ダイバー
こんばんは、satoriです。
映画が好きです。
『ダイバー』という曲をFILM_SONG.プロジェクトに提供させていただきました。
FILM_SONG.ってなんぞや。抜粋します。
1つの映像に対し色んな方が楽曲をつけるというプロジェクトです。
楽曲ができてから映像をつけることが多いため、完成された映像にあとから音楽をつけるのは珍しい流れです。
そんな映像に向けて書いた楽曲『ダイバー』の解説、私の潜水記録です。
初手弱音で大変恐縮ではありますが、
辛かった。
プロジェクトへの参加が決まったのが3月後半、製作期間2週間程度。
社畜系シンガーソングライターのため休みが3日しかありませんでした。
もがき苦しむ私自身も映像のテーマである【まだ何者でもない私たち】の一人だと思い作曲しました。
曲の根幹であるリフレイン(繰り返しのフレーズ)を1週間ぐらい何度も映像と合わせ、映像と楽曲が合うように調整しました。戦友、ピアノのおまる氏に演奏をお願いし、最後のフレーズを気合で合わせていただきました。ピアノ、3日ぐらいで弾いてきました。狂人。もはや彼女がピアノです。感謝しきれません。
歌詞が一向に出てこずTwitterで泣き言をいっていると助け船が来ました。玉田氏です。
お母さま、元気でなによりです。息子さんも素敵に育っております。
歌詞が出てこずもだえ苦しむ曲にしよう、そして玉田氏に無理矢理演奏させよう。
そう決めました。
宅録したことない状態から録音させ『言ってなかったけどデカい案件だよ。降りるなら今だよ。』という脅しにも負けずベースを弾いてくれました。
ベースから丁寧な人間性がにじみ出ておりました。この曲は他の誰でもない彼が弾くことに意味があると思っております。一緒に潜ってくれてありがとう玉田氏。
映像に曲をつける珍しいプロジェクトということで、ここでしか書けない曲を書くというコンセプトで作曲を始めました。映像自体で作品として完結していると感じたため、めまぐるしくコードや展開が変わる楽曲ではなく後半になるにつれ盛り上がっていくよう心掛けました。
ダイバー
ボーカルの入りをダンサーのスポットライトが当たるシーンと合わせたい、映像の入りから入ると映像の世界に入る邪魔になると思いイントロを長くしています。
『連れてってくれないか』はMr.children深海からの引用です。
アルバムの深海ですが最高傑作だと思っており最後を飾る『深海』はシーラカンスを過去の自分自身としそのシーラカンスに対して語りかけるような曲になっており「あどけなかった日の僕は夢中で君を追いかけて追いかけてたっけ」のあとに「シーラカンス これから君は何処へ向かうんだい」と続くことから「あどけなかった日の僕」=「シーラカンス」として語りかけていることが考察できそんな取り戻せない過去の自分自身に対して「連れてってくれないか 連れ戻してくれないか 僕を 僕も」と苦しそうに叫…一生しゃべるのでやめましょう。深海、最高のアルバムです。
『ないか』『呟いた』『解けないな』はダイバー(あいあ)と韻を踏んでいます。
『あ』だらけです。
曲の主人公が深海から映像を観ているイメージです。
『呟いた言の葉』の部分で映像の小説家のシーンと重なるようにしています。
映像と合わせてみてもらいたいためメロディは韻を踏みつつ繰り返しを多くしています。
『散らかった』の部分で小説家の彼女が小説家である彼のボツ作品を紙吹雪のように投げるシーン、『渦巻いた』でダンサーが回るように踊るシーンを合わせています。
denialは否定という意味で、Nirvanaの『Smells Like Teen Spirit』からの引用です。
でぃないある、で『あいあ』の韻を踏んでいます。これ出てきたときちょっと興奮しました。
サビの入りと映像のダンサーの動きを合わせています。
えがいた『よう』な り『そう』『ぞう』はと『おく』で『おう』の韻を踏んでいます。
このまま韻を踏み続けてやるZE!メーン!と思いましたが意味が通らなくなるので心のラッパーは深海に沈めました。メロディ先行で考えており、『なんでもない日を選んできた罰だ』の部分が本当にハマりませんでした。苦しかった。水中、それは苦しい。
『誰のせいだ』を鏡に就活生が映るシーンと合わせています。うまくいかないことを他人のせい環境のせいにしてしまいたくなることがありますが、結局自分が選んできたことです。誰のせいだと犯人捜しをしても結局自分の顔しか浮かんできません。『浮かぶ』過去の自分と『潜る』ことで出会う今の自分で対比しています。『沈む』のほうが『浮かぶ』の反対語としては合ってはいるのですが、潜るのが能動的だったのでこちらを選びました。
『深く潜る』の歌詞から深海パート、就活生の映像とリンクします。
就活は自分に何ができるのか何がしたいのか強みは何か、自分の中の深い部分に潜って対話する時期だと考えています。それを否定されるの辛いよね。私も教員採用試験面接で落ちてますからね。わかります。がんばれ就活生。
バスドラムは心臓の音をイメージしています。
少女が光に駆け出すカットからドラムとベースが入ってきます。
誰かのせいにしたり連れてってくれといったり他力本願だったのが『ハッピーエンドで待ち合わせ』しようと心が変化しています。当たり前のようですが『待ち合わせ』場所へは自分から行かなければいけません。
傍観者だった曲の主人公が、夢や目標に向かって生きる映像の中のもう一人として参加するイメージです。『いつか夢は見るものになった』は叶えようとしていたものが見て満足するようになってしまったという意味です。それ以外はほぼ文字通りです。ここのパートまでは『連れってってくれないか』と他人任せだったダイバーが自分の力で歩き始めます。
みんなでこちらを向くシーンに『今度は君の番』の歌詞を当てたかった。
全てここに終着するための前フリです。魂込めてます。
映像を見ていたはずのダイバーが最後視聴者に問いかけてくるラストになります。
絵本、入ります。
むかしむかしあるところにダイバーがおりました。ダイバーは夢に向かって努力する人たちを観ました。あんなキラキラした世界に僕も連れていってくれたらな。ダイバーは見上げるだけでした。
他人任せだったダイバーは大切なものを無くしてしまったことに気がつきます。
無くしてしまった何かを探すため、ダイバーは深く深く潜ります。
海底には宝物がありました。
それは心でした。
気がつくとダイバーは見上げていたはずだったキラキラの中の1人になっていました。
ダイバーはこちらを指差しこう言います。
『今度は君の番』
そんな曲です。
映像と共に観ていただけたら幸い。
イラストほしいな…と呟いたら100倍の熱量で返してきてくれたこんぺいとう氏、ありがとうございます。すごすぎ。
ちなみに私が作った参考画像はこちらです。
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