中判デジタルカメラ使用記録

購入から約半年、感想的な何か。
写真は追って追加します

645DF+

PhaseOneブランド(マミヤ製造)
2012年発売。デジタル専用ボディの2世代目というか初代(645DF)のマイチェン版というか.
・IQ4以外のバックには一通り対応できる(多分)
・LSレンズにも対応できる
・AFがAFD系よりかなりよい(らしい)
素人がデジタルバックに手を出す場合にはファーストチョイスと言っていいのではないかと思います.
デジタルバックは素人が手を出すには...という言説を事前に見ていたので,それなりにビビりながら使い始めましたが
現代的なミラーレスに慣れきっている体からすると不便とは感じるものの割り切って趣味で使う分には致命的な問題は感じないですね(仕事で使えと言われたら発狂する気がする、どういう仕事かによるだろうけど)

AF

信頼はできないけど肉眼でテキトウにやるよりは基本的にマシ
条件が悪いとまるっきり合わないケースがある(逆光,低コントラストの平面など)
→AFの設定は速度優先でした.今後しばらく精度優先で使ってみます
C-AFは使ったことがないので謎

AE

強い光源が入ると適正とは?という世界になる.現像でどうにかできることが多いので充分明るくて低感度で撮れる状況なら致命的な問題にはならないが…
現代のカメラのAEは絵作りと不可分になっているというわかりがある
「そもそもAEで使うようなカメラではない」みたいな気もするし使い方は考えた方がいいかも…

ファインダー

80mm(換算約50mm)時に0.7倍程度,意外とライカ判と大差ないか最近のEVFと比べると狭いまである
クセはなく問題は感じないがピントが合った瞬間に感動するほどではないかなぁ。(E-300+ZD150mmF2とか感動したモンですが)
オッサンになってきて体調依存で乱視が出る傾向があるせいもあるのかも.
ところでアイピースがめっちゃ外れやすいんだけどどうにかなりません?

バッテリー

専用バッテリー使用.電力を使う機能がシャッターとAFAEとファインダーと肩液晶だけなんで当然、とは思うがかなり保つ.ありがたいね
ヘタってきたらセル交換でもするかねぇ。

シャッター

意外とブレない,LS(レンズシャッター)はブレやすいという噂を聞いたのでフォーカルプレーンで運用しています.まあLS対応は80mm1本だけなんだけど
換算画角ベースでの手ぶれ限界でも耐えるときは耐える.できれば1/実焦点距離secぐらいはほしいけど…

UI

デカい液晶がないとこんなにわかりにくいのか,という仕様(当方フィルムカメラ使用経験はほぼ0です
まあマメに変更するようなこともないので特に問題はないんですが...
ただ,2ダイヤルなのにAvだとどちらも絞り,Tvだとどちらもシャッタ速,という仕様はなんなんだ
しかも露出補正ボタンが絶望的に押しにくい…
→という話をX(twitter)の虚空に放ったところ
先輩方から「MモードにしてワンショットAE使えば」(意訳)とお言葉を頂いた.しばらくそれで行くか…
※ワンショットAE:MモードでAE lockボタンを押すとAv or Tv(どちらにするかは設定可能)を現在値に維持して露出計に合わせて自動露出する
※Mモードなら絞りとシャッタ速どちらも直接変更できる

レンズ交換

割と頻繁にする民だったんだけど,中判レンズは太いせいかハンドリングが悪くて面倒を感じて頻度が下がっている.
3本持って行ってもそれほど使い分けないので1本(つけっぱ)か2本(交換1本)でいいやとなりがち

PhaseOne P65+

2009年発売,民生用(これ民生用なのか?)として恐らく史上初645ほぼフルサイズを実現したデジタルバック
センササイズ53.9x40.4 6050万画素
画素ピッチは6x6um/pixel ライカ判の2400万画素 APS-Cの1000万画素 4/3の620万画素に相当
Sensor+を採用し4pixelを1画素として記録,感度とダイナミックレンジの拡大が可能
連写速度は1fps
IQ1~3の60MPとセンサ自体は同じモノ

画質

解像 20~24M使用者(E-M1II,α7IIなど)からすると拡大しても細部がズルズル出てくるし,大トリミングしてもそれなりに実用できる点にはビビる
正直オーバースペックと感じる瞬間が多いが,ズームレンズがあまり実用的ではないので「広めに撮ってトリミング」という前提で運用している
35mmなんか,換算22mmだけど,5000万画素で25mm,4000万画素で28mm,2400万画素で35mm相当ですので…

