セックスシンボルになりたかった
なぜだろう。セックスシンボルになりたかった中学生の私は、副委員長をする真面目で人目を気にしてソックタッチで片側三重になっていたまぶたを二重にしているような女子だった。
なぜだか、マリリン・モンローに強烈に惹かれていたのである。
映画も見たことないのに、たまたま家にあった洋楽CDにマリリンの歌が入っていたことと、雑誌に載っていた写真だけの存在の彼女に惹かれていた。
その声と歌い方、写真から醸し出す雰囲気にこんな人になりたいと歌い方をひっそり真似していた。
長年あたためていた私は卒業間近、強行手段に出る。
文化祭?か音楽祭か忘れたが、全校生徒の前で歌を披露する機会に出ることにしたのだ。
そう、マリリン・モンローとして。
歌はもちろん「プップッピドゥー」でおなじみの【お熱いのがお好き】だ。
その時まで誰にも見せてこなかった「プップッピドゥー」
部屋の中だけの「プップッピドゥー」
それを、全校生徒、教師と自由参加の父兄たちの前で歌うことになるその機会に、何を思ったか出ることにしたのだ。
もう熱くなった想いを、表に出してしまいたくなったのだ。
オーディションももちろん受けた。
生徒会委員の前で恥ずかしさ押し殺し歌い、キメの「ユー!」を生徒会長を指さし合格。
来る当日。
自分でホクロを油性ペンで書き、他の出演者達は安室奈美恵やスピード、イエモンなんかをダンス付きで歌っている中、
呼ばれたのは後半だった。
「マリリン・モンロー!」と呼ばれ、ステージ横から化粧した副委員長が「I wana be loved by you~♪」を英語で歌って歩いてくるのである。
今だからこそ、サントリーのCMに使われて知っている人も多いが、あの頃はまだこの歌を知る中学生はほとんどいなかった。
そこにいた同級生、生活指導の先生、担任驚きの声が響き渡った。
結果、
私は準グランプリをとりその後の中学生活あだ名は【マリリン】になった。