ぼっちプロダクトマネージャーになってから 6ヶ月でやったこと(PdMコミュニティ活用法)
こんにちは!PETOKOTO FOODS PdMの小野です。
このnoteは2021.5.20に開催しました、「PMが集まるコミュニティからプロダクト作りのヒントを学ぶウェビナー」に登壇させていただいたときに発表した資料を再度まとめたものです。
今回のウェビナーでは、ビジネス、デザイン、テックそれぞれバックグラウンドに持つプロダクトマネージャー(以下PdM)が、コミュニティをどう活用しているかというお話をさせていただきました!
自己紹介
私は、もともとUI/UXデザイナーをしていたので、デザインバックグラウンドのPdMです。
得意領域はUI/UXデザイン、ユーザーインタビュー、定性調査など。苦手な領域は定量調査や数値分析などのビジネス領域で、まだまだ自分の中での苦手意識が強く、スキルアップしなければ...!と日々思っています。
会社紹介
現在は、人が動物と共に生きる社会をつくるをミッションに掲げる株式会社PETOKOTOで、D2Cフレッシュドッグフードサービス PETOKOTO FOODSのPdMをしています。(愛犬家の方是非おためしください!)
自分の置かれた状況
そんな私が半年前、「PdM未経験なのに、弊社の始祖のPdMになる」ことになりました。
・20人規模の少数のスタートアップ
・会社初のPdMに自分がなることになった
・プロダクト開発チームは1つのみ(6名の小規模のチーム)
・全員中途メンバーで自分よりもベテランのメンバーが多い
・今後開発チームが増えて行った時のためにも、自分がPdMのロールモデルにならなきゃいけなくなった
という状況で右も左もわからないまま、「とにかく、なったもんはやるっきゃねぇ!」と走り出すことにしました。
PdMになって最初の3ヶ月でやったこと
最初の3ヶ月はとにかく我流でがんばってみようと、色々な方法を試してみました。
デザイナーのスキルの応用でできることを始めた
まずは自分の得意領域を応用してできることはないかと、3つの取り組みをスタートしました。
1.共通認識をとるため、目に見えないものを可視化
2.プロダクト開発メンバー、ステークホルダーとのコミュニケーション
3.自分のスキルを客観的に見るための調査+分析
1.目に見えないものを可視化
チームミッションを立て、チームの役割を可視化し、共通認識を持つ
まず最初に、チームミッションを立てて「チームの役割」を可視化しました。
キックオフのときに、前期のKPTをしながら自分たちの会社での役割をメンバー全員で考えました。
そこで上がってきたキーワードを元に、自分たちの役割を可視化するためにチームミッションを決めました。
チームミッションができたことで、チームの役割が明確になり、共通認識を持ってスタートすることができました。
また、自分たちのチームミッションを全社に共有することで、CSや、事業開発など、他のチームからも相談しやすい環境を作るようにしました。
チームやメンバーに期待することを可視化し期待値をあわせる
チームミッションを決めた後、チームメンバーでドラッガー風エクササイズを実践してみました。
私が参考にさせていただいた、ペパボさんのブログにワークの詳細が書かれているので、実践したい方はこちらをご覧いただくことをおすすめします!
