「流行の最先端」は本当だった
高校生の頃、ユニフォームのズボンがやたらと短くて嫌だった。
当時、どこの高校のユニフォームもひざが隠れるズボンだった。なのにうちは丸見え。いつも恥ずかしかった。
「先生、うちのユニフォームなんでこんなに短いんですか?」
生意気にも聞いたことがある。
長い方がかっこいい。そう信じて疑わなかった。
だが、先生から帰ってきた答えは意外なものだった。
「なん言いよるんねぇ~!流行の最先端やろうもん!うちのユニフォームが一番かっこいいちゃ~」
・・・
「先生、本気やん」
17歳の私は悟った。
苦笑いするでもない。照れ笑いするわけでもない。ただの笑顔。
「もう、どうしようもないな」
夢は儚く散った。
***
あれから14年。
テレビに映るバスケ選手のひざは丸見えだ。
「先生、本当やん」
心のなかでそうつぶやく自分がちょっとだけ恥ずかしい。
だから一言謝りたい。
先生。
あのとき「ダサい」と思っててごめんなさい。
でもやっぱり私は、
長いズボンが履きたかったです。
あとがき
全然反省していなくてごめんなさい。
この文章、先生には見せられません。
ちなみに中学生のときも、ユニフォームのズボンはひざ上でした。ひざ上の神に好かれる人生なのでしょうか。ズボンもスカートも、丈が長いほうが好みです(自分が履くのは)。
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