玉木代表の騒動における国民民主党の対応と世の反応に対する違和感

 初めて『note』を使う内容が、まさか推し政党の批判というか意見になってしまうとは思わなかった。ただ数年党員登録している身として、今回はちょっと声を挙げたくなったのでつらつらと書いてみる。

 今回の玉木代表の騒動における代表続投と国民民主党の対応と、それについての世の反応について、昨日1日の動きで感じたのは『違和感』だった。

 確かに「不倫」は家庭内の問題だ。それに影響されて党の政策や理念がブレる事があってはならない。また国会召集初日で首班指名投票が行われる日でもあったが故、党代表として玉木氏のままで行くとした党の臨時のとりまとめについても理解はできる。

 これまで理路整然と『正論パンチ』を繰り出し続け、その政策を聞く者に納得を植え付けてきたからこそ、今回の小選挙区獲得議席数11、比例票617万票の結果がある。
 先に上げた通り、党代表続投は理解はできる。上記の結果をもたらした有権者の願いは何より【政策の実現】であり、旗印として強力に引っ張っているのは玉木氏である。

 だがしかし、だ。
 その『真っ直ぐさ』が売りの政党の代表が、不倫を起こした後に
         【党として何のお咎めもなし】
で済ませるのは如何なものかと思う。これは今後の党勢拡大だけでなく、現在の党内運営にも関わる危機管理意識にまつわる大きな問題であろうと思う。

 今回の不倫報道の対象者は他でもない国政政党の代表である。所属する一議員という訳ではない。言わば『党の顔』であり『代表の行い』=『党のイメージ』という見方をされてもおかしくない。

 このままであれば、いくら<103万円の壁>を突破し基礎控除額が引き上げられる成果があったとしても、酷い言い方をすれば【国民民主党】=【国民不倫党】という見方をいつまでも引きずる可能性がある。

 ここで私が一番懸念するのが、党の黎明期を支えた古参メンバーと、今回初当選した新人議員たちを含む当選回期が少ないメンバーや、現在全国の様々な自治体に所属する地方議会議員の人達。そしてこれから当選を目指す未来の候補者たちとの『気持ちのズレ』が生じやしないかという事である。

 古参メンバーは玉木氏との長年の付き合いもあり、その人柄に気持ちも情もあるだろう。玉木氏の頭脳明晰さや雄弁さ、そして人を惹きつける力を肌で実感しているからこそ『俺たちの大将』と担ぎ上げたいのはよく理解できる。

 しかし例えば今回初当選した議員たちは、地元での“自らの政策の訴えが届いた結果”であるのは勿論だが、どうしても“国民民主党という党名の威光”で当選させてもらった面は多分にあるだろう。
 また全国の地方議会の議員たちや、これから当選を目指す候補者たちにとっても、衆院選における党の大躍進とワイドショーすら席巻する政策論争現象により、これまで以上に堂々と【国民民主党の候補者です!】と胸を張って活動が出来たであろう。そしてそれはこれから『公募に応募したい!』と想いを抱いてくれた未来の候補者たちにとっても同じ事であろう。

 だが玉木氏は彼ら彼女らの“志”に泥を塗ったのである。そして特にそれは全国にいる多くの党所属の女性議員に大なり小なり『猜疑心』を抱かせたであろう。

 それに留まらず泥を塗ったのは『正論パンチ』を信じて票を投じた有権者の気持ちである。
 とはいえ票を投じた多くの有権者、もしくは投票はしなかったが政策に賛同する人達は、基礎控除引き上げに始まる各減税策が成されれば、玉木氏の行いは自分たちの生活に直接は変わりはないので今回の事は関係ないという意見が大多数であるのも事実だろう。

 だが本当に【党として何のお咎めもなし】で良いのだろうか。

 これは私の個人的な印象だが、泥を塗られたと感じる有権者は、私を含む結党時近辺から党を応援していた支援歴が長い支持者にこそ多いのではないかと勝手に推測する。そういった人ほどこのまま玉木氏に対して【党として何のお咎めもなし】で進める事に、今後もろ手を挙げて票を託すという気持ちに違和感を持つ人が一定数いるのではないだろうか。

 これまで『売れない実力派地下アイドル』と揶揄されても『推し活』を続けてきたのは、某党たちのように〔耳障りの言い理想論〕を挙げずに〔実現可能そうなリアル路線で、岩盤与党に少しでも「うん」と言わせられる国民生活を楽にすることができる政策はなにか〕を少数でも真剣に考え提示し、国民に対し誠実に少しずつでも実現させてきた実績を見てきたからである。

 『正論パンチ』を党是とするのであれば、『代表の不倫』は「個人の話」に留めず、何らかのペナルティを与えるべきだと考える。このまま【党として何のお咎めもなし】では、有権者にも所属議員にも示しがつかないというものではないだろうか。

 何度も言うが、玉木代表のまま進める方針はそれで構わない。彼の知識と発信力と求心力と交渉力は確かに秀でている。理想の代表といえるだろう。だから言い方を換えれば『仕方がない』のだ。
 ただ、少なくとも有権者・サポーター・党員・各陣営スタッフ・地方議会議員・国会議員という、どんな形でも党の『関係人口』に属する人達に対し生じさせた『猜疑心』の存在を執行部は厳粛に大きな問題として認めねばならない。そしてどこまでの裾野の気持ちに対して今後の党の方針を向かせるかを、党執行部でもう一度考えを洗い直してもらいたいが、その舵取りは彼らに任せるしかない。

『民(たみ)が主(あるじ)と書いて民主主義なんです』(玉木雄一郎)
『仲間を裏切る政治家は一般国民も裏切る』(榛葉賀津也)

 どうか執行部や国会議員会館の狭い部屋の中の理論や情に留まらずに、何らかの形ある、誠意ある返答を行動で示してくれる事を切に願う。

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