諧調・Dレンジ

低感度で撮ればズルズル諧調が出てきてこれもビビる.ただ「一般的にいうところのダイナミックレンジ」=黒潰れ,白飛び耐性はα7IIと大差ないと感じています.
16bitADの威力は大きく弄った時にトーンジャンプが起きにくい(というか「起きない」とすら感じる)だと思いました
この辺はモノによって差はありそうですが,黒潰れ白飛び耐性を期待してデジタルバック手を出すのはたぶん筋が悪いと思います
最新のSonyCMOSのシリーズ(フジやハッセルも含む)も画素ピッチは6um/pix(44x33で50Mpix)=ライカ判24Mpi(α7初代~Ⅲ)x,3.76um/pix(44x33で100Mpix)=ライカ判61Mpix(α7R現行系)
なので,恐らくダイナミックレンジ自体はライカ判と大差ないと思います.S/NよりもDR確保にパラメータを振っていればワンチャンあるかもしれませんが…

感度限界

通常時ISO200まで Sensor+時ISO1600までという感覚.できれば100と+800までで運用したいけど
4画素mixなら+2段のはずなんだけど+3段許容と感じているのは等倍の拡大率が半分だからかなぁ?

スピード 連写

鳥撮りをちょっとやった結果まるっきりアレだったので撮れる人は腕がすごいんだと思います

起動

ボディの電源と独立しているのでよく電源を入れ忘れて「アレ?」となる.
IQ系だと連動するそうで,そこはうらやましい(差額を出すガッツはない

バッテリー

それなりに劣化していると思われるが純正はそれなりに保つ.感覚的には予備が2個あれば1日撮影でも耐えられるかな,ぐらい.
実際にはそんな枚数撮らない(撮れない)ので1個でいいかな
問題は互換品で3個あるんだけど3個とも控えめに言って(略
まともそうなヤツ買い足さないとしんどいな…(1個,USB直接挿して充電できるヤツを発注したが在庫切れキャンセルを食らい心が折れている
→という話をX(twitter)の虚空に放ったら先輩方から「レーテンシー0(待機状態にしていない,大判用の設定,電力消費が激しい)になってない?」
「そんなに高くないし純正でいいのでは」
 →レーテンシー0でした&Aliexpressで互換品を発注しました

UI

4ボタンで直感的にわかりやすく,そもそも設定があんまりないし,
頻繁に変えるのはISOぐらいだから大きな問題はないけど,ISOオート的なものが存在しないので(残念ながら当然)
ISOは光線状況次第だけどそれなりに変えるのでダイヤルとかで直接いじれるUIの方が望ましいっすね

LiveView

テザーライブビューができるらしいんだけど,試したことがない.うちのPC(Windows)にFireWire刺さらないからね…
USB Cアダプター買って,CaptureOneの古いバージョン入れればできる,のかな?
まあFFT CCDのライブビューなんざ実用性「」みたいな世界なのは自明なので,話のタネ以上にはならないだろうな,ということで放置

RecView

一応ヒストグラムが出せるんだけど,Rawに埋め込まれるサムネ的な画像(ガンマかけずに中央8bit取り出しただけなのでは?みたいな絵)
のデータを出しているだけなので,白飛び黒つぶれの参考には全くならないというシロモノ.
ついでに言うとサムネの解像度はよくわからないけどたいしたことないのでピントチェックも不可.
即チェックするならテザー撮影するしかないっすね…FireWire…なるほど,プロが処分するわけだ(CaptureOneがFireWire非対応になった)

記録

CFカード1枚.なんならテザーが本筋だっただろうし、あるだけマシなんだろうな,とは思う
カードが高いので中華SDアダプターでなんとかならんかと試してみるも不発,残念でした
前ユーザーの16GBと拾い物の32GBがあるのでとりあえずなんとかなっている

