CSS Nite LP64「Coder's High 2019」の感想
2019年10月19日(土)に行われたCSS Nite LP64「Coder's High 2019」を観てきました。私的な感想を残しておきます。
ウェブデザイン・サイト制作におけるプロジェクト・タスク管理ワークフロー
面倒でサボりがちなタスク管理をどう組み合わせて業務に活かしているかの実例と実演を見られました。Gmail、Asana、Slack、FigmaなどのWebサービスを連携させて効率化しているということでしたが、一人あたり15万円の費用がかかっているとのこと、結構な金額になりますよね(笑)
「わかるー」と思いながら聞いていました。
私は病的に不注意なのですが、仕事はもちろん、私生活でもタスク管理、情報管理と薬のおかげでなんとか世間と折り合いをつけて生きています。
普通に暮らせる人でもうまくプロジェクト・タスク管理すると生活が楽になるはずですし、業務に取り入れてもらえれば私も仕事しやすいので助かるなあとも思います。
ウェブ開発のいまと、コーディングしない制作手法
制作会社として、どのように安定した品質でウェブサイトを制作するか。社員個人の技法や手法に依存せず、標準化するための手段として「コーディングしない」で、CMSを活用してサイトを組み上げる方法についてのお話でした。
定形に落とし込めるものはすでにある資産(プラグインなど)を活用した方が良いし、同じことの繰り返しになりそうな更新作業は機械に任せた方が効率はよくなるなと感じました。
最終的には静的サイトの形にしますが、私も自分なりのテンプレートセットは持ってますし、更新もある程度自動化(CSVからHTMLを吐き出すなど)して日頃から活用してます。
ここでいうCMSは、いわゆるWordPressなどのクライアントが簡単に更新するためのツールではなくて、制作会社側が効率よく管理するためのツールだと思うのですが、そういう使い方ならアリよりのアリですよね。
ジンドゥークリエイター カスタマイズ自由自在
またコーディングしない話(笑)Jimdoはかなりカスタマイズの自由度が高いので、コーダーの人も小規模案件で活用してね、というお話でした。
全く個人的な話ですが、Jimdoはテンプレートのインポートと、コンテンツのエクスポートができないのが残念だなあ…と思っています。
GUIツールでチマチマ時間かけて作るのが面倒で(笑)
いつかJimdoから乗り換えたいと思った時にコンテンツをエクスポートできないと分かっていると、Jimdoで始めるのはリスクがあるように感じます。
競合のSTUDIOにも全く同じことを思いますが、じゃあ、これらを満たすWordPressでいっか、となってしまいがちです。
デザイナーとコーダーをつなぐ、Adobe XDを用いたモダンなウェブ制作
XDから、どうやって実際のコーディングに落とし込んでいくかという話。登壇者の掛け合いが自然で、会場が一気に和やかな雰囲気になりました。
CSSに関しては日頃からXD からコピペしていますし、私個人としてはコーダーということでXDでデザインを組むこともないので(プロトタイプが必要ならHTMLでざっとラフに作っちゃう、最近はSTUDIOも使ったことも)、あまり記憶に残らず。汗
これだけは押さえておきたい Vue.js の基礎知識
Vue.jsの基本的な使い方について。jQueryはライブラリであり、Vue.jsはフレームワーク。Webアプリを制作する場合や、テンプレート機能を活用したい場合はVue.jsは便利ですよ、ということでした。
Webサイトにちょっとした動きをつけるとか、見た目をいじるならCSSやjQueryが向いていますし、データをいじって何かするのならVue.jsの方が向いている…というのは私も感じます。
公演慣れしていると言いますか、全体的に聞きやすく、スライドもキレイで「ほほ〜!」と感動しました。
高速なウェブのためのモダンアーキテクチャ JAMstack
JAMstackという言葉を初めて聞きました。クライアントサイドのJavaScript、再利用可能なAPI、ビルド済みのMarkup - のスタックということらしいです。
CDNを利用するため高速でアクセス負荷対応もバッチリ、セキュリティも確保でき、ページの量産も効率化できる。
個人的にはとっても興味があるのですが、複数サービスの組み合わせということもあり学習コストがかかりますし、どこかに納品するような案件ばかりの私には残念ながら活用する機会が今のところなさそうです。
Gitですら、パートナーや納品先には「難しい」と拒否されてしまうので…。(ジェネレータやGitの類は個人ツールとして活用し、最終的にはごく普通の静的ファイル郡として納品してます)
でも、紹介された組み合わせで一度試しに動かしてみたいなとは強く思いました。
Nuxt.jsがもたらすWordPressの新たな可能性
JAMstackしたいけど、管理画面が面倒…そこでWordPressを管理画面として活用しつつ、Netlifyを使って表側はNuxt.jsで構築することで、高速なウェブサイトを構築する方法。
管理画面を、広く使われているWordPressにするのはメリットがありそうでしたが、本来WordPressはその用途で作られているわけではないので、ある程度「運用でカバー」すべきデメリットも教えてもらえました。色々あるなあと正直思いました(笑)
サイトの規模が小さければアリかなと感じました。私は趣味のサイトをGithub Pages + Jekyllで構築していますが、同じような感じで公開できるんですね。Jekyllの場合、ブラウザでの管理ではなくテキストファイルベースですが。
プロジェクトをうまく進めるために、コーダーが進化するためのテクニック
スケジュールの組み方と、クライアント対応に関するテクニックのお話でした。軽快なマシンガントーク(死語?)に会場がどっとわいていました。
スケジューリングに関してはWebディレクターに聞いて欲しい話でした。だいたい、コーダーに「こんな案件あります」という話がきた時点で、スケジュール的にはすでに手遅れの段階なので(笑)
「え、今すぐ対応できないの?困るなあ」といわれましても。プロジェクト始動が決まったらコーダーのスケジュールも確保して、スケジュール通りにいくように調整してください…。
クライアント対応に関しては「その通りですね〜」と。早く対応する、どこまで対応するかを明確にする、自分の技術をクライアントに直接その場で見せる、柔軟性を持って対応する。
表面的にだけマネをすると「いついくらでも追加料金なしで働く便利屋さん」に陥ってしまいそうなので、きちんとコーダーが主導権を握れるように、信用してもらえるように、成果を上げて頑張らないとですね。
コーダーとしての価値を高めるウェブ解析活用術
解析ツールを活用して、ビジネスの成果(コンバージョン・売上)に貢献して、コーダーの価値を高めていこうというお話でした。
まずは解析タグを正しく入れること。これは、耳が痛い話でもあります。タグだけぽんと送られてきて「よしなに設置してください」みたいな感じだったりします。そこで適当に入れてしまうと、きちんとしたデータが取れず、解析が意味をなしません。
歴代の色々なタグが入っていて混沌としてしまうのは「あるある」ですが、Googleタグマネージャーを活用するとこの辺りも解決できますね。
レポートの見方や、案件でありがちな例を交えて紹介してもらえたので、とても参考になりました。あと、スライドPDFのURLをその場で共有してもらえたのもとても良かったです。
全体
一日かけて、いろんなセッションを、美味しいところをつまみぐいするように聴けるのがCSS Niteの魅力ですね。
CSS Niteはホールの外に企業ブースがある回もあるのですが、個人的にはないほうが休憩時間にちゃんと頭を休められて、セッションそのものに集中できていいなと思ってしまいました。
仕事が忙しくなると、目の前の仕事でいっぱいいっぱいで、どうしても視野が狭くなってしまいがちなのですが、実用的なテクニックはもちろんのこと、自分とは異なる世界も垣間見られて、よい刺激になりました。
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