしれませんが、ちょっと音を鳴らして楽しみたいという人にとっては、超えなければならない関門がいくつかあります。
それに対して、ピアノは次のようになります。
揃える道具
・電子ピアノ(入門用は比較的安い、ギターよりちょっと高いかな)
揃える環境
・基本ヘッドホンはつけられるので、どこでも
覚える知識
・コードの抑え方
本当はちがうのかもしれませんが、ギターと比べると驚くほどハードルが下がります。こえるべきステップが少ないので、音楽に短いステップでアクセスできます。
覚える知識についても、最初に5個ぐらいのコードを覚えればJ-POPのかんたんな曲は1曲弾くことができます。私も最初はかんたんな曲を覚えました。
夢中になれることへの最短経路の探し方
楽器をはじめたのはこれが初めての体験でした。
曲を演奏するということは、こんなにも自分を夢中にさせてくれるのかと感動しています。音楽を弾いているときにとても心地良い感覚になって、弾き終わるとまたその感覚を味わいたくてもう一度弾いてしまいます。そういう魅力に感動しています。
夢中になるという言葉よく聞きますが、最近の自分の生活の中でこんなにも夢中になったことはなかったので、久しぶりの感覚に驚いています。惰性でYouTubeやNetflixを見ることがありますが、それは受動的であって、夢中になるとは少し違うと思っています。
音楽を引くことは能動的に夢中になれることだと考えます。なぜなら自分が弾かなければそれを体験できないからです。
はじめるまえは、この感覚を得るのには、結構練習が必要なのではないかと考えていました。
それは、たかが一曲弾けるようになったからと言って、、結局一曲しか弾けないでしょ?、としか考えられなかったからです。一曲だと応用性がないから、弾けたうちに入らないくらいと決めつけていました。楽しむための土台に立てないのではないかと想像していたのです。
音楽を楽しむにはその楽器をマスターしなければ、楽しむところまで到達できないというイメージを持っていたのだと思います。多分心の底にあったのは、中途半端なやつは楽しむ資格がないといったような無駄に厳しいイメージでした笑
しかし、この考えは完全に間違っていました。音楽を楽しむ扉は意外と近いし、マスターする必要もないです。私がバカにしていた、たかが1曲ら弾けるだけで十分楽しめます。
幸福感はどこにあるのか
過去の自分もそうでしたが、たかが1曲ではちょっとしか面白さは味わえないでしょ?、という意見もあると思います。
それが、実際に弾けるようになると、もうその一曲を繰り返し弾くだけで楽しいし、満足なんです。これはおそらく音楽のもつ力なのではないかなあと思っています。
数ではなく、その[過程]に楽しみを感じられているからです。音楽を弾く時、高揚を感じる楽しさが持つ力を感じました。
これまで私は音楽を物理的な積み上げの認識をしていました。何かの技術の習得や、曲数のストックというニュアンスを強く持っていました。つまり、一曲を聴いたり、弾いたりするその過程を無視していたのだと思います。
あらためて、音楽を聴いたり弾いたりしている時間の価値を発見する事ができました。
一度この音楽と共に過ごす過程にフォーカスすると、逆に曲数や技術の優劣についてもっと別の見方ができるようになります。私には一曲を消化しようとしすぎていたのかもしれません。たくさん幅広く知っているというコレクション的な量におもきを置いていたからです。
これまでの私は、たかが一曲という捉え方をしていましたが、一曲を味わうという体験をさせてくれました。思い返してみれば、好きな曲は何度も聴いて、繰り返し歌ったものです。最近はそんな曲も減ってしまいましたが…
音楽をはじめるために必要なことはあるのか
音楽を実際に演奏するということについて、もっと身近に感じるべきです。
ここに来るまでにやったステップは、ピアノを買う、コードを5〜6個覚える、毎日ちょっとずつ練習する、だけです。これで1日のうちに楽しいと感じる時間が増えるのであれば、安いものだと思います。
1日のうちに演奏する時間があると、
嫌な事も忘れる時間ができる
つまらなかった、大変だった1日にも楽しい時間を作る事ができる
アーティスト気分を味わえる
弾き終わった後スッキリする
前向きになれる
などなど、良い刺激が盛り沢山です。
今まで音楽やってなかったからといって、やってはいけない理由はどこにもありません。
逆にある意味で伸びしろがあるくらいに思って音楽をやってみたらいいと思ってます。別にナンバーワンになる必要もないし、永遠に続けなければいけないものでもないです。合わなければらやめればいいです。
ただ、やってみたいと思った事があるなら、やってみるべきだと思っています。
別にめっちゃ上手くならなくても、とても楽しめるという事がわかりました。というか、そういう味わう感覚を思い出しました。
何かはじめると上達を必ず目指さなければいけないわけでもなく、誰かに聴かせなければいけないわけでもありません。もちろん、そうなった方が幅は広がりますが、まずは自分が楽しむだけのためにやってみるという視点が必ず必要です。
音楽を一緒に味わっていけるきっかけになると嬉しいです。
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