牡馬クラシック 冠の軽重を問う その2


概要

前回の記事で中央牡馬三冠競走の一冠馬の
力関係(=古馬成績比較)、現役期間
などを話題にしましたが

二冠馬、三冠馬も加えて比較してみます

対象競争

前回と同じく対象にしたのは1983年クラシック以降、約40年分です

前回と重複しますが当該クラシック競争勝馬リストです

JRA牡馬クラシック勝馬(1983~2023)

クラシック後の成績を比較する

例によってその後の成績、つまり古馬混合GIでの勝ち星を見てみましょう
母数は一冠馬
皐月賞24頭、ダービー29頭、菊花賞31頭
二冠馬
皐月・ダービー 6頭、皐月・菊花 5頭
三冠馬
6頭
です
一冠馬と二、三冠馬の数がかなり違うので母数で割って割合にしてみます

JRA牡馬クラシック馬 古馬GI勝ち星(統計

皐月・ダービーの二冠馬は古馬GI1勝馬がおらず、0勝と2勝しかいないのは興味深いですね。
皐月・菊花の二冠馬は古馬GIを勝てたのがミホシンザンとゴールドシップのみ。
それぞれの一冠馬と比べて特に成績が良い傾向もないようで意外と二冠馬の古馬成績は一冠馬と大差ないようですね。
比較すると三冠馬は全て古馬GI1勝以上しているし、3勝以上が3頭(半数)
やはり傑出した馬でなければ得られない称号と言うことでしょう

引退時期を比較する

さて、どうも二冠馬はそれほど優れないっぽいのですが、早期引退が多かったりするんでしょうか。2頭古馬GIに出走もできなかった馬、1頭4歳(現馬齢表記)になれなかった馬など思いつきますので、引退時期の比較をしてみましょう

JRA牡馬クラシック馬引退時期

例によって、最後に出走したレース時の馬齢です(取消になった場合は除外)
表記変更前の馬も現在の馬齢にしています。

…皐月・ダービー二冠馬引退早すぎでしょう
平均を上げている5歳冬引退2頭の片割れはトウカイテイオーだからね…
ダービーより顕著に無理をしないと勝ち取れない称号と考えてもよさそうです

皐月・菊花二冠馬は引退時期バラバラだけどトータル早くはないですね。三歳冬が最終戦になったのはサクラスターオーなのでまあ…
こちらは脚質や適正や世代内力関係で取れて、絶対能力の傑出を必ずしも示さないものなのかもしれません

三冠馬は引退時期が集中しているし、余力を残しつつ4歳か5歳全うして引退か軽度の故障で5歳春引退ってパターンが多いですね

古馬GIの平均勝ち星と引退時期をまとめてみるとこうなります

古馬GI勝ち星と引退時期平均

一冠馬は現役長いほど勝てる傾向があり、概ね相関あるとみなしてよさそうですが
二冠馬は相関の外(皐月・ダービーはより勝てるが引退早い、皐月・菊花は勝ててない)
三冠馬は全然そういうレベルじゃなかった…
散布図にするとこうです。

古馬GI勝ち星と引退時期平均(散布図

三冠馬つおい…

まとめ

・二冠馬の古馬戦績、一冠馬よりも低い傾向
・皐月・ダービー二冠馬の引退が超早い
おそらくダービー取りよりもさらに負担大(そらそうだ)
・皐月・菊花二冠馬は引退が速くはならないが、戦績は…
必ずしも基本性能の傑出の証明にならない
・三冠馬は別格

次回

種牡馬価値をそのうち…

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