ドラッガー風エクササイズは、「自分の得意なこと」「自分が周りから期待されていると思うこと」「他のメンバーから自分に期待すること」がわかるので、チーム内で自分がどんな働き方をしたら良いかの解像度が上がります!自己分析じゃわからない気づきなどもあるので、チームビルディングの手法としてすごくおすすめです。
2.チーム、ステークホルダーとのコミュニケーション
プロダクトマネジメントトライアングルの角の役割を持つ人とコミュ二ケーションをとる
PdMの人は一度はみたことがある、プロダクトマネジメントトライアングルですが、プロダクトマネージャーはこれらの領域を健全に機能させることが役割とされています。
自分は開発者に寄っていたので、顧客=CS、ビジネス=事業責任者(CEO)として、このトライアングルを機能させるために、ステークホルダーとのコミュニケーションを積極的にとるようにしました。
具体的なコミュニケーションの一例ですが、多様な視点をもったメンバーで課題に向き合うため、フィッシュボーン図を使った課題出しを、事業責任者(ビジネス)+CS(顧客)+開発チーム(開発者)で行いました。
(こちらのnoteを参考にさせていただきました)
1つの課題に対して、ビジネス目線ではどう考えるか、顧客目線ではどう考えるか、開発者目線ではどう考えるかを議論し、多様な視点で解決策を考えることで、それぞれの視点での考え方を理解しながら課題に向き合うことができました。
チームメンバーの価値観を知って相互理解を深める
チームとのコミュニケーションは、wevox values card を使ったチームビルディングをやりました。
ゲーム感覚でお互いの価値観を知れるので、これをやった後、「あの人がこうゆう発言をするのは、この価値観を大切にしているからなんだ」という相互理解を深めることができます。
ゲームとして楽しいだけじゃなく、日々のコミュニケーションの中にも生きてくるので、キックオフなど、新しいチームができたタイミングや、新しいメンバーがアサインされたタイミングなどにやるのがおすすめです。
3.自分のスキルを客観的に見るための調査+分析
自分自信のスキルセットを客観的に見るためのセルフ360°評価
私は弊社の始祖のPdMだったので、そもそもプロダクトマネージャーの評価指標もまだなく、そもそもPdMはどんなスキルが必要かがわからない。という悩みがありました。
そこで、Rettyさんのnoteを参考にさせていただき、セルフ360°評価をしてみることにしました。
アンケート形式に評価のシートを作って、よく業務でかかわるメンバーにお願いして他己評価をしてもらいました。同時に、同じ内容で自己評価を行い、最後に自己評価と他己評価の結果を照らし合わせます。
こうすることで、客観的に自分のスキルセットを知ることができ、自分の得意なこと、苦手なことの解像度が上がり、今後自分がつけるべきスキルが明確になりました。
自分の得意不得意をメンバーに伝え自分のスキルの透明性をはかる
自分の得意領域、苦手領域がわかったら、それをチームメンバーにオープンにするというのを心がけました。
「自分はこれが得意だけど、これが苦手なので、ご迷惑をおかけするかもしれないですが、みなさんのことを頼りにしています...!」ときちんと言葉にして伝えることで、専門性の高いメンバーに相談しやすく、逆に積極的にアドバイスをもらえるような環境を作るようにしました。
最初の3ヶ月のまとめ
最初の3ヶ月は「可視化」「コミュニケーション」「スキルの分析」をすることで、チームの心理的安全性が高まり、チームメンバーやステークホルダーも含めてお互いが相談しやすい環境を作ることができました。
また、自分のスキルセットの解像度が上がり「何が得意か、不得意か」「何が足りてて、何が足りていないか」がわかるようになりました。
次の4-6ヶ月でやったこと
4ヶ月目に起こった悩み
PdMになって4ヶ月が立ち、新たな悩みが生まれてきました。
苦手な領域のスキルはわかったけど、スキルはまだまだ足りないまま…
我流でやってきたけど、プロダクトが成長するためにはこのままでいいのか?
専門領域はメンバーに頼りっぱなしのまま…
我流でやるだけじゃ、PdMのロールモデルになれないんじゃ…
こんな悩みを悶々と抱える日々が続いていましたが、私はぼっちPdMだったので、社内にはこの悩みを相談する人もいないし、アドバイスをくれる人も周りにいませんでした...
社内にいなければ、社外で相談できるPdMの人を見つければいいんだ!
社内にいないなら、社外にで相談できる人を見つければ良いんだ!と思い立ち、PdMの人に相談できるコミュニティはないかと探し始めました。
そして見つけたのが小城さんのnoteでした。
プロダクト筋トレって名前がもうおもしろそう!Slack入るだけでコミュニティに参加できるなら入ってみようかな...と思って参加したプロダクト筋トレ。
入ってすぐは中々勇気が出ず、Slackを覗くだけの日々でしたが、たまたま参加したイベントで他の参加者の方のLTを聞く機会がありました。
「PdMって孤独ですよね」の言葉に勇気づけられる
その時に聞いた「PdMって孤独ですよね」の言葉がすごく印象的でした。
最初の3ヶ月の間にぼんやり感じていた想いを、自分と近い立場の人や、自分よりもつよつよのPdMの方が集まる場で話されていたことで、すごく勇気づけられた瞬間でした。
それをきっかけに、自分もなにか筋トレ(勉強会)に参加してみることにしました。
ずっと悩みだった「本が読めない病」を克服したくて輪読会に参加
私は本が読めないという悩みがありました。
読み始めても1つ理解できない箇所があると、そこが気になってその先を読んでも頭に入ってこなくなり、同じところを行ったり来たり...と、中々前に進むことができず、昔から本を読むのが苦手でした。
そこで、色々ある筋トレの中でも、みんなで一冊の本を読んで分析していく輪読会なら、私の本が読めない病も克服できるかも!と思い、「プロダクトマネジメントのすべて」の輪読会に参加することにしました。
「一冊の本をみんなで読み進めていく」を初めて体験
輪読会とは、1冊の本を、1章ごとに担当を決めて要約して発表する勉強会です。(1-2週間に一度開催)
発表者以外のメンバーもその章を読んできて、それぞれ読んだ時の疑問点などをあげたり、みんなでディスカッションや、ワークショップなどを行うことで、一冊の本をより深く理解することを目的とした会です。
1.輪読会の良いところ
わからないことをわからないと言える環境
輪読会の良いところをは「わからない」ことを「わからない」と言える環境があることです。
たとえば、「このフレームワーク使ったことない」といえば経験者の方がやり方を教えてくれることでクリアになったり、本に書いてあることを実践してみたくても、各会社ごとに課題があって実践できない場合などに、経験者の方がアドバイスをくれます。
本を読みながら、モヤモヤをどんどんクリアにしていくことで、「実践でやるには」というのを常にイメージしながら読み進めることができます。
読んだ人の数だけ本の捉え方があるので、一人で読むだけじゃわからない気づきがある
1冊の本を読むだけでも、それぞれのPdMの数だけ捉え方が違い、「自社のケースに置き換えたら...」というのも10社10色なので、「同じ本を読んでるのに人によって捉え方が違う」というのが、ディスカッションを通して知ることができます。
1つのテーマに対して、自分にはない視点の意見が聞けるのが輪読会の面白さのひとつです。
2.コミュニティの良いところ
コミュニティは自分・会社・チームを客観的に見るための最良の場
コミュニティに入って、他の参加者の方と対話することで、
私は(あるいは自社が)悩みがあるのはなんでだろう?
私は(あるいは自社が)悩みがないのはなんでだろう?
・それは、会社規模なのか?
・自分自身のスキルなのか?
・チームの体制なのか?
というのが、客観的に見えてくるようになりました。
自分やチームを客観的に見ることで、「今まで普通にやってたけど、このやり方実はすごく良かったのかも!他にも応用してみよう!」や「この悩みはこのやり方をすれはなくなるかも!」という、自分やチームの振り返りをするきっかけを作ることができました。
みんなで学ぶことで「わからない」が「わかる」ようになる!
一人で学ぶよりも、みんなで学ぶ方が「わからない」ことが「わかる」ようになりました。
自分の苦手な領域を一人で克服するのは難しいですが、みんなで学んだり、得意な人に質問することで、より深い学びを得ることができます。
自分自身を客観的に知る→得意領域苦手領域の分析→伸ばしたいスキルを決めるというのは一人でもできますが、それに「コミュニティで学びを得る」というのを加えると、より効率よくこの学習サイクルを回すことができます。
我流の壁を飛び越えたいと思ったらコミュニティの参加がおすすめ!
私がPdMになって6ヶ月経ってみた感想ですが、それぞれのバックグラウンドごとに得意領域の応用や延長でできることも、もちろんあります。
ただ、自分の「苦手領域をどうやって克服したらいいかわからない」「周りに相談する人がいない」などの悩みを抱えている方は、コミュニティを活用してみるのをおすすめします。
私がPdMコミュニティに参加して良かったと思った点はこちらです。
自分の得意領域の応用で我流でも進めることができるが、苦手な領域のスキルアップの場としてコミュニティが有効!
自分・会社・チームを客観的に見ることができるので、良い点や改善すべき点が見えてくる!
自分に近い役割を持つ人に気軽に相談できる環境ができる!
プロダクトマネージャーは自分が今まで経験したことない領域の知識やスキルも求められるようになり、壁にぶつかることも多くあると思いますので、楽しく効率よくスキルアップする方法として、コミュニティの活用をおすすめします!
おすすめPdMコミュニティ
一緒にご登壇いただいた、小城さん、伊藤さん、大倉さんありがとうございました!伊藤さんのスライドはこちらにまとめていただいております。ビジネスバックグラウンドのPdMの方是非ご覧くださいー!
PproductZineさん貴重な機会をいただきありがとうございました!
イラスト:Loose Drawing
お読みいただきありがとうございました!サポートいただけましたら、おこげのおやつ代に当てさせていただきます。