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「いつか」と言う義母に「今すぐ」と伝えた話
先日、義母(夫のお母さん)に行きたい場所があるかと尋ねたら、こんな答えが返ってきた。
「昔からDRUM TAO見に行きたいんよ~。死ぬまでに行きたいわ~」
DRUM TAOとは、大分県竹田市を拠点とする和太鼓エンタメ集団だ。九州ではよく公演をしているので、知っている人も多いかもしれない。
私も幼少期からテレビCMを見ていたので、存在はもちろん知っていた。「大分拠点」というのは、この記事を書きながら知ったけど。(てっきり東京だと思ってた)。
チケットは一般席で6500円。プレミアム席で7500円。値段だけ見ると「死ぬまでに」というほど、手の届かない場所ではない。
けれど義母が「いつか」「死ぬまで」と話すのには理由があった。
義母は結婚後、自由に時間を過ごせなかった。あまり詳細は話せないが、娯楽や自分がしたいことをできた経験は、おそらく皆無。高校の同窓会には20年以上行けなかったらしい。常に家族を優先しなければならない環境だった。
一度育児を卒業した現在も、とある事情で二度目の育児をしている。やんちゃな小学生3人。還暦を目の前にした人が育てるにはかなり体力が必要なお年頃だ。孫を育てるため、義母は今もバリバリ働き、家事をこなしている。
そんな義母はきっと、これからも忙しい毎日を過ごしていく。家族を優先し、自分のことは後回しにする。私にはその未来が見えた。強制的に行く機会を作らないと、彼女が語る「いつか」は来ないと思った。
「行きましょう。チケットとるんで」
お酒の力も借り、その場で6月公演のチケットを予約した。嬉しそうな義母を見て、私も嬉しくなった。
「お金に余裕ができたら」「時間ができたら」
人はいつかと思えば思うほど、希望を遠ざける生き物だ。そのことは後回し人間な私が1番知っている。だからこそ、今まで育児や仕事を頑張ってきた義母を、絶対「いつか」の場所に連れていきたかった。
昔の私だったら「いつか行けるといいですね~」で終わっていたと思う。でも、今回「(すぐ)行きましょう」と言えたのは、noteで出会った「すぐ行動する精神」を持った人たちの影響を受けていたからだ。
仕事や育児で忙しい日々を送りながら、毎日noteを書いている人。旅行に行っている人。舞台やミュージカルを鑑賞している人。人生を豊かにするために「すぐ行動する」人が、この街にはたくさんいる。私もそんな人になりたいと常々思っていた。というか、今もそう思っている。
noteに住む魅力あふれる人たちに、少しだけ近づけたような気がして嬉しくなった。
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