トリップの意味とアフリカの手
お盆休みで混雑する空港を映し出すニュース映像をみて、ふと思い出したこと。
私は旅行先で買い物三昧、みたいなことをしたことがなく、ハワイのショッピングセンターに入り浸るとか免税店に時間をさくとか、国内でも避暑地に行ってアウトレットで買い物、という行動を純粋に不思議に思っていた。
せっかく異国なり目新しい環境にやってきているのに、どこでもできるような行動に時間を割くことが、私なら勿体なくてできないなあ、という感覚だったのだが、
旅先で買い物三昧できる人は、軸足が日常にちゃんとあるんだろうなと、最近思った。
旅先で買い物をして持ち帰った戦利品を帰国後に使う。旅のテンションによる衝動買いもあるにせよ、買い物をするということは、基本的に帰国後の日常が視野に入っているのだと思う。
旅が終われば日常に戻るのは当たり前なのだが、私の場合、多分旅の目的が文字通り日常から「トリップ」することであって、衣類とか化粧品とか、日常に連れ帰るようなものの買い物をした日には一気に日常に引き戻され、旅の目的が果たせなくなる。
そんな「我にかえる」瞬間は、旅からはできるだけ排除したい。
日常はできるだけ遠いところにおいておきたい。
現実をみたくない根っからのダメ人間なのかもしれないが、
そういう「トリップ」を求める気持ちが、そもそも「できるだけ想像の範囲を越えていそうなところ」というポイントで、アフリカにたどり着いた経緯なのかもしれない、と、
めっきり海外にも行かなくなったいま、冷房の効いた室内で、ふと思ったのでした。