電脳少女とピアノの夢

lainが好きです。
こんばんはsatoriです。
色々なクリエイターさんが集まって作品を作るお祭り、ボカコレに『電脳少女とピアノの夢』という曲を書かせていただきました。

いつものごとく歌詞解説です。

『イヴの時間』という映画をモチーフにしており、屋敷で一緒住んでいるアンドロイドと人間をイメージしています。電脳少女(AI、アンドロイド)がピアノを弾く姿に憧れた結果人間より上手くなってしまったというお話しです。切ないですね。

全体を通して、アンドロイド側、人間側どちらの視点からも見れるように歌詞を書いています。

イントロに銃をリロードする音が入っており、曲は銃を撃つまでの走馬灯のようなイメージです。

反響 無機質な影が
君を映し出した
空気に音を含ませて
空っぽな隙間に雪が降り積む

海中に向けて超音波を発射し、その反響で物体を探すソナーのようなイメージです。
AI絵の存在が人間の描く絵とは何かを映し出したという始まりです。空気に音を含ませて〜は人間が弾いてくれたピアノによって何かしらのデータが溜まっていくイメージです。雪は人間の罪が降っているものという宗教的な考えがあり、機械にデータを与え過ぎた人間にも罪があるんじゃないかという意味になります。ボーカルもYukiちゃんですしね。

ねぇどうして
知りもしないのに泣いたの

AIに創作物を模倣されて人間が泣いているのか、やり玉に上げられてAIが泣いているのか、どちらともとれるようにしています。

描いてた未来なら
とうに側にあった
笑うあの日のデータ
信じた嘘は誤作動を起こして
傷つけないように
取り替えたのに
不器用な左手は温かいまま

AIみたいな想像もしない未来がすぐそこにきていて、人間では音楽アルバム10枚も細部まで記憶できないものをAIは何万枚も正確に記憶しています。昔のデータの価値が高まって笑っています。
その中には間違った嘘のデータもあり、誤作動を起こすこともあります。嘘に振り回されるのは人間と変わらないですね。
電脳少女はピアノ上達のために手を機械に取り替えますが、正確な演奏できるだけで不器用であると考えています。

残響 呼吸する影が
僕を映し出した
日々はエラーを吐いて
溜まってく淀みがずっと消えないんだ

1番の逆で人間の存在がAIを映し出すという歌詞です。日々の疲れがエラーみたいに溜まっていくのも人間と同じですよね。

ねぇどこで
間違ってしまったの痛いよ

君と僕は違うから
記号を飛び越えた
明日に憧れたんだ
どうして?昨日のことも音になるのに
あんなに好きだったピアノの夢が
頭の中で煩い

AI、アンドロイド側の視点です。
音楽記号通りにしか演奏できないので記号を飛び越えることに憧れています。音楽と関係ない記憶も音に乗せることができるのにどうしてAIを羨ましがる必要があるのかという意味です。
情緒いっぱいの人間の弾くピアノが頭の中でぐるぐる回っているイメージです。

笑ってさようなら
近くて遠い君へ
届くあの日のデータ
言葉は思い出を奪わないから
わからないのは僕も同じさ
それでも手を繋いで

言葉が人間の記憶を奪うという議論があったらしく、それとAIが人間の創作を奪うという話は似ていると思い、歌詞に入れています。
言葉が思い出を奪わないように、AIだったり技術だったりも人間の創作を奪うものではない、手を繋いで共存していくしかないんじゃないかという結論です。基本サイバーな雰囲気ですが、最後のサビだけ人間味のある音としてヴァイオリンのソロが入っています。私の尊敬してやまないランツ氏が演奏しています。ソロの前半は私が作り、後半をランツ氏が作っています。私の作ったロックっぽい音の動きからクラシカルに変化していくの、興奮します。

知りたいから
自分は誰だとか
何になりたいとか
今だけ間違う頭がほしかった
不安定なものに名前をつけて
それを心と呼んだ
意味を宿して

ここまで歌詞を書いて、心ってなんだ。と思ったので私なりの解答を加えています。
ゴミに落ちている人形を可哀そうと感じるように、第三者が勝手に意味を付け加えて心と呼んでいるだけで不安定なものなんじゃないかと思います。

アウトロに銃声が入っていますが、
人間がアンドロイドを撃った
アンドロイドが人間を撃った
人間が自分を撃った
アンドロイドが自分を撃った
アンドロイドのリミッター壊して人間になった

どうとでも解釈できるようにしています。
この物語はどのような終わりを迎えるのでしょうか。

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