素人がマミヤ645AF(+デジタルバック)システムに手を出すに当たって調べた諸々
はい。と言うわけで買ってしまったわけなんですが、買う前・買った後いろんなことを調べたのでその辺。
日本語ネット上にまとまった・正確な情報が存在しないのがかなり痛かったのでその辺踏まえて備忘的に
マミヤの変遷
1940…マミヤ光機 間宮精一が創業
1975…645判一眼レフシステムを世界で初めて発売
1984…海外代理店兼事実上の親会社大沢商会が事実上倒産、会社更生法申請
1992…釣り具メーカー オリムピックと合併、当初 「株式会社オリムピック」翌年「マミヤ・オーピー株式会社」に改称(現在、釣り具も分離して別会社に)
2006…コスモ・サイエンティフィック・システムに「マミヤ株式会社」含む光学関連部門を売却「コスモ・デジタル・イメージング株式会社」に。同年コスモ・デジタル・イメージング株式会社→マミヤ・デジタル・イメージング株式会社に改称
2007…フェーズワンと業務提携
2011…マーケティング、サポートをフェーズワンに移管、開発と製造に専念
2015…光学事業がフェーズワンに買収され「フェーズワン・ジャパン株式会社」に
なお、フェーズワン自体も結構色々親会社変わっているようで大変そう。CaptureOneとは別会社になっちゃったね…
ボディ
ボディ情報。日本語wikipediaの情報を適当に要約、一部追加
645AF(1999)
AF対応。ボディ・レンズ・フィルムホルダーにそれぞれCPUを搭載。基本的にフィルム専用。
AF駆動はボディからカプラー、絞りは物理連動ナシ
MF時代のレンズはファインダースクリーン交換の上絞り込み測光、自動絞りではないというかなり強い制限がある。この辺の無慈悲な割り切りは後方互換性を投げ捨てがちなマミヤらしいっすね(ライカ判一眼レフ20年でマウント7つ出したことで有名)
以後、レンズの電子接点はフランクに増設される傾向がある
電源は単三6本
645AF D~III(2001~2008)
デジタルバック/フィルム兼用。デジタル専用のDFよりもなんなら中古市場で高値が付く傾向もあるとかなんとか…
無印:デジタルバック通信システム搭載。自動制御/CPUのアルゴリズムを変更
II:カスタムファンクションを搭載。ミラーアップ撮影を機械的操作から電気的操作へ変更
III:新たに3点測距点を設定。自動切換、中央、右、左を選択可能
ⅢからPHASE ONEとダブルブランド展開。PHASE ONE AFDは本製品と(ほぼ)同一らしい。
電源は変わらず単三6本
ZD(2005)
唯一の一体型、48x36mm Dalsa製CCD 2200万画素
相当気合を入れて当時1Ds一択だった100万円程度の予算感での多画素市場に食い込もうとしていたようですね
コレが開発期間伸びて発売1年遅れたのと商業的にアカンかった(らしい)のが経営的にしんどくなって最終的にフェーズワンに買収された原因のような気がですね…
645DF/DF+(2009~2012)
デジタルバック専用
リーフシャッターレンズに対応
AF測距点は再び1点に
AFDIIIと比べるとAF性能はかなりマシとの噂(なお、逆光はどっちもダメ、なんならXFも…)
縦グリ(バッテリー増)設定。ユーザFWアップはこれがないとできない。
専用リチウムイオン電池対応
+:AFアルゴリズムを更新
動体向きのチューニングと言う噂もあるが詳細不明
XF(2015)
マミヤ→フェーズワン吸収後、フェーズワン単独ブランドでの展開
AF強化(バージョン2種類あるとのこと)
振動センサ搭載、ウェストレベルファインダ対応
バッテリーがバックと同一に
デザインが直線基調に
雑な要約
AF…フィルム専用
AFDI~III…フィルム/デジタル兼用
DF,DF+…デジタル専用
XF…現行。高い
普通に2ダイヤルのくせに、Av/Tvだと露出補正するのに露出補正ボタン押さないとできないのはちょっとどうかしてると思いました(@DF+)
という仕様が私の勘違いで、絞りorシャッタと別ダイヤルで露出補正をダイレクトに設定できる方法があれば教えてください…
バック
基本的にフェーズワン(デンマーク)とリーフ(イスラエル)のデジタルバックを使用(古くはimacon(ハッセルのバック部門の前身)なんかもあったそうですが)
各メーカーの傾向
フェーズワン…コダックCCDが多い。ダルサCCDを経て現在はSony CMOSメイン、撮影時のみCCD通電、自然冷却、高感度長秒露光得意(相対的に)
リーフ…ダルサCCDのみ後にSony CMOS投入、常時CCD通電、強制冷却、高感度長秒露光得意(相対的に)
画の違いは知らないので不明。
CCD(CMOS)はいずれも同一画素ピッチでサイズ色々というラインナップの作り方。サイズは多少の違いは丸めてラインナップを整理するとこんな感じ
ラインナップ
・リーフCredoはフェーズワンプラットフォームによるもの、画作りとかはリーフのままだったんですかね(わからん)
・サイズ欄は長辺x短辺サイズ(mm単位)。モデルにより多少±があり最大1.1mmぐらい違いますが一応の目安として
・基本的にデカい方が高くて弾数が少ないので初心者はあまりこだわらずにあるものを買えばいいんじゃないでしょうか(自分はP65+行ったくせに)
・同一撮像(と思われる)製品でも新しい方が基本的に熱の処理やらメモリサイズやら処理能力やらでな使いやすいはず。
・撮像素子そのものも電気的、物理的な設計は同じでも、製造プロセスの真空度なんかで暗電流ノイズなんかが変わるという話も聞きますし、新しい方が基本的に良いと考えてよいと思います
・HシリーズとValeoシリーズはテザー撮影専用(厳密にはValeoは DigitalMagazineというオプションがあればPCなしでも使えるはずだが…)で液晶と記録メディアが使えないので余程のモノ好き以外は避けた方が無難かと(避けた)
・テザーで使う場合はP/P+/Aptus系はPC接続インターフェースがFirewire(IEEE1394)なので現代PC環境での使用はかなり厳しくUSB対応のIQ/Credo以降の方が無難だと思います(アダプタ使用でどうにかなるのかならんのかは不明)
余談
コダックCCDは2011/12にトゥルーセンスに売却
更に2014/4にオンセミに買収
たぶんこの辺の事情で開発が止まってP+やIQ系での採用がなくなったんでしょうね(現在コダックFFT型CCDは全て廃盤)
一応6umピッチCCDは製品化までしていて
Pentax645D(4433)やハッセルHの40,50MCCDモデル(4433、4836)はコレ
レンズ
ざっくり世代で分けると
AF無印
フィルム想定のモデル。以後も光学設計の大変更はなかなかないので、後継モデルと画質的には大差ないケースも多いとか。一般的に言うとフィルム想定レンズのデジタル使用はCCD保護ガラスで発生する色かぶり、収差(周辺流れ)は広角と大口径程起きやすいはずなので35mmや45mm辺りは後続モデル使ったほうがいいかも(諸説ありますが)
外装の加水分解(ベタベタ)、初期レンズは通信プロトコルが古く新世代ボディとの組み合わせで律速があるとかないとか(問い合わせても知ってる人がもういないとか)
望遠以外はMF時代のレンズ構成から変わっていないっぽい。
AF D
デジタル対応。Sekor銘が復活
AFD無印では使用に制限があるらしい
フェーズワンとダブルブランドで販売しておりフェーズワンブランド品は現在でも修理可能とのこと。
ズームの焦点距離が短い側にシフト…のつもりだったようだが標準ズームの方は結局発売されなかった模様
150mmF2.8が構成を刷新して登場
4433、4836の広角補完のつもりか28mmF4.5が登場
LS(マミヤ)、LS(SK=シュナイダー・クロイツナッハ)
LSはレンズシャッターまたはリーフシャッターのこと
一般的にはマミヤとシュナイダーで世代分けないと思うんですが、マミヤブランドでどこまで出ていたのかなぁ、と。わかる範囲で調べました(正直正確かわからん)
最速1/1600のレンズシャッター内蔵
DF以降のボディで対応
マミヤブランドでも出ていたモノとシュナイダー銘でしか出ていないモノがあるはず
ただ、120mm TS(ティルトシフト)以外はマミヤ製造のハズ
300mmと210mmのポジションの替わりとして(240mm)が登場
BR
Blue RingシリーズXFに合わせてリニューアル。光学系が刷新されたレンズも多い模様、新設計のものはシュナイダー設計らしい。マミヤが光学設計能力喪失しちゃったのか、ブランディング戦略的なものなのか、どうなんでしょうね
アマチュアユーザの実感としては高すぎ&重すぎで無理っす
ライカ判換算画角は
4433が0.8倍
4836が0.7倍
5440が0.64倍
で計算すればよい
現在手持ちが35,80,120(MF)なので中望遠カバーするレンズは欲しい
贅沢を言えば150mmF2.8Dが欲しいけど…(現実的にはとりあえず105-210か210を買うと思う)
互換性
過去記事より。
HシリーズとValeoシリーズは不明、たぶんDF系までは使えるのではないかと、ただちょっと実用厳しすぎると思うけど…
MFレンズは、絞り込み測光・実絞り撮影になるが使える模様(露出計を動作させるためには専用のファインダースクリーンに交換の必要あり)
またXFだけは別途レンズ側に軽改造が必要らしい。
要するに
ボディは
フィルム兼用→AFD系
デジタル専用→DF系
プロ、金持ち、狂人→XF
ファインダースクリーン
SA402(typeA)標準マット
SD402(typeA)方眼マット
SV403(typeA)全面マット
SF402(typeC)マイクロプリズム→おそらくMFレンズ用
ストロボ
TTLオートを使うためにはMetzのSCA3952アダプターが必要
対応ストロボは
44MZ-2、54MZ-3、45CL-3/4、60CT-4、70MZ-5/4とのこと
ただ、製造元が倒産していて輸入代理店の修理対応も終了しているし、そもそもストロボはちょいちょい見つかってもアダプターが全然見つからないので、基本的に諦めた方がよさそう
なお、チャージは遅く、結構壊れやすいそうで実用性と言う意味ではどのみち結構疑問符な模様。
現像
CaptureOneかLightroomが基本的な選択肢。
フェーズワンユーザーならCaptureOne(フェーズワン用)は無期無料で使えるのでとりあえずそれでいいんじゃないかな
フェーズワンHPから製品ユーザ登録して、CaptureOne利用申請の必要あり
申請は日本語でも行けるという噂(頑張って英語で出したんだが?)