「いくつもの夜を使い果たして」、あなたは何をしていましたか?
最近、お気に入りの曲に、STUTSの「夜を使い果たして」という曲がある。なんだか得体のしれない男性のため息から始まる曲で、夜の街にくりだした若者たちを描く曲だ。
「いくつもの夜を使い果たして」という言葉に魅かれてなんども聞くようになったが、この「夜を使い果たす」という言い方が、なんだかあの青春時代の、わけもなく夜更かしていた頃を思い出させてくれた。
そういえば、意味もなく夜更かしをして、ラジオを聴いていた。
ラジオを聴きながら、ぼんやりと夜の街を眺めていた。
そんな時間があったなあ。
歳をとり、夜更かしがきつくなってきて、もうそんな夜の時間なんか体験できないし、第一、もう夜はラジオにとって特権的な時間ですらない。あの孤独のなかで、ラジオから流れてくる人の声や歌が、どれだけ孤独と共鳴しあっていたことか。
それを思い出した。
でも、そんなラジオの時間は過去のものでしかない。
でも、いまでもあのときのラジオは、ぼくらの心で鳴っている。
チューンを合わせよう、そして耳を傾けよう、ぼくらのラジオ番組に。