偶然に集められた僕ら
こんばんは。satoriです。
オリジナル曲『偶然に集められた僕ら』の楽曲解説です。
重たい話になりますため、苦手な方はそっと閉じてくださいませ。
『偶然に集められた僕ら』は亡くなってしまった中学校の頃の友人に向けて書いた曲です。名前をM君とします。
当時中学生だった私はバレーボール部に所属しており、M君は部活の仲間でした。M君は体が弱く万年補欠でしたが、絶対に練習を休みませんでした。
私はそんなM君が好きでしたし、私も"イケてない組"に属していたためM君も仲良くしてくれていたと思います。
全く連絡をとらないまま大人になり、突然M君から連絡がきました。
『元気?今なにしてる?まだ音楽やってる?』
文化祭でのへったくそなバンド演奏をを覚えていてくれたんでしょう。
『まだやってるよ。』そういって当時書いていた曲を彼に聴かせました。
『本当にすごい。頑張ってるんだね。応援してる。』
そんなやりとりだけしてまた連絡をとらなくなりました。
ほどなくして同窓会のLINEでM君が亡くなったと連絡がありました。
M君は同じイケてないグループに属していた私が彼と同じように腐った毎日を送っていることを期待していたんだと思います。
考えすぎかもしれませんが、冴えない同級生が思った以上に頑張っていたことは彼が死を選ぶひとつの要因になったのかもしれません。
ご家族の意向で葬式も行われなかったこともあり、全く実感が湧きませんでした。ただ既読がつかないだけでひょっこり連絡が来るんじゃないかと今でも思っています。
冷たく聴こえるかもしれませんが、M君が亡くなっても私の生活は何も変わりませんでした。朝起きて仕事に行き、ヘトヘトになって帰ってくる。夜の空気は好きだし、ごはんはおいしい。
『君だけが足りない世界は今日も変わらず綺麗だ』という歌詞はここからきています。
変わらない生活の中で頭の隅ではずっとM君のことを考えていました。
死んでも何も変わらないから何かを残そう。そんな曲です。
周辺視野を駆使して歩く
窮屈そうに笑いながら
均等に並んだ 影はひとつ
気楽なもんだな
周りの目を気にして自分は窮屈に生きているのに
普通に生きている多くの人達はみんな同じで気楽に生きているように見えます。
信号も人も無視して歩く
憂鬱そうに笑いながら
うつむく二人 果てなく続く
何もない交差点
他人の評価や、ルールを気にせずに生きている人にも思うところはあって憂鬱そうに笑っています。
うつむいた二人の人生は交差することはありません。
もしM君がほんの少しでも前を向いていれば、また一緒に遊ぶようになったり、一緒に音楽やることになったり、何かが変わったかもしれません。
偶然に集められた 僕ら
どんな化学反応を起こそうか
君だけが足りない世界は
今日も変わらず綺麗だ
聴いてくれる人がいないと音楽はただの音でしかなく、偶然曲を聴いて集まってくれる人がいてはじめて音楽になります。科学反応みたいなものです。
消せない過去を踏みしめ歩く
複雑そうに笑いながら
慎重に学んだ 影はひとつ
誰か叱ってよ
ルールに縛られたあたりまえの生活を斜めに見ていながらも、羨ましくもある。そうやって生きる方法を学んできた私を叱ってほしい。
慣れた仮面を脱ぎ捨て歩く
満足そうに笑いながら
前を向く二人 さぁ行こう
ここじゃないどっかへ
周りがどうとか君はこういう人だとかそんな仮面は捨てて自分が心から好きなことをすればいい。前を向いて歩けば人生が交差するかもしれません。
偶然に集められた 僕ら
どんな化学反応を起こそうか
君だけが足りない世界は
今日も変わらず綺麗だ
うぉーっていうの、ちゃんと歌詞書かんかい。と思ってあまり好きではないんですが、『君だけが足りない世界は今日も変わらず綺麗だ』のあとに言えることがなく、叫ぶしかありませんでした。
行って帰っての毎日だって
きっと何かに繋がって
僕らはきっとわかってた
僕らはきっとわかってた
わかってるけど踏み出せないことがたくさんあると思っていて、私は歌詞にわかってると入れることが多いです。
仕事に行って帰ってくるだけの毎日でも何かに繋がってるなんてことは心のどこかでわかっているんだと思います。
みんな誰それの代理人だって
いつかどこかで色づくから
君もおいでよ
天才と呼ばれる人達はたくさんいて、自分は誰かの劣化版、代理人だと感じることがあります。それでも曲を聴いて、この長ったらしい文章を読んでいくれているあなたがいるから他の誰でもない音楽生活が色づいています。
音楽、イラスト、動画、仕事、子育て、勉強…なんでもいいから何かを残してほしい。他の誰でもないあなたがやることに意味があって、死んでも何も変わらないから。何か一緒に残しませんか。君もおいでよ。
偶然に集められた 僕ら
どんな化学反応を起こそうか
君だけが足りない世界に
今 何を残そうか
君が亡くなってしまった世界という意味と、世界に主役であるはずの君が足りないという両方の意味を込めています。伝わるんでしょうか。伝われ。
行って帰っての毎日だって
きっと何かに繋がって
僕らはきっとわかってた
僕らはきっとわかってた
どっか腐ってた毎日だって
きっと何かに繋がって
僕らはきっとわかってた
僕らはきっと
そんな曲です。
この曲を通じてたくさんの方と知り合えて、そのたびに思い浮かぶ景色が変わる大切な曲です。
もっと届けたいです。
応援、よろしくお願いします。
私も君を応援しています。
君もおいでよ。