可搬性

全備重量が2kg超えるのはわかって買ったんだけどやはり重い
運搬時はボディとバックを外した方が良いらしいんだけど面倒でつけっぱなしで運用.今のところ問題は起きていません
純正ストラップは丈夫で幅広,肩掛け首掛けともに大きな問題はないけど,軽めのレンズを装着して首掛けにするとカメラが正面向くんですよ
そうすると,バック部が腹に当たる.地味に痛い.正直あまりフィールド使用は想定されていないのかな,とも感じます.
グリップストラップにした方がいいかなぁとも思っているが,手持ちのは小さすぎて使用不可.
読んでいる方,おすすめがあれば教えてください.
→という話をX(twitter)の虚空に放ったら先輩方から「ピークデザイン」「サンスナイパー」なる情報が.特に三脚穴に2点吊りの片側が来るタイプのものを使えば、レンズが下を向くので概ね問題が解決するとか
こちらお読みの方もおすすめがありましたら教えてください

レンズ

PhaseOne AF35mmF3.5D

マミヤ版とモノは同じ。
どうやら基本設計は相当古い(MF時代から大きな変化なし.基本設計は50年前か?)らしいが,かなりシャッキリ写る
歪曲と色収差はそれなりにあるけどプロファイルを当てれば問題なし
絞ってパンフォーカス,というのが基本的な使い方
一応開放だとライカ判だと22mm F2.2のボケ量相当のはずなんだけど,そういう使い方する気にならないのはなんでなんだろう
バックのところにも書いたけど,トリミング前提で(5440と4836と4433で)22,25,28mmとして使えるので普段使いには広いけど1本でまあ戦えるかな,という印象.
欲を言うともう少し狭いのと38mm(換算24,28,30mm相当になる)と広いの28mm(換算18,20,22mm)みたいな組み合わせの方が使いではあると思うけど ボディのところにも書いた通り交換がそれなりに億劫なので中間のこの辺がいいところではあるのかな,と.

F8~11固定とかでいいと思う

Schneider AF80mmF2.8LS

マミヤ版とモノは同じ。
こちらも設計が古い(MFのNL時代から大きな変化なし、30〜40年変わらず)模様.2-3枚目を分離した標準的な一眼レフの6枚プラナー構成
ライカ判だとF2クラスかF2.8マクロの構成
収差補正のバランスがライカ判と明らかに異なっている印象.F2(1.8)のボケ量でF2.8マクロと中間ぐらいの印象
開放はやや低コントラスト,絞ってもやや緩い印象がある
レンズシャッタはボディ側で書いた通り未使用 換算50mmが割と苦手であるが,55-110辺りを使うよりはよかろう(主に重量面で)ということで使用 トリミングで狭くしても中途半端な画角. MFの80mmF4マクロや80mmF1.9の方が遊べるかもなぁと思っている

もうちょっと寄りたかったんだけど間合い的に限界だった

PhaseOne AF120mmF4DマクロMF

マミヤ版とモノは同じ。
こちらもMF時代から基本設計維持ではあるものの,比較的新しい設計
エレメント重量のせいか,フローティング(してるのか?)あたりのせいか不明だがAFマウントのMFレンズ
この辺の仕様はCONTAX645のApo Makro Planar120/4と同じですね.
Hasselblad,Pentaxも含めて同スペックのレンズ構成(プラナーの後ろに凹凸凹(1枚少ないこともある)の固定群)は類似していて興味深いですね.特許追ってみると面白いかも(未調査
ライカ判でも100mmF2.8クラスマクロに比較的見られる多構成ですね(ApoMacroElmarit100mmF2.8 FA100mmF2.8Macro Ai AF MicroNikkor105/2.8 EF100mmF2.8Macroなど)
シャッキリ高コントラストだし解像もモリモリする素晴らしい描写だけど ピント合わせが結構大変.考えてみると「一眼レフでMF」はほとんど経験がないのであった(ミラーレスではアダプター使って割とやるが) 特にマクロ域と中景(電車撮るぐらいの距離感)が厳しいので  AF版(これが玉数が少ないんだ…)を買って,105-210ULDとまとめて処分,というのもアリかなぁ…

現代的な写りだが使いこなしはなかなか…


Mamiya AF105-210mmF4.5 ULD

こちらもMF時代から基本設計維持っぽい.世代的にはNと同じぐらいか?
望遠系が120マクロMFしかなかったので,買い足し
選択理由は
150mmF2.8/120mmマクロAF→予算out
150mmF3.5/210mmF4→寄れない
ということで人撮り用に導入.
ズームだし設計古そうだしボケがどうかなぁーと思って買ったら,
F8ぐらいまではかなりポワっとしたボケ,口径食なのか周辺減光も割とあり「味のある写り」ということにしました
明るいところで白い被写体を取るとかなり滲むし,輝度差のある被写体を撮ると軸上色収差ははっきり認識できます。ULD(Ultra Low Dispersion = 特殊低分散)レンズを使ってる割には…という感じなんですが 1枚とかなんですかね?(フルサイズズームレンズで「3枚あれば概ね問題ないレベルにできる」と設計者が言っていたのを伺ったことがある
ギリ標準域の換算65mm~換算130mmぐらいをカバーできるので人撮りには良い焦点距離だと思います
最短1.5mで望遠端でなら「寄れない」とはあまり感じません
重量約1kgでCとかSの70-200F2.8が脳裏にポップするんですが,こちとら3万円台で買ったので…

ほどよいゆるさ

フードについて

レンズが4本あってそれぞれ付属フードがありまして。総じて品質があまり良くない印象があり
35mm ゆるゆる,固定できない
80mm 締まるがロック感なし
120mm 締まるがロック感なし
105-210mm 締まるがロック感なし
35mm以外は実用上の問題はないけどもうちょっとこう…

購入検討

AFレンズ
AF28mmF4.5D
いるかいらないかで言うとあまりいらないが,35mmでも引き足りないケースはあるんですよねぇ…
AF150mmF2.8 D
120マクロMF+105-210ULDを120マクロAF+150mmF2.8で置き換え,金と玉数考えなければそうしたいんだけど,120マクロAFはろくに市場在庫がないし(現行品は高くて重くて無理)
AF120mmF4D マクロ(AF)
こちらも割と高いのと玉数が全然ないんですよねぇ
AF APO300mmF4.5
いるかいらないかで言うとあまりいらないが,鳥散歩(近所の川とか)するには105-210はちょっとアレなので欲しいと言えばほしい

MFレンズ
80mmF1.9(N)

マス売りした製品としてフィルム中判で最も明るいレンズだし(エルノスターとか例外は知っているが),マミヤ使うならこれは.というお気持ちがある
ただ,現在の中古相場が6万円台~だけど昔(10年ちょっと前)は半額以下じゃなかった?と思うとなかなか…(DIYスキャナカメラが流行った時に調べた)
80mmF4マクロ(N)
80mmF2.8があまり寄れない(最短70cmは一般的なスペックではある)ので欲しいな,と感じることは多い
いかんせん,カビ玉曇り玉が多くてどうしたもんかといったところ.一般にマクロレンズは機構が複雑で分解難しいしなぁ
A150mmF2.8
150mmF2.8AFが高いので…間に合わせに買う,か?

社外
Pentax FA150mmF2.8
A150mmF2.8と同じポジション。Mamiya AFと比べるとなんでこんなに安いんだ…
Pentax FA45-85mmF4.5
標準域のズームなら40-80BlueRingは非現実的な価格と重量なので、手が出せるラインだとこうなる。
ところでContax645の45-90と構成が酷似しているんですが、特許調べてみたいっすね(再
Leica M Summicron 90mm(1st)
Visoflex対応レンズは付けられる、はず…このレンズは父が持っているのでヘリコイドやらマウント変換やら買ってトライ予定。
Canon NewFD500mmF4.5L
以前ヤフオクで出物を買ったので何故か持っている。
フィルタボックス外してどうのこうのすれば取り付けられる、はず。まあ重量的に死亡確定だし、何撮るの?と言われると謎で必要が生えない限りは…

総合的な感想

・難しいが面白い
・写りがすっげぇ分,「写真の下手さ」(というか意図のなさ)を突き付けてくる感じがあって厳しい
F社がフィルムシミュレーションとかで,軽便に「映える」感じを提供しているのはこういうところ対策だと感じました
・実はM本社工場はクッソ地元(出身高校から1km程度)なので,コイツは少なくとも日独往復(ドイツ人からebayで買った)しているんだなぁという謎の感慨
・センササイズ論争的なのがあるけど,ライカ判→645判でもサイズ小さい方が軽便,大きいと取り回しが悪い分という基本原則は変わりませんね。特定の目的によっては優劣は発生するけど、根本的なところでは優劣はないですね。
元々ライカ判も「可搬性」「軽便性」を追求した結果発生したフォーマットだしね。

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