voice

こんばんは、satoriです。
いずれくる胃もたれに怯えています。

漫画家、イラストレーターのヒナユキウサさんの個展に『voice』という曲を提供させていただきました。全演奏私です。ボーカルはRitaさん。
私、Ritaさんの大ファンでしてご一緒できて幸栄です。20周年おめでとうございます。20周年記念のCD持ってます。教師をやっていて心が死にかけていたときAlice Magicが心の支えでした。ファンです。

Ritaさんとご一緒できるとのことでAlice Magicのような元気な曲を書こうと思いましたが、ヒナユキ先生のアツいリクエストで私の性癖丸出しネクラ曲になりました。

楽曲解説です。
先にかっぺーたさんが書かれた台本があり、そのストーリーに沿った歌詞になっています。人間がいなくなった世界で歌を歌うために造られたロボットは何を想うか…といった内容です。
譜面通りに演奏するだけだったロボットが五線譜の外に踏み出すというテーマで作曲しました。

I wanna fall into your melody again.
色褪せない五線譜の中
応答を願う

I wanna fall into your melody again.
(もういちどあなたのメロディの中に落ちていきたい)
五線譜が色褪せないのは記録されたデータだからです。
まだ生き残っているかもしれない人間の応答を願っています。
五線譜の『中』は人間が残したメロディ、思い出の中に浸っているイメージです。曲全体で幻想的な雰囲気を出すためフェルトピアノを使用しています。

今はただ浸っていたいだけ
寂しさはバグみたいなもの
通信はなし音は音のまま
朝と夜が降り積もった

人がいた思い出に浸っていたいだけ、ロボットである自分は人間とは違うのだから人間的な感情である寂しさはバグみたいなものだとしています。
ロボットにとって時間経過はデータの蓄積の一部と考え、時間経過を『朝と夜が降り積もる』という表現にしました。

椅子も光も素粒子なら
全部全部星のクズだ

椅子と光は舞台から観客席をみた風景です。
最初はイスとライトだったのですが、もう一曲の『光』と同じく公開されることを考え光に変更しました。
椅子も光も素粒子として考えると全て同じ物質です。
全部クズみたいなものだと投げやりになる気持ちと、ロボットも人間も似たようなものかもしれないという希望の両面を込めました。

I wanna fall into your melody again.
君に届かないなら羅列のまま
いつまででも歌うよ
色褪せない五線譜の外
応答を願う

『音は音のまま』『君に届かないなら羅列のまま』
音楽は誰かに届かないとただの音であり、なんの意味も持ちません。
五線譜も羅列のままです。
五線譜の『外』=感情のイメージです。
クラシックの演奏者が自分なりの解釈を加えて楽譜を演奏するように、主人公であるロボットも五線譜の外に踏み出します。感情を手に入れたのです。

物語と共にお楽しみいただけましたら幸い。

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