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【小説】とあるゲイの恋物語【第2話】

~再会~

【数日後】

あの日の出会いが忘れられず
また、あのお店のドアを開けた。

「こんばんは。」

としやが挨拶をすると

「としやくん、いらっしゃい。」

店主のゆうじが挨拶をした。



お店の中に入ると
そこには、見覚えのある大男が1人。

ドアの開く音で、
振り向いた大男と目が合った。

「あ、こんばんは。としやくん、この前はありがと。」

大男のこうすけが、笑顔で挨拶をしながら
としやを軽く手を振った。

少し緊張した様子で会釈をした後、
こうすけの横の席へ案内された。

 

「こんばんは。こうすけさん。今日はお一人なのですか?」

緊張を隠しながら、こうすけに尋ねた。

「今日もあいつと待ち合わせなんだけど遅くなるみたいでさ。」
「よかったら一緒に…どうかな?」

としやは

「今日も2人で飲む約束…。やっぱり、2人は付き合ってるんだよな」

と戸惑いながらも

「も、もちろんです!」

と笑顔でこうすけの案内された、横の席についた。

席についてまもなく

「乾杯。」

2人で顔を見合わせ、少し照れていた。


ゆうじがこうすけに向かって話し始めた。

「こうすけも、だいきも、最近結構お店に来てくれるけど…」
「そろそろ男作らないの?」

こうすけは苦笑いをしながら
「なかなかね。だいきは、新しい男をみつけたみたいだけど…」
「俺はグイグイいくタイプじゃないし」

それを聞いて、としやは驚いた。

あまりの驚きに、大きな声で

「えっ!?こうすけさんと、だいきさんって付き合ってないのですか?」

その質問に、こうすけは少し驚き

「だいきはただの友達だよ。」
「面白くていいやつなんだけど、そういう関係ではないよ。」

と、としやに笑顔で答えた。


少し嬉しそうに

「そうなんですね」

と、としやが答えた。

その様子をゆうじは優しく見守っていた。



「そういえば、としやくんは、彼氏とかはいるの?」

こうすけの質問に、としやの体は強張り、緊張が走った。


「えっと…い、いま…」

としやが言いかけたところで突然、お店の扉が開いた。

「こうすけ、待った?」

勢いよく、だいきが店に入って来た。

「って、あ、としやくんじゃん!こんばんは。」

その勢いのまま、としやにも挨拶をした。

としやは戸惑いながらも

としや「こんばんは。だいきさん…」

と、だいきに挨拶をした。


こうすけは、嬉しそうに答えた。

「おぉ、としやくんと話してたから、楽しかったよ。」
「それにしても、思ったより遅かったな。何してたんだよ?」

だいきはしかめ面で

「会社の飲み会で。愚痴大会。最悪だったよ。」
「としやくんもいるなら、早く抜け出せばよかった。」

それを聞いてこうすけが

「それは、大変だったな。まぁ、とりあえず乾杯しようぜ。」

とだいきを奥の席に座らせた。

そして、3人が席に揃うと

「お疲れ様。乾杯!」

と、グラスを鳴らしながら
お互いの1日を労いあった。

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