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上海駐在帯同への道③子どもは引越しをどう捉えるか

前回までのあらすじ

夫の転勤により今夏には上海に渡航予定のわたしと子どもたち。
下の息子は3歳なのでまだよくわかっていないですが、上の娘は年中クラスの5歳。
大人の会話からある程度のことは理解します。
転勤の可能性がわかってから3ヶ月間で、子どもたちの新しい園選びや予防接種、そして保育園に退園のことを伝えて、子どもたちにもその旨を伝えるという任務を徐々に進めてきたわけですが…

※前回は幼稚園選びについて書きました。
↓こちら

ということで、今回は、保育園退園、引越しなどの事実を5歳女子にどう伝えていったか、をお話しします。

焦っていたわたしが口走ったのが最初

2022年の12月。ちょうど夕飯時でした。夫から珍しく電話がかかってきて、
「4月からの転勤説が濃厚かもしれない」と言われました。
それまでは、
「来年の途中か、再来年度(2024年4月)だと思う」というとてもざっくりした話だったので、いきなりその時期が早まった速報でした。まだまだ未確定でしたが、夫の口調だと、おそらく今年の4月で決まりなんだな、という印象でした。

わたしは何故かオロオロして「家族はどうなる?」とか「保育園はいつまで行ける?」とか口走り(もちろんこの時点で夫に言ってもどうしようもない質問)、表情もかなり真剣だったと思います。
それを聞いていた娘は不安そうに、
「ママどうしたの?」と聞いてきました。
これまで、彼女に対してあまりごまかしたことがないわたしは、
「いや、、なんでもない、、まだわからないから、、」も言いつつも、
「もしかしたらいまの保育園じゃないところに行くことになるかも」
という大変衝撃的な内容を、不安な表情のまま伝えてしまったのでした。

この伝え方は、5歳児の不安を煽っただけで、保育士としてであれば本当に大反省しないといけない事例です。しかし1人の妻であり人間のわたしとしては、もう保育士であることは忘れて、完全に焦っていたので、今思い返しても、しょうがなかった、と感じます。

もちろん娘は、雰囲気を察して『引っ越さないといけない寂しいわたしたち』みたいな空気感でわんわんと泣き始めました。
「保育園かわるのいやだぉぁぁぉ」
そしてようやくわたしはハッとして、
「いや、まだわかんないから、ね?わかんないから、大丈夫。まだ変わらないからね。」
とかなんとか言ってその場をなんとかしのいだのでした。

しばらく引っ越しの件は封印

そういうわけで、子どもたちにはしばらく、転勤や引っ越しのことは話さないことにしました。

最低限ですが言わなければならなかったママ友や保育園の先生にも、娘には絶対に伝わらないようにしてほしいと頼みました。
ですが、娘がいる前で夫婦で会話をしたり、わたしたちの仲の良い友だちや、親戚などと話をする分には、ある程度はOKにしました。
あまりネガティブな言い回しをせずに、できるだけ楽しそうに、「いつ行けるかなぁ」とか、「インターと日系どっちにする?日本語?中国語?」というような、『引っ越す』とか『友だちと離れる』とかいうワードは出さないようにしました。

ただ1つだけ、小学校は、新しいお家に引っ越して上海に行くから、近所の学校じゃないからね、ということは伝えていました。
小学校はかなり後の話なので、娘も「わかったー、こないだお友だちにあそこの学校って言っちゃったよー、ちがった、っていっとくわー」と妙に納得したようでした(?)。

「わたし英語が良い」


そんなある日のこと。
「やっぱり日本語(日系幼稚園)かね?」という、夫へのわたしの言葉に、
「えーわたし英語が良い」と娘が言いました。
「しゃんはいに行くんだよね?わたし英語が良い」と。
大人の会話を聞いて、友だちと別れることは別にして、未来の幼稚園での生活を彼女なりに想像していたのでしょうか。

「そうなの?上海の人たちは、みんな中国語だよ。奶奶爷爷(=おばあちゃんおじいちゃん)が喋ってる言葉だよ。」とわたしが返すと、
「じゃあ英語は?」と娘。
「英語は、パウパトロール(=カナダのアニメで普段は日本語吹き替えで見ているが時々英語版も視聴している)の言葉だよ。helloとか、paw patrolとか。」とわたし。

これが2月頃でしょうか。日本語以外の言葉を認識して興味を持ち出したようで、この頃から英語と中国語を聴き分けるようになりました。
そして同時に、わたしたち夫婦が意識的に使うようにした「你好」「谢谢」などの簡単な言葉にも、返してくれるようになり、3歳の息子も英語を聴くと「これ英語だね」と言うし、中国語も真似し始めました。

だからもしかしたら、上海に行っていくつかの園を見学したら、子どもたちは英語や中国語の園が良いと言うかもしれません(一応わたしは日系寄りを第一候補にしていますが。前回の記事参照)。

徐々に前向きになる5歳

そして、ある時わたしが行かせたいと思っている園の写真を娘に見せて
「ねえ、こーいう幼稚園がいいかなと思ってるんだけど。」とおそるおそる伝えると…
「え!こういうバッグを使うの!?やったー!」と嬉しそう😂
「誰もマスクしてないし〜!」※それはコロナ前の写真だから☺️
「保育園じゃなくて、幼稚園!?わーい!」☺️😂

とんでもなくポジティブな5歳児さんのコメント。
その前向き波🌊に乗って、
「8月に引っ越そうかな、と思ってるよ。」と言うと
「わかった!8月ね!みんなに言っとく!」と、全く動じない娘😂あれあれ?

そんな感じで、3月に入る頃には、
「8月には飛行機にのって、しゃんはいにひっこすんだー!毎日弁当なんだっ!」とものすごく嬉しそうに報告しまくるようになったのでした。

その報告を受けた友だちは、「ふぅーん!」とか「えーなんで?」とか「そうなんだー!」とか言ってるらしいけど、大人からしたら、意外とあっさりとした反応のようです。
実際わたしが保育士をやっていても、年中組の子たちの転園は結構あるもので、そんなにみんな気にしていないイメージがあったので、やっぱりそんな感じだよねー?と答え合わせができたような感覚もありました。

小出しにして、ポジティブに!


娘はかなり繊細なところがあって、防犯訓練が苦手だったり、かなしい内容の絵本を読むとすぐに泣いてしまったりします。
だからこそ、娘とのやりとりに関しては、(最初の口走りがあったこともあり)こちらも結構慎重になっていました。
保育園との連絡帳では、娘がどこまで理解しているか、わたしがどこまで話したかをこまめに知らせるなどして、連携を図りました。
その成果なのか、彼女の性格なのかはわかりませんが、今のところ上海に対してとても前向きですし、目に見える準備はまだまだないので、普段通り過ごしています☺